9A列車 降りて・・・
「どういう風の吹き回しよ。いきなり降りるって。」
レイはすぐにそう言った。僕はそんなこと気にせず「あさま」から降りた。「あさま」から降りたら、すたすたと改札口のほうに向かった。
「ねぇ、ちょっとどこ行こうっていうのよ。」
「ほら。持ってる切符ここに通せ。」
僕は在来線の乗り換え口まで来たところで口を開いた。
「えっ。この切符で在来線乗るの。」
「乗れるんだから、乗るの。ほら、行くぞ。」
「わけわかんない。今回は新幹線乗りつくしでしょ。ここ抜けたら新幹線は来ないじゃない。どうして、新幹線の改札から在来線のほうへ・・・。」
と言った時には僕はすでに改札を通った。
(はぁ・・・。)
もうシャークの言うとおりにする以外なさそうだ。改札を通って、在来線のほうに向かった。
(さて、来たのはいいが、「あいつ」がどこに来るのかわからないなぁ。)
上の電光掲示を見た。表示されているのは16時12分以降各ホームから発車する列車が速い順に2本。その中にまだ表示されていない。・・・。僕の場合は上野駅13番線と尾久車両センターに回送されていくところでしか見たことがないから、大宮でどこに来るかということは知らない。
「チッ・・。」
舌打ちをした。したところでどうにでもなる問題ではない。
(どうせ、青森のほうに行くんだ。来るところは下り本線かぁ・・・。まぁいい。それは仲間が教えてくれるかぁ・・・。)
もしかしたら、もういると思った。
恐らく来るであろう場所に行ったら案の定だった。もうすでにカメラを提げた人が来ていた。最初からいいポイントを確保しておこうとしている人たちだ。ならここで待ってればいい。
「シャーク。ねぇ。」
「黙ってろ。新幹線以上に面白いのが来る。」
(新幹線以上に面白いもの・・・。)
「それは何。」
「・・・秘密だ。」
(これってレイだから通じるんだよなぁ・・・。電車かじってたら何が目的ってすぐに分かっちゃう。)
これは間違ってないと思う。この時間大宮にいて、カメラを提げていること自体がそれを証明しているようなものだからだ。
時間が迫った。
「・・・が参ります。ご注意ください。」
「シャーク・・・。」
「何。」
「もしかして、「カシオペア」見せたかったの。」
「ああ・・・。さて、カシカマ(509・510)かホシカマ(509・510以外)かは賭けだけどな。」
カメラを向けた。レイも同じようにスマートフォンを向けた。向こうから現れた列車の牽引は・・・。
(やった・・・。)
心の中で叫んだ。先頭に立っていたのは507号機。さっき説明したとおりだ。車体は青をまとっており、側面には流れ星。これは「カシオペア」に賭けた甲斐があったというものだ。この列車が発車するまでホームにいて、発車したら、京浜東北線のほうに乗った。東京~大宮間は新青森まで行った時に乗ってしまっているから乗りつくしに影響はない。
「レイ。今日はホテル代ケチるぞ。家に泊まって、明日の朝また東京で落ち合う。それでいいな。」
「えっ。ああ、分かった。」
レイにそうするということを京浜東北線のE233系の中で伝えた。と言ってもまだ解散するわけじゃないけど・・・。
上野に着いたら、今度のやつまでまだ時間がある。ちょっとどこかで時間をつぶしてようか・・・。でも、京浜東北線を使ってきたから結構時間はつぶれたか。30分ぐらいしかかからない所を1時間ぐらいかけてきたわけだからなぁ・・・。でもまだ時間がある。しょうがない。まずは山手線を1周して、時間をつぶすか・・・。上野に戻ってきたら、今度は晩ご飯をどうにかして、その時間がくるまで待った。
18時40分ごろ。上野駅13番線に向かった。ここは東北の人とマニアの間で有名なところだ。いや、東北の人には13番線じゃなくて、上野駅のほうが有名か・・・。そんなことはどうでもいいかぁ。
18時50分。列車が入線してきた。19時03分に札幌に向けて発車する「北斗星」だ。僕は「北斗星」の客車のことはどうでもいい。問題はその牽引だ。今度来たのはシルバーの車体。
(カシカマかぁ・・・。)
車番を見てみれば、510-510。ぞろ目だった。
「うーん。ねぇ、シャーク。これってさっきのと・・・。」
レイが言いたいことは大体見当がついた。
「同じだよ。」
「えっ。ウソ。」
「何が「えっ、ウソ。」だ。バカの目には電車は全部同じに映るんじゃなかったのか。」
「シャーク。後で覚悟してよ。」
「ヤダよ。」
これを撮り終ったら、今日は終了だ。中央線で途中の八王子まで戻り、家にかえって明日に備えた。
(さて、明日は乗り換えづくしだぞ。)
時刻表をめくりながらそう思った。まぁ、最初からそうなることは知れていた。
(最初「のぞみ」に乗ったらあとが大変だからなぁ。行きはゆっくり行くとするか・・・。)
まず、明日のスタートは300系からだ。
今回は新幹線と全く関係ありませんが、マニアの性というものから書いてみました。