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―鏡―

作者: hiro

 

掲載詩タイトル一覧↓

 

1.Me-rror-byrinth


2.タナトス の 鏡


3.まねっこさん


4.ひかりのひとみ

 

 

 

以上4編からなる詩集です。

 

 ◇Me-rror-byrinth◇

 

ピカピカの鏡

フカシギなゲート

 

キラキラなひとみ

そのトビラ ひらいたら

 

だれもしらない

ぼくもしらない

『ボク』へとのびる

みちがひろがる――

 

いきつくさきは

明朗ではなく

いりくんだみちは

迷路のよう

 

 

くねくねの道のり

ふわふわなキモチ

 

カラフルな『ボク』が

いきつく先に あらわれては

 

こころ まどわし

この手 つかんで

ああ、いったい

どこにつれてゆくの?

 

 

 

はてなく くねる

ら び り ん す

 

       みぎから

ひだりから

 

たくさんの『ぼく』の

声がします

 

はてなく くねる

ら び り ん す

 

    すすもうか

  もどろうか

 

迷ってしまって

本日もぼくは

あしぶみ あしぶみ……

 

 

 

――まがり角から

  かおをだすのは

よりみち好きな『ボク』

 

ぼくの体を

あっちこっちへ

つれまわす

 

 

――風が気まぐれに

  いたずらをすると

ヨワムシな『ボク』

 

ぼくの足が

動かないように

縛りつける

 

 

――月がつれなく

  そっぽを向くと

 

ニヒルに笑う『ボク』 

ぼくの瞳を

イジワルにおおって

まっくらにする

 

 

――だけど それなのに

 

  出口へ向かって

  足をひきずって

歩こうとする『ボク』の

 

そのまっすぐな背中だけは

なぜか、遠くに

かすんでいて――

 

 

 

はてなく くねる

ら び り ん す

 

       みぎから

ひだりから

 

たくさんの『ボク』に

ためされて

 

はてなく くねる

ら び り ん す

 

   いどもうか

  にげようか

 

迷ってしまって

本日もぼくは

あしぶみ あしぶみ……

 

 めいろはまだまだ

 おわらない

 

  

  タナトス の 鏡

 

鏡の水面に映るワタシへ

伸ばした指が

なぞった頬の

冷たさは 鋭く

腕を突き刺し

肉をえぐり……

 

――その刹那、揺らめいた

  水面の上を

  滑ったものは

 

歪んだ口元 赤黒い眼

 

私の知らない

ワタシの『顔』……

 

 

その口元に潜めた牙が

その手の平にぎらつく爪が

いつか血を啜り

朱色に燃ゆる その日を

待ちわび焦がれた

ワタシの『顔』――

 

 

 

鏡の水面を かきくらすワタシを

捕まえようと 潜った先は

 

悍ましく渦巻く

陽光を知らぬ

漆黒の夜……

 

 

 

――それはまるで影のように

 

この身に光を浴びるほど

その空を黒く深く染め上げて

 

顔を背けようとも

私を大地へ 押さえ付け

嘲笑うかのように

広がってゆく――

 

 

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

 揺蕩う もの は

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

 血 に 飢えた ワタシ

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

 清らカな 光 が

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

  汚 シ た 影......

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

ヒトミ ヲ 塞グ 黒

 

 

 

  *まねっこさん*

 

あなたは わたしの

まねっこが

コワいくらいに うまいから

 

わたしは あなたに

たずねたの

 『どうしてわたしの

  マネするの』

 

そしたら あなたも

たずねたの

 『どうしてわたしの

  マネするの』

 

すっかり ぴったり

重なって

ちょっと悔しくなったから

 

わたしは あなたに

背をむけて

見えないように してみたの

 

そしたら あなたも

背をむけた

怒ったように 背をむけた

ちょっぴり おかしく

思えてきて

 こんどはあなたに

 手をのばす

 

そしたら あなたも

手をのばす

 

 ふたつの手のひら

  ごたいめん

 

しっかり すっかり

合わさった

みぎて と ひだりてを

見つめたら

すこぉし へんな

気分なの

 

あなた と わたしを

みくらべる――

 

 

とあることに

きづいたよ

ちっぽけだけど

大事なこと

 

あなたは わたしの

まねっこが

コワイくらいに うまいけど

 

あなたは わたしに

なれないし

わたしは あなたに

なれないの

 

あなたは わたしの

影だから

あなたと わたしは

 ちがうもの

 

だから わたしの

外見は

あなたの それとは

ちがうもの

 

あなたと わたしが

おなじだと

まちがえそうに

なったけど

 

あなたは わたしの

まねっこが

いがいと 下手だと

わかったよ

 

――だってほら、

  みぎ と ひだりを

  まちがえてる

 

あなたは とても

うっかりやさん

 

あなたは とても

うっかりやさん

 

 

  ひかりのひとみ

 

わたしを包みこむ

おだやかな温もり

その調べに身をゆだねると

 

導くように

とびらが開いた――

 

 

わたしに注ぎ込む

あたたかなひかりが

鮮やかに色をてらしては

 

わたしにせかいを

教えてくれた

 

 

時に光は

痛々しいほど

大地に影を刻んでは

歩むべき道を

わからなくしてしまうけど 

 

 

真っ暗な中

つまづいて

すりむいて

痛みを知って

 

それでも

立ち上って

歩きだして

 

その時初めて

光の優しさをかみしめて

『ありがとう』を言える

わたしになる

 

 

 

わたしを見つめる

やさしげなひとみに

やわらかく映るものを見て

 

わたしはわたしの

姿を知った

 

時にひとみは残酷なほど

愚かなわたしを映すから

愛したいあなたに

背を向けそうにもなるけど

 

 

迷いの中

ぶつかって

傷つけて

涙にぬれて

 

それでも

歩みよって

支えあって

 

そうしてやっと

あなたの温もりを

だきしめて

『愛してる』の意味が分かるから――

 

 

 

 

   いま、

まっすぐに見つめよう

 

――満ちるひかりを

  あなたのひとみを

 

 

当たり前に

注がれて

輝いて

そばにあって

 

それなのに

いつの日か

消えてしまう

 

そんな もろく

時のまえにゆらぐ

さざめきを

いつの日も忘れてしまわぬように――

 

 

Me-rror-byrinth

→Me+Mirror+Labyrinthからなる造語。

わかりづらくてすいません……

読みづらくてごめんなさい……


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― 新着の感想 ―
[一言]  こんちは。新作出したんですね。今回のキーワードは「鏡」と「迷宮」……。何とも味わい深いです(; ・`д・´)  個人的に一番感じるものがあったのは「Me-rror-byrinth」の「たく…
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