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歪み探偵鎮村透華の事件簿  作者: 憮然野郎
File#1
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0x8 草日両

「草日くん、ちょうどよかったわ!あなたもこの部活に入らない?」


透華は部室に仁王立ちする草日両に、キラキラとした笑顔を向けた。

その笑顔は、まるで子犬が新しいおもちゃを見つけた時のようだった。


「え〜と……」

両は、その眩しすぎる笑顔に一瞬気圧され、額に汗を浮かべた。


「どうした、両?」

朔が心配そうに尋ねると、両は少し照れくさそうに答えた。


「ミステリーって探偵みたいなことするんだろ?俺、頭使うことはさっぱりで……。ほら、俺って脳筋じゃん……」


すると、そんな両の言葉に、朔は盛大に頷いた。

「まあ、確かに両、お前は体育の成績以外はいつも赤点で、追試必至だもんな」


「そうだろ?俺は今、武道一筋だからな。将来は警察官になりたいし、空手部の全国大会で優勝して大学のスポーツ推薦枠を勝ち取れるように日々の練習を頑張らないといけないんだ!」

両は、鍛え上げられた筋肉を誇示するように胸を張った。

その姿は、まるで山奥で修行を積んだ武闘家のようだった。


「実はね、この部活、正式な部にするのに部員が足りないの。

両くんには頭を使わせないから、お願い。

空手部とのかけもちでいいから、この部に入部してくれない?」

透華は、必殺の上目遣いで両を見つめた。

その瞳には、子鹿のような潤みがあった。


「学校一のマドンナの透華さんに言われたら、考えないわけにはいかないですね……。

でも、練習が忙しい時期には滅多に顔を出せませんが……」

両は、頬を赤らめながらも、申し訳なさそうに言った。


「それでもいいの。名前だけでも貸して。ね?お願い」

透華は、両の腕をギュッと掴み、さらに懇願した。


「そこまで言われたら……、わかりました」

両は、ついに観念したように頷いた。


「ありがとう、草日くん!」

透華は、満面の笑みで両の腕を解放した。


「俺のことは両で大丈夫です。

透華さん、よろしくお願いします」

両は、少し照れくさそうに頭を下げた。


その時、朔が間を割って両に声をかけた。

「ところで、バルス(両)、ちょっといいか?」


「朔、どうした?」

両が振り返ると、朔は真剣な表情で尋ねた。


「前々からお前のことで一つ気になってたんだけど、聞いてもいいか?」


「あ、ああ」


「両、お前一人だけ、俺達と作画違くないか?

ラブコメと劇画で描かれた格闘漫画の違いみたいな」


あ…………。


その言葉に、部室の空気が一瞬凍り付いた。


「あはは……確かに両ちゃんの姿はゴイスーだけど、まあ、今は霊長類最強の高校生とか割といろいろ前例あるじゃん……」

透華は、乾いた笑いを浮かべながら、必死にフォローする。


「透華、今の喋り方、絶対あの作品意識してるよな!?」

朔は、鋭いツッコミを入れた。


「俺は両親の厳しい教育方針により、学校近くの山でサバイバル生活を送っているからな」

両は、涼しい顔で答えた。


「ねえ、ところで、草日くんは何でいつもクラスの男子からバルスって呼ばれてるの?」

凛が、まるで天使や赤ん坊のように無垢な瞳で興味津々に尋ねた。


「な……」

両の顔が赤く染まり、一瞬返事に困ると、代わりに朔が答えた。

こいつさ、サバイバル生活の癖でトイレが使えず、学校の花壇で用を足していたところをクラスの男子に見つかってさ。

その時の大きな屁の音から、あだ名が"《《バルスくん》》"になったらしいぜ」


「ホントに?」

透華と凛は、目を丸くして尋ねた。


「あらやだぁ、人がゴミのようだわぁ」

朔は、◯カマっぽく某有名アニメのセリフを引用した。


「屁が、屁がぁ〜!」

さらに、某アニメのセリフを引用し、両を茶化す。


両の秘密が暴露され、部室は温かな笑いに包まれた。



挿絵(By みてみん)

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