表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/13

2A列車 連結 解放

 「はやて」を降りたら、すぐに10号車の方に向かった。最初、僕たちは「はやて」の切符を盛岡(もりおか)までしか買っていない。ふつうに考えるなら、ここで乗り換えるというのがふつうの考え方だ。間違ってはいないが、それだけでは面白くない。

「はぁ・・・シャーク・・・。走ってどうしようっていうの。」

(遅かったかぁ・・・。)

「ねぇ、シャーク。」

僕はE2系(イーツーけい)の先頭を見ていた。こんなに早い段階で開けるものなのか・・・。だとすれば、これが開く瞬間をとらえることができるのは1時間ぐらい後の話になる。

(そこまで待つのはいい。だけど・・・それをやったら「こまち」を1本遅らせなきゃいけない・・・どうする。まぁ、今昼だし、待つのはいいけど・・・。)

「レイ。」

ダメもとで口を開いた。

「何。」

「14時22分までここにいていいか。」

「はっ。」

(それで当然だよなぁ・・・。)

「いていいわけないでしょ。そんな時間まで待てないよ。つうか次「こまち」に乗るんでしょ。「こまち」だったら、13時22分のやつに乗っていけばいいじゃん。なんでそれ見送るのよ。」

「ふぅ・・・。いやぁ、己の欲求を満たしてから出ないと・・・。」

「何わけわかんないこと言ってるのよ。」

「間もなく12時、41分発。「こまち、24号」、東京(とうきょう)行きが、到着いたします。安全柵の内側まで、下がって、お待ちください。」

そのアナウンスが聞こえたら、モードを切り替える。レイにかまわず、E3系(イースリーけい)が来る方面を向いた。向こうから白いライトを照らしたE3系(イースリーけい)「こまち」が入線してくる。

「・・・。」

「まぁ、大きな口開けてる。カワイイ。」

(カワイイか・・・。)

これを見ることができるのも1時間後かぁ・・・。どうしようか真剣に迷うところだ。

 「こまち」は一度「はやて」の手前で停車。すぐにゆっくりとしたスピードで前に進み、「はやて」と連結。それまでつけていたライトを消灯して、下げていたパンタグラフを上げる。そして、ここで降りる客を降ろす。

「レイ。やっぱり14時22分の「こまち」まで待つかぁ。」

「どうしたの。なんで待つ必要があるわけ。」

「だから、欲求を満たしてから出ないと欲求不満で・・・。」

「何が欲求不満よ。」

「じゃあ、帰れ。一人で。」

「えっ。帰るなんて。一人じゃ迷っちゃうよ。」

(電車に乗って迷うことってあるか・・・。)

「まぁ、迷いたくなかったら、俺に従うんだな。数日間は。」

「その数日過ぎたら、今度はあたしがシャークをこき使うからね。」

(子供みたいなこと言ってるなって・・・。)

 連結が完了した「はやて」と「こまち」はここから東京(とうきょう)まで、折り返しの「はやて」・「こまち」でここまで、この状態のまま走り続ける。東北新幹線(とうほくしんかんせん)では今や当たり前のことで、このような状態で走っている新幹線はほかに山形新幹線(やまがたしんかんせん)の「つばさ」。東北(とうほく)上越新幹線(じょうえつしんかんせん)の「MAX(マックス)やまびこ」「MAX(マックス)とき」の16両編成だ。このようなことを行っている理由として、よりたくさんの乗客を運ぶ。または列車の運転本数を増やすことなく行先の違う列車を運転するという理由がある。

 「はやて・こまち24号」東京(とうきょう)行きは定時発車。それを見送ったら次はお昼の番。またちょっとお昼のことでもめて、13時10分またこの場に戻ってきた。

「だから、シャークは頭がおかしいんじゃないの。どうして、「こまち」の秋田(あきた)行き見送っちゃうのよ。」

「・・・分かってねぇなぁ。見送ったら面白くないんだよ。」

「どこがどう面白くないのよ。理由を分かるように説明してよ。」

「えっ。簡単だよ。連結を見たら次は解放を見るに決まってるだろ。」

「・・・それはオタクの考えでしょ。」

「オタクじゃなくても考えるやつは考えるだろ。」

(オタク以外そんなこと考えるか・・・。)

 さて、そんなことはさておき。ここでやると決めたことはやらなければ。13時22分。ここには東京(とうきょう)から来た「こまち・はやて23号」が入線してくる。まずは「こまち」の先頭車両を撮って、今度は走って戻り、「はやて」と「こまち」の連結面を撮影。その時にはすでに「こまち」はテールライトをつけて、発車する準備を進めていた。恐らく見かけ上つながっているように見える連結も切られているはずだ。後は発車時刻になったと同時に「こまち」が走り出すだけでオーケイだ。

 13時24分。「こまち23号」秋田(あきた)行きの発車時刻だ。「こまち」はここからATC(自動列車制御装置(じどうれっしゃせいぎょそうち))から解放されて、在来線区間を走行する。そのため、ここに線路には在来線で見かける信号機が取り付けられている。ここを発車したら、事実上在来特急と同じ状態になる。

 「こまち」は発車してしばらくすると飛び出してきていた連結器を収納しながら、大きく開いた口を閉めて進んで行く。これは車内からでは絶対に見れない光景だ。それを写真と動画におさめて、今度は「はやて23号」のほうを写真もおさめる。「はやて」もすぐに発車していき、東京(とうきょう)行きの「はやて26号」と「こまち26号」の連結を見て、14時22分ここにくる「こまち25号」秋田(あきた)行きを待った。

 14時22分。待っていた秋田新幹線(あきたしんかんせん)「こまち25号」が到着した。「こまち」も前者指定。い則ことはないけど、2分後には発車してしまう。指定されているのは12号車16番A席とB席。13号車のドアから入ったほうが近いからそっちから車内に入った。

(ドアステップかぁ。初めて踏むな。)

ドアとホームに間にあるドアステップをわざと踏んで車内に入った。これは新幹線区間でなければ踏めないものだ。秋田新幹線(あきたしんかんせん)山形新幹線(やまがたしんかんせん)E3系(イースリーけい)はふつうの新幹線車両よりも一回り小さい。つまり、ドアステップがないと乗客はホームと車両の間に簡単に落ちるほどの隙間があるのだ。そうさせないためのドアステップだ。そして、E3系(イースリーけい)は在来線の車両限界に合わせて作られているため、在来線区間にはいれば、このステップを使わなくても乗客の安全は確保される。

「シャーク。さっきあたしのこと子供だとかなんとかって言わなかった。」

「えっ。」

「あたしより、シャークのほうが子供なんじゃないかなぁ・・・。」

「・・・うるせぇな。子供はお互い様だろ。」

(認めるんだ・・・。)

ふと外を見た。まだ外には雪が舞っている。「こまち」は結構高いところを走っているのが分かる。だんだん下がってきて、在来線の線路が合流してくる。田沢湖線(たざわこせん)だ。しばらく走ると視界が電車にさえぎられた。田沢湖線(たざわこせん)の普通列車だ。それをぐんぐん突き放して、田沢湖(たざわこ)に停車。それからも快調に田沢湖線(たざわこせん)を飛ばして、大曲(おおまがり)に到着。

「あれ。シャーク。なんか変じゃない。」

大曲(おおまがり)を発車すると途端にレイが口を開いた。

「別に。大曲(おおまがり)じゃふつうのことだって。」

それから無知のレイに説明。理解したのかは置いといてね・・・。

 秋田(あきた)到着15時56分。ここからまた盛岡(もりおか)まで戻ってということもできるが・・・どうする。


E3系はもうすぐE6系に代わってしまうんですね・・・。さみしいです。あれ結構好みなんですけど。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ