表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/13

3A列車 雪遊び

「ちょっと待ってよ。ここに来たらすぐにとんぼ返りするってこと。」

「ああ。まぁしたくないんだったらしなくてもいいけど。」

「じゃあ、秋田(あきた)観光しない。」

「観光って言ってもなぁ・・・。」

「・・・シャークってそういうがらじゃないもんね。」

レイはそうつぶやいた。さすが。よくわかっている人だ。僕的に言ったら電車に乗っているだけでも十分旅にはなっている。だから、そのままとんぼ返りしたいという気もあるが、このままとんぼ返りするのでは話にならない。だから一本は遅らせることにはなる。

「じゃあ、どこ行くんだ。」

八郎潟(はちろうがた)。あそこ行ってみたい。」

「・・・お前感覚大丈夫か。あすこはただの湖だぞ。」

「湖とはなんだ。あすこはただの農地だよ。」

「やっぱお前感覚おかしい。精神科医の観光したほうがいいんじゃないか。」

「まぁ、八郎潟(はちろうがた)は冗談。近くに公園あるし、そこまで行ってみない。」

ここは例の意見に乗ることにした。秋田(あきた)駅から出てくると道路と歩道、建物の壁以外は白に染まっている世界が広がった。東京(とうきょう)でも雪は積もることはあるけど、こんな風になることはない。

「わっ。ちょっと。」

後ろでレイの声がしたと思った瞬間雪の上にたたきつけられた。

「イテテ・・・。」

雪のクッションがあって少しは違ったけど・・・。さすりながら起き上った。

「何するんだよ。いきなり。」

「ごめん。近くにいた・・・うわっ。」

とっさに例の手が僕の腕をつかむ。僕だってこうなるなんて思ってない。踏ん張ってもいなかったから、今度はレイの上に折り重なった。

「シャーク。重い。」

「悪かったな。重くて。」

「ねぇ、今のに便乗して、おっぱい触ってないよね。」

「触るか。」

起き上ったら、今度はレイの手を握ってレイを立たせてやった。そして、また数歩進むとこけて、立たせて、数歩進むとこけてを繰り返しながら、何とか近くの千秋公園までは来た。

「イタタ。もうだめ、体中痛い・・・イツツ。」

「じゃあ、そこらへんで座ってればいいじゃん。」

「なんでこんな冷たい雪の上で座らなきゃいけないのよ。今度は冷えるじゃない。」

「つくづくバカだな。雪に上に座れって誰が言ったんだよ。」

「・・・。」

 ちょっと経ったらレイはベンチの上に腰かけていた。ちょっと歩き疲れたという感じだった。僕だってそんな活発に動くつもりはない。じゃあ、何をしてようかなぁと迷っていた。こんなにたくさんの雪があるんだ。雪合戦も悪くないけど、二人でやるほど空しいものもないかぁ。

「・・・。」

ひらめいた。ここにある大量の雪を使って大きいものを作るほどの時間はないけど、小さいものならすぐにできるかぁ。そう思って白い雪に手を突っ込んだ。一気に手が冷たくなる。

(・・・我慢。)

 数分後。

(できた・・・。)

レイはベンチに座ったまま。動くところ部からそこに座ったままなのだろうか・・・。

「レイ。」

作ったものを体でかくして、レイを呼んだ。レイのほうからは歩いてきそうにもなかった。仕方ないので、レイのところまで行って、手を引っ張ってその場所まで連れて行った。

「うわぁ。雪だるま。・・・ののっぺらぼう・・・。」

「文句言うな。あんな便利機能なもの持ってないんだから。」

「・・・シャーク。ちょっとそこにいてよ。」

「・・・。」

例はスマートフォンを構えておそらく写真をとった。入れ替わって、僕がスマートフォンでレイと雪だるまをとる。写真でとってみたけど、ちょっと小さすぎたかなぁ・・・。雪だるまとふつうの雪の区別が・・・。まぁ、いいか。

 タクシーで帰るということをせずに駅まで歩いて戻った。そろそろ今日どこに泊まるかぐらい決めておかなければ。バッグの中に入っているコンパス時刻表も取り出した。今の時刻は16時50分。秋田(あきた)駅まで戻る間に30分ぐらい時間がたってしまうと思われる。

「レイ。今日は盛岡(もりおか)に泊まっていいよな。」

「えっ。うん。」

「というかもう決定事項だけど。」

「ふぅん。でこっからどうするわけ。」

「ああ。「こまち40号」で盛岡(もりおか)まで出て、今日はそこで終わりでいいだろ。」

「・・・ホテル予約してあるの。」

「してない。だから頼む。」

「どんだけバカな旅行なのよ。そういうこと考えときなさいよね。列車だけ考えて、そこ考えてないって。無計画にもほどがあるわ。」

「じゃあ、さっきお前のパンツ見えてたこと言ってもいいか。」

「はっ。」

レイは自分の足元を見たが、すぐに

「何パンツ見えてたよ。今日はあたしはズボンよ。」

「ヘイヘイ。どうでもいいから予約頼みます。」

「・・・今日だけだからね。ていうか、今日盛岡(もりおか)のホテルに入ったらちゃんと計画立てておくのよ。」

「分かったよ。」

 18時ちょうど発の「こまち40号」に乗り、盛岡(もりおか)に19時39分。

「とりあえず近くのホテルとれたんだけど、一人部屋は全部空いてなかったから二人部屋なんだけど。」

「なんだ。二人部屋かぁ。」

「お風呂。のぞかないでよ。」

「除くか。お前の裸だったらいやってほど見てるよ。」

「なっ。」

レイは僕の胸ぐらをつかんでくると、

「マジで。小学校低学年の時は別として、それ以上の時の裸も見てるってこと。」

「まぁ、冗談だけどなぁ。」

「・・・。いや、でも小6の時にあたしが体操服着替えてるとこ。」

「まだあれは下着着てたからいいんじゃないか。それに俺が見たときには下はちゃんとスカートはいてたし。」

「・・・。」

ホテルに着いたところで、その話も中断。僕はこの先の工程を考えた。頼りになるのは持ってきているコンパス時刻表。これだけを頼りにこの先の計画を立てていく。

(うーんと、まず明日は「はやぶさ4号」で仙台(せんだい)まで行って、その次は「やまびこ126号」その次は「つばさ123号」で新庄(しんじょう)だよなぁ。新庄(しんじょう)でまたゆっくりするものいいけどもし2000番台だったらごめんだよなぁ・・・。じゃあ、11時42分の普通で山形(やまがた)まで出て、13時06分の「つばさ142号」で高畠(たかはた)まで行ったら、・・・同じことかぁ・・・。「つばさ146号」まで待って大宮(おおみや)が17時30分。「MAX(マックス)とき339号」で高崎(たかさき)まで出たところで終わるか。・・・いやでも中途半端たよなぁ。その次の日に長野新幹線(ながのしんかんせん)に乗るとも決まってないし、第一このままいったら・・・。)

しばらく考えていたが、結局結論として明日は高崎(たかさき)を目指すことだ。

「シャーク。お風呂入ってきたら。気持ちいよ。」

「ああ。ちょっと待って今はいる。」

後ろのベットに腰かけているレイを見た。

「なぁ、レイ。お前明日温泉にでも入るか。」

「温泉。」

「ああ。」

「入りたい。入りたい。」

「じゃあ、楽しみにしとけ。」

(1時間以上入ってたらレイがふやけちゃうなぁ・・・。)

それから僕はシャワーを浴びた。とても体の芯まで温まるということはできない。これは明日本当に芯まで温めてくれなければ・・・。

 風呂から出ると計画した2日目の行動を書き溜めた。

「どこで温泉に入るの。」

「えっ。秘密だよ。」

レイにはそう言っておいた。レイが得た後僕はスマートフォンで調べた。安上がりで済むところがうってつけだった。


めちゃくちゃしたいよ。俺も雪遊び・・・。

でも、僕の住んでいるところは雪降ってくれないんですよねぇ。2月2日の時はこちらでも雪積もりましたけど・・・遊べるなんて両じゃないんですよねぇ。皮肉なことに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ