思い込みの激しい義妹と、私の溺愛婚約者
「お姉様、そんな無骨で大雑把な味付けのクッキーでは、レイナード様の高貴なお口には合いませんわ。殿方が本当に求めていらっしゃるのは、私のように繊細で、細やかな気遣いが行き届いたお味ですのよ?」
我がヴァイン伯爵家の豪奢な応接室に、チェルシーの鈴を転がすような声が響き渡る。
ウェーブがかった蜂蜜色の髪を揺らし、いかにも「庇護欲をそそる愛らしい妹」を体現したような彼女は、私がテーブルに置いたばかりの焼き菓子を見下して、くすくすと上品そうに笑った。その瞳の奥には、隠しきれない優越感と、私に対する侮蔑がこれでもかと透けて見えている。
彼女は、二年前に父が迎えた後妻の連れ子だった。
我が家にやってきたその日から、チェルシーは私の持つすべてを欲しがった。ドレス、宝石、家庭教師の賛辞、そして――私の婚約者である、アスラン公爵家の若き当主にして近衛騎士団長、レイナード・フォン・アスラン公爵の心までも。
「まあ、チェルシー。そうなの?」
私は困ったように眉を下げ、いかにも傷ついた風を装って、扇で口元を隠した。
内心では、あまりの滑稽さに吹き出しそうになるのを必死で堪えている。
「ええ、そうですわ! お姉様は昔から、刺繍だの領地経営の勉強だの、堅苦しいことばかり。殿方を喜ばせるための『真の淑女の嗜み』がまるで分かっておられませんの。ああ、可哀想なレイナード様……。お姉様のような不調法な方を妻に迎えねばならないなんて、同情の涙を禁じ得ませんわ」
チェルシーはわざとらしく胸に手を当てて、ふう、と深い溜息をついてみせる。
その完璧な被害妄想と、自分が世界で一番美しいという揺るぎない自信。ある意味では見事なものだと、私は感心すらしてしまう。
彼女は知らないのだ。
彼女がどれほど私を貶めようと画策し、どれほど裏で私に嫌がらせを重ねているか。
そして、どれほど必死に、私の婚約者であるレイナードに色仕掛けを行っているか――そのすべてが、当のレイナード自身の口から、私に秒単位で筒抜けになっているという事実を。
────
時計の針を昨夜のことに巻き戻そう。
私の私室のバルコニーに、夜の闇に紛れて音もなく降り立った人影があった。
月光を浴びてきらめく美しい白銀の髪。夜空をそのまま切り取ったかのような、深いサファイアブルーの瞳。仕立ての良い漆黒の外套を羽織ったその男こそ、私の最愛の婚約者であり、社交界で「氷の頭脳を持つ冷徹公爵」と恐れられるレイナードその人であった。
彼はバルコニーのガラス扉を軽く叩くと、私が鍵を開けるやいなや、大きな身体で私をきつく抱きしめた。
「ああ、エル……! やっと君に触れられた。一週間ぶりだ。この一週間、君が恋しくて、気が狂いそうだった」
「ふふ、お帰りなさい、レイ。でも、公爵ともあろうお方が、夜中に婚約者の部屋へ忍び込むなんて、見つかったら大スキャンダルですよ?」
「構わない。むしろ見つかって、既成事実を作って、今すぐにでも君を我が家に連れ去りたいくらいだ。……今日も君は世界で一番美しい、私の愛しいフィアンセ」
昼間の冷徹な仮面はどこへやら、私の前でのレイナードは、まるで主人に甘える大型犬のように変貌する。私の首筋に顔を埋め、深く呼吸を繰り返す彼の様子に、私は愛おしさが込み上げてきて、その柔らかな白銀の髪を優しく撫でた。
「それで、レイ。今日も何か『報告』があるのでしょう?」
私の問いかけに、レイナードは私の身体を抱きしめたまま、うっとりとしていた表情を一変させ、ひどく冷ややかで、汚物を見るようなゴミを見る目をしてみせた。もちろん、その冷ややかな視線は私ではなく、ここにいない「ある人物」に向けられたものだ。
「……ああ、例の不快な羽虫のことだ。本当に、君の義妹という生き物は、底が浅くて反吐が出る」
レイナードは不機嫌そうに唇を尖らせると、私の腰を抱いたまま、ソファーへと移動して私を膝の上に抱き上げた。この体勢が、彼の「報告会」の定位置だった。
「昨日、王宮の回廊で、彼女がわざわざ私を待ち伏せしていてね。足を踏み外したフリをして、私の胸に飛び込もうとしてきたんだ」
「まあ。それで?」
「当然、触れられる前に完璧な挙動で一歩引き、そのまま床に転がしておいた。衛兵を呼ぼうかと思ったが、君との『計画』があったからな。床に這いつくばる彼女を見下して、『視界が狭いようだな。早急に医師の診察を受けるといい』とだけ言って立ち去ったよ。だが、彼女はそれすらも『照れ隠し』だと脳内で変換したらしい。実に忌々しいな」
私はクスクスと笑ってしまった。レイナードの容赦のなさは相変わらずだ。しかし、チェルシーのポジティブさも、ある種の才能かもしれない。
「それから、一昨日だ。私の馬車が通るタイミングを見計らって、わざわざハンカチを落としていった。香水がこれでもかと染み込んだ、酷い悪臭のする代物だ。即座に風の魔術で吹き飛ばして、ゴミ箱へ直行させておいたよ。私の鼻が求めているのは、エルの薔薇のような甘い香りだけだというのに、よくもあんな嫌がらせができるものだ」
「ふふ、レイったら。チェルシーは必死なのよ。私からあなたを奪って、私が絶望する姿を見たくて堪らないの。後妻であるお義母様と一緒に、ヴァイン伯爵家の財産も、私の未来も、すべて食いつぶすつもりなんですもの」
私の言葉に、レイナードの瞳が危険な鋭さを含んで細められた。
アスラン公爵家の情報網は伊達ではない。継母とチェルシーが、我が家の資産を裏で横領し、さらに私を実家に縛り付けて都合の良い操り人形にしようと画策している証拠は、すでにレイナードの手によって九割方集められている。
「……いっそ、今すぐにでもあの貪欲な母娘を、不敬罪と詐欺罪で極北の鉱山へ叩き落としてもいいんだが」
「ダメですよ、レイ。それでは、私がこれまで受けてきた嫌がらせの分の『お返し』が足りませんわ。彼女たちが、自分は完璧に勝っていると信じ込んで、一番高い場所へ登り詰めた瞬間に――真っ逆さまに突き落として差し上げるの。それが一番、教育に良いと思いませんこと?」
私が微笑むと、レイナードは一瞬だけ呆気に取られたように目を見張り、それから、これ以上ないほど甘く、陶酔しきった笑みを浮かべた。
「ああ……本当に、君は最高だ、エル。ただ優しいだけでなく、その苛烈で聡明な気性が、私の心をどうしようもなく掻き乱す。愛しているよ、私のどうしようもなく愛しい淑女。君の復讐のためなら、私は喜んで道化でも何でも演じよう。一緒に、そして徹底的にあの羽虫どもを懲らしめよう」
レイナードはそう言って、私の指先に深く、誓いを立てるような熱い口づけを落としたのだった。
────
――そして現在。
ヴァイン伯爵邸の応接室には、麗しい婚約者であるレイナードが、定期訪問として姿を現していた。
「お待たせいたしました、レイナード様」
私が微笑みながら席を勧めると、レイナードは完璧な貴公子の微笑みを浮かべ、私の手を取って軽く唇を寄せた。
「いや、君を待つ時間なら、一秒たりとも無駄ではないよ、エルフレア。今日も相変わらず美しいな」
「ありがとうございます。レイナード様もお変わりなく、お元気そうで安心いたしました」
社交界向けの、一見すると「洗練されているが、どこか距離のある」完璧な婚約者同士の会話。しかし、彼が私の手を握る際、親指で私の手の甲をこっそりと、愛おしげに撫でたのを私は見逃さなかった。袖で隠れた位置での、密やかな二人の合図。それだけで胸がキュンと跳ね上がる。
そこへ、待ってましたとばかりに、信じられないほど華美なドレスに身を包んだチェルシーが、お盆を持って乱入してきた。本来、公爵殿下との会談に、ただの令嬢が割り込むなど不敬極まりない行為なのだが、彼女の脳に「遠慮」の文字はないらしい。
「まぁ! レイナード様、お目にかかれて光栄ですわ! 本日は、大切なお姉様のために、妹である私が、心を込めて特製のスープをお作りいたしましたの!」
チェルシーは、私の存在を完全に無視してレイナードの真横に滑り込むと、それはそれは甘ったるい声を上げた。
きたわ。
彼女の脳内では、「不器用なお姉様の手料理とは違う、私の繊細な味付けに、レイナード様はイチコロですわ!」という完璧な勝利の方程式が成り立っているはずだ。
「……ほう。君が作ったスープか」
レイナードの声は、地を這うように低い。
社交界の人間なら、この時点で「あ、公爵閣下は激怒していらっしゃる」と気づいて青ざめるところだが、恋は盲目、いや、勘違いは盲目である。チェルシーはそれを「私の美貌と手料理の提案に、レイナード様が興味を示された!」と都合よく解釈したらしい。
「ええ、そうですの! お姉様の作られるお料理は、なんだか男勝りで、下品で、洗練さが欠けておりますので。ですから、私がレイナード様のお身体を労り、最高級の食材と、我が家に伝わる秘伝のスパイスを使って、繊細に、本当に繊細に仕上げましたの。さあ、温かいうちにどうぞ?」
チェルシーは自信満々に、銀の器に入ったスープをレイナードの前に差し出した。
器から立ち上る湯気からは……確かに、高級なトリュフや珍しいハーブの香りがしている。だが、料理の基本を心得ている者が見れば一目でわかる。色合いは濁り、アク抜きも不十分。ただ高級な食材をこれでもかとぶち込み、強烈なスパイスで誤魔化そうとしただけの、文字通りの「成金料理」だ。
私は手元のお茶を優雅にすすりながら、レイナードと一瞬だけ視線を交わした。
(レイ、どうします?)
(エル、これはまともな人間の食い物ではないな。家畜の餌の方がまだマシだ。だが、君との作戦のために、ここは一手打とう)
目線だけでそんな会話を交わし合う。私たちは、本当に息がぴったりだ。
レイナードは、チェルシーが差し出したスプーンを、あえて手に取らなかった。
彼はそのまま、氷のように冷たい、だが表面上は極めて紳士的な微笑みをチェルシーに向けた。
「それは驚いた。ヴァイン伯爵家の次女ともあろう者が、自ら厨房に立つとは。しかし、申し訳ないが、私は見知らぬ者が作った料理には、毒見を通さねば口にしない主義なのだ。いくら婚約者の妹とはいえ、万が一ということもあるからね」
「えっ……? と、毒見、ですか? そんな、私がレイナード様に害をなすわけがありませんわ!」
チェルシーは一瞬だけ顔をひきつらせたが、すぐに涙目を演じて、上目遣いでレイナードを見つめた。
「私の純粋な真心を、疑われるなんて悲しいですわ……。本当に、ただレイナード様に喜んでいただきたくて、夜も寝ずに作ったのですもの」
嘘をつけ。昨夜、あなたが遅くまで夜会で遊び歩き、朝遅くまで寝坊していたのを私は知っている。厨房の料理長に金を握らせて、適当に横から口を出して作らせたスープに、仕上げのスパイスだけを自分でドバドバと入れただけでしょうに。
「いや、チェルシー嬢。君の真心を疑っているわけではない」
レイナードは、ふっと妖艶に微笑んだ。その美貌に、チェルシーは完全に魂を奪われたように頬を染め、うっとりとしている。だが、レイナードの次の言葉は、彼女を天国から地獄へと突き落とすものだった。
「これほど繊細で、素晴らしいスープであるならば、まずは我が最愛の婚約者であり、この家の長女であるエルフレアにこそ、最初に味わってもらうべきではないだろうか? 姉妹の情愛の深さを示すためにも、ね」
「え……?」
チェルシーの顔から、一瞬にして血の気が引いた。
まさか、自分が「お姉様を出し抜くため」に用意したスープを、最初にそのお姉様に食べさせる流れになるとは夢にも思っていなかったのだろう。
「さあ、エルフレア。君の優しい妹が、君の料理の腕を心配し、代わりに作ってくれたスープだ。まずは君が一口食べて、その『繊細な味付け』とやらを評価してあげるといい」
レイナードは、私に向けてこれ以上ないほど優しい、慈愛に満ちた眼差しを向けた。
チェルシーを牽制しつつ、私に「さあ、楽しんで」とバトンを渡してきたのだ。本当に、私の婚約者は意地が悪い(最高に素敵だわ)。
「まあ、チェルシー。私のために、そんなに心を砕いてくれたのね。本当にありがとう」
私は満面の笑みを浮かべ、席を立った。そして、チェルシーの横へと歩み寄り、彼女の前に置かれた銀の器を覗き込んだ。
チェルシーは完全に固まっている。彼女が焦るのには、もう一つ理由があった。
実は、彼女が料理長に作らせたこのスープ、隠し味(?)として、異国から密輸された「惚れ薬」の効果を持つ、特殊な媚薬ハーブが微量に仕込まれていることを、私たちはすでにレイナードの情報網で掴んでいたのだ。
もちろん、致死性の毒ではないが、口にした者を一時的に情欲に狂わせ、最初に見た者を激しく求めてしまうという、極めて悪質な代物。
彼女はこれをレイナードに飲ませて、その場で自分を襲わせ、既成事実を作ろうとしていたのだ。
それを、私に飲ませるわけにはいかない。義妹にとって、薬が入っている事が知れればスキャンダルレベルの騒ぎでは収まらないからだ。
「さあ、チェルシー。スプーンを貸してちょうだい。あなたの『繊細なお味』、ぜひお姉様に教えてほしいわ」
私は手を伸ばし、チェルシーが握りしめていたスプーンに触れようとした。
「あっ、あ、あの、お姉様……! これは、その、レイナード様のために、殿方向けの、その、強い味付けにしてありますの! ですから、お姉様のお口には合いませんわ!」
チェルシーは必死になってスープの器を自分の方へ引き寄せようとした。その拍子に、彼女の指先が激しく震え、銀の器が大きく傾く。
「あ――」
ガシャァン!!
けたたましい音を立てて、銀の器がテーブルの上でひっくり返り、中身のスープがチェルシーの、今日のために新調した最高級のシルクのドレスへと、容赦なくぶちまけられた。
「ぎゃあああああっ!? 熱いっ! 私の、私の特注のドレスがぁぁぁ!!」
応接室に、およそ淑女のものとは思えない絶叫が響き渡る。
茶色く濁ったスープと、トリュフの強烈な臭いが、チェルシーの華やかなドレスを瞬く間に汚染していく。自業自得とはいえ、なんとも哀れな姿だった。
「まあチェルシー大丈夫?(棒読み)」
私はわざとらしく声を上げ、ハンカチを取り出して彼女の元へ駆け寄った。しかし、ハンカチで拭うフリをして、スープのシミをさらにドレスの奥深くへと押し込んで広げてあげる、親切心を決して忘れなかった。
「いやだ、お姉様、触らないで! 汚れるでしょう!? 触らないでぇぇ!」
チェルシーは半狂乱になりながら、自分のドレスに染み込んだスープの臭いを嗅ぎ、はっとしたように顔を青ざめさせた。
そう、彼女のドレスに染み込んだのは、ただのスープではない。微量とはいえ、「媚薬」の成分が含まれたスープなのだ。皮膚から吸収される性質のものではないが、万が一、この臭いや成分が周囲にバレたら大変なことになる。
「……見苦しいな」
部屋の隅から、冷徹極まりない、絶対零度の声が降ってきた。
レイナードは立ち上がり、汚れたテーブルと、這いつくばって泣き叫ぶチェルシーを、完全に「ゴミ」を見るような目で見下ろしていた。
「ヴァイン伯爵家の次女ともあろう者が、客人の前でこのような粗相を働くとは。おまけに、姉に対する礼儀も弁えていない。エルフレア、このような野暮な者が同じ館にいるようでは、君の心の平穏が脅かされる。今日のところは私はこれで辞するが……伯爵には、次女の教育方針について、少々苦言を呈さねばならないな」
「レイナード様……そ、そんな、お待ちになって……! 私は、私はただ……っ」
チェルシーは涙とスープでぐしゃぐしゃになった顔を上げ、必死にレイナードの裾を掴もうとしたが、レイナードは一歩引いて、それを冷酷に避けた。
「勝手に触れるな。我がアスラン公爵家に対して、これ以上の無礼を働くつもりか!」
その一言は、チェルシーの心を完全にへし折るのに十分だった。彼女は絶望に目を見開き、そのまま床にへたり込んで、声を上げて泣き出した。
「それでは、エルフレア。また後日、改めて。……愛しているよ」
最後の一言だけは、チェルシーには聞こえないほどの、しかし私にははっきりと届く、甘く蕩けるような囁きだった。レイナードは私にだけ、完璧な愛の微笑みを残し、優雅に部屋を去っていった。
残されたのは、悪臭を放つスープまみれのチェルシーと、私だけ。
「ふう……」
私は小さく溜息をつき、扇を広げて口元を隠した。
チェルシーは床に伏したまま、私を憎々しげに睨みつけてくる。演技の涙は既に出ていない。
「チッ、お姉様……! お姉様のせいですわ! お姉様が空気を読めない無能だから、レイナード様に嫌われてしまったじゃないの……っ! このグズ姉め」
まだ言うのね。本当に、どこまでも傲慢で、おめでたい頭の妹だこと。
「まあ、チェルシー。私はただ、あなたがレイナード様のために作ったスープだから、内心、遠慮しただけよ? それに、そんなに怒ると、せっかくの可愛いお顔が台無しになってしまうんじゃないかしら?」
私は優雅に微笑みかけ、彼女を見下ろした。
「まずは、そのお洋服を着替えに行った方がよろしくてよ? なんだか、とっても『妙な匂い』が、お部屋に充満してきていますもの。お父様や、使用人に気づかれたら、大変でしょう?」
「っ……!」
私の言葉の裏にある「媚薬のことに気づいている」という暗黙の警告を察したのか、チェルシーは恐怖に身を震わせ、ガタガタと歯を鳴らした。そして、ドレスの裾を掴み、逃げるように応接室から走り去っていった。
誰もいなくなった部屋で、私はそっとソファーに腰を下ろす。
「ふふ……思ったよりも、彼女の作戦は大失敗だったわね」
チェルシー、そしてお義母様。
あなたたちが私からすべてを奪おうとしていること、そしてそのために裏でどれほど汚い手を染めているか、私はすべて知っているの。
そして、私の最愛の婚約者は、あなたたちが逆立ちしても手に入らないほど、私だけに愛、狂っている。
さあ、次はどんな作戦で私を楽しませてくれるかしら?
あなたたちが絶望の底に落ちるその日まで、せいぜい私を楽しませてちょうだいね。
私は、レイナードが触れた手の甲をそっと愛おしそうに撫でながら、次のイベントに思いを馳せて、妖艶に微笑むのだった。




