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12A列車 新幹線の在来線

 席に座ったまま発車を待った。その間レイはどうかしてるとかいろんなことを言っていたけど、僕としてはどうもしてない。しばらく止まっていると降りる人ではなくこの列車の中に乗り込んでくる人が出てきた。

「なっ。見ればわかるだろ。これから車両基地のほうにこれから全員連れてかれるんだよ。」

「意味わかんないよ。」

「今は分からなくていい。そのうち分かる。」

その頃に発車時刻となった。列車は博多(はかた)駅から遠ざかっていく。

「ご乗車ありがとうございます。この列車は博多南線(はかたみなみせん)博多南(はかたみなみ)行きです。」

「この先は九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)博多南線(はかたみなみせん)がのびてる。昔みたいに終点に来たら、車両基地なんてことはないのさ。」

まぁ、東京(とうきょう)口ではほとんどの車両が折り返してしまうから、こんな光景見たことはないのは当然か・・・。10分ぐらい経つと列車は高架橋から降りて、車両基地の隣に入って来た。ここに博多南(はかたみなみ)駅がある。

 博多南(はかたみなみ)駅は博多総合車両所(はかたそうごうしゃりょうしょ)の隣に作られた在来線の駅である。ここには新幹線が乗り入れているが、新幹線の車両を使っているだけで、扱い的には越後湯沢(えちごゆざわ)~ガーラ湯沢(ゆざわ)間と同じである。なぜこんなところに駅ができたかというと地元からの要望である。実際これで通学する客もいるくらいで、需要がある。

 博多南(はかたみなみ)の近くに広がっているのが博多総合車両所(はかたそうごうしゃりょうしょ)。ここでは新幹線が体を休めたり、日々の検査を行っていたりする。検査は2日に一回の仕業検査(しぎょうけんさ)。これは走行に対し基本的なことを検査する。1か月単位の交番検査(こうばんけんさ)。これは仕業検査(しぎょうけんさ)よりもっとち密に走行に対するものの検査を行う。1年単位の台車検査(だいしゃけんさ)。台車の表面を100分の1ミリ単位で削り、台車そのものを解体。台車を新たに組みなおす。走行距離90万キロ単位の全般検査(ぜんぱんけんさ)。新幹線車両に搭載される機器類全てを取り外し、新しいものと取り換える。

 博多南(はかたみなみ)からまた博多(はかた)に戻って、弁当を買った。今度はそれを食べている時間があまりない。

「さっきの博多南(はかたみなみ)まで言った意味もなかったんじゃない。」

「バカだなぁ。誰でも一度は行きたいところだと思うけど。」

「それはシャークみたいな鉄道バカだけでしょ。」

「まぁ、そこは置いといて・・・。次は駅飛ばしてくから安心しろ。」

「それ今関係ないってば。」

「あっ。そうだ。明日6時30分前には鹿児島中央(かごしまちゅうおう)出るから、明日は早起きしてくれよ。」

「えっ。どうして。」

「「みずほ」撮りたいからな。」

「・・・。東京(とうきょう)で撮ればいいじゃん。通過そんな早いのじゃなくてもよくない。」

東京(とうきょう)に「みずほ」は死んでも来ない。そして、早い「みずほ」じゃないと間が悪いの。」

こう言ったらレイは納得してくれたみたいだった。

 18時39分。N700系の8両編成がホームに入線した。東海道(とうかいどう)山陽新幹線(さんようしんかんせん)のN700系と違うところはまず塗装だが、内側の違いは全車電動車ということ。これは九州新幹線(きゅうしゅうしんかんせん)内の勾配がきついためである。逆に同じところは喫煙ルームを備え、全車禁煙であることだ。

 車内に入ってみれば、九州独自の色が吹き込まれていることが分かる。だが、さほど違いがあるようにも見えなかった。まぁ、これは僕たちが乗ったのが自由席だからだ。指定席のほうは2列+2列となっているらしい。

「レイ。」

声をかけるとレイは弁当をほおばっていた。まぁ、それでいいのだけど・・・。

「レイ。弁当食べたら寝るんじゃないぞ。」

「えっ。なんで。」

「さっき言っただろ。寝てくれると困る。」

「・・・。」

でも、食べ終わったら結局寝ていたから、あれを言った意味がなかった・・・。

 鹿児島中央(かごしまちゅうおう)に到着。21時ちょっと前だ。すぐホテルに行って、僕はすぐに寝た。しかし、レイはよく寝つけなかったみたいだった。


博多~博多南間は新幹線だと10分。バスだと40分ほどかかるそうです。

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