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プリンと不良

作者: 右京

学校一の不良、先坂涼斗はいつもみけんにしわを寄せ、思い通りにいかないと怒り出す、先生たちの頭を抱えさせる問題児だった。


その問題児がある日の昼休み、職員室に乗り込んできた。先生方の顔にさっと緊張が走る。

涼斗はシャツをだらしなくだし、腰パンのずぼんでずりずりと足を引きずるようにしてある一人の教師の机へ向かう。

その教師の机は彼のクラスの担任である、田中修二の机であった。修二は近づいてくる涼斗を見つめながらビクビク震えていた。そう、その日の涼斗は明らかに不機嫌で、いまにもなぐりかかってきそうな形相だったのだ。いつもクラスであうだけでも縮み上がりそうな修二にとってそれは死にそうなくらいの怖い体験だった。


(俺にはまだ女房も子供もいるんだ。こんなとこで死にたくねえ・・・)


そんな泣き言を頭の中こぼしながら、修二は自分の前でとまった涼斗をみあげる。涼斗はしばらく修二をにらみつけていたが、突然修二の机をおもいきり蹴った。机の上のコーヒーがこぼれ先生方が悲鳴を上げる。新任の若い女先生は今にも泣きそうな顔だ。


「こ、こら先坂!田中先生の机になんてことを・・・・」

「っるせええっっ」


校長先生が振るえながらこんしんの勇気を振り絞って注意するが、その注意もむなしく、先坂の怒声にかき消されてしまった。その大声にまた先生方が悲鳴をあげる。新任先生はすでに目に涙をうかべている。


「てめえ、自分のしたことわかってんのか?」


涼斗は首をもたげ修二に脅すような声で言った。修二は声も出せずその場に固まってしまった。何かいわなくては、何かいわなくては、と思うのだが言葉が出てこない。

そうして口をパクパクしていると、涼斗がもう一度机を蹴り、修二の胸倉をつかんで怒鳴った。


「自分が何したかわかってんのかって聞いてんだよっ。ボケがっ」


いつも教室で騒がれている修二でもこんなにもおこっている涼斗を見たことがなかった。そしてその原因が自分にあるかのような涼斗の言い方に修二はますます震え上がった。



自分は何か気に触るようなことをしてしまったのか?


しかしまったく身に覚えがない。必死に今日一日の記憶を探るが、やはり涼斗がこんなにも怒るような事は何一つしていない。・・とおもった。しかし涼斗の怒りは続く。


「お前今日の昼、給食の後、何した?おぼえてねえワケねえよなあ。つい数分まえだもんなあ!」


そういって涼斗は鬼の形相で睨む。


昼?


給食後?


数分前??


修二は先ほどまでの自分を思い出す。


給食を片付け終えた生徒たちを給食室へと行かせ、教室を出て職員室へ。

いやまてよ・・・。たしか職員室に行く廊下で生徒に呼び止められてあまっていた今日のデザートをどうすればよいかと聞かれて給食室へもっていきなさいと言ったような・・・。


「おまえは・・・おまえはおれの、おれの・・・・・・」


涼斗の声が震える。





「おれの残していたプリンを捨てやがったんだ!」


そう言い放った涼斗の目にはうっすら涙がにじんでいた。





後日、修二はコンビニでプリンを涼斗におごり、事件は万事解決したのである。


どうも。初投稿になります!

つまらない作品ですが感想、意見等ありましたら、

ぜひお願いいたします(><)

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