表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歪み探偵鎮村透華の事件簿  作者: 憮然野郎
File#1
8/10

0x7 入部の条件

「あ〜、どうしようかしら。

部員数が五人以上にならないと、同好会扱いで部として正式に認められないんだって……」


夕日が差し込み、埃っぽい部室をオレンジ色に染めている頃。

部室の隅で、透華は一枚の紙を広げながら、朔にぼやいていた。


「顧問はまだいいとして、部費がもらえない。そこが一番の問題ななのよね……」

透華は眉をひそめ、不満げに呟く。


「仕方ないだろ。それがこの学校のルールなんだから」

朔は肩をすくめ、透華を見やった。

「でも、どうするんだ? こんな変な部活にあと三人も集められると思うか?」


「ちょっと朔、変な部活って何?

もういっぺん言ってみなさいよ!

あんたの頭を洗脳して、

実写版《《真っ黒コ◯助》》に闇堕ちさせてあげるから」


「どうしてそうなっタァァァァ~!!」


コツンコツン!


透華「朔はどうしてそんな大きく口を開けたまま、キモく劇画チックに石像の様に固まってるナリか?」


ガシャガシャ。


透華おばあさんがカチコチになった朔のボディーに包丁をあて切ろうとすると、あら大変!


「おや、まぁ〜!」

なんと、桃ならぬ石像の中から、無駄に大きく成長した男の子が生まれたのです。


「嘘つけー!!

それに真っ黒コ◯助って何だよそれ?

俺初耳なんだけど。

それって、言葉のチョイス、いろいろと間違ってるよな?」


※朔の想像

(カサカサカサ! ポタ……、ポタ……、ギョロ!!

まっくろコ◯助「美◯ちゃん、ごちそうさまナリ~♪」

美◯ちゃん「…………」)


「実写版 怖ェ〜よ!!」


朔は必死にツッコミを入れるが、透華はどこ吹く風といった様子で、話を続ける。


「まあ、なんとかなるっしょ。確か、凛なら……」

透華がそう言いかけた時、部室のドアが開いた。


「透華、お待たせ」

入ってきたのは、あの時の朝比奈凛だった。

透華が放課後、この部室に凛を呼んでいたのだ。


「ねえ凛、聞いてよ! 大変なの!」

透華は凛に駆け寄り、事情を説明した。


中略(←書きかけじゃなく演出上の)


「それで、凛にも入部してほしいんだけど……ダメかな?」


「え? 私が?

で、でも私、ソフトテニス部とかけもちだし……」

凛は戸惑ったように答えた。


「大丈夫よ! かけもちでも全然構わないから! ね? お願い!」

透華は凛の両手を握り、必死に頼み込んだ。


*能力使用中*

(あの時の反応から凛は、本当はミステリーにも興味があるはず……。それにもう一つ)


透華は凛の過去の言動。目の動き、口元、そして彼女の身振り手振りから思考を読み取る。


(ふ〜ん、やっぱりね。

凛には独特の癖がある。

私と朔との会話に立ち会っていた時、凛はずっと何かを思案している様子だった。


考えてみれば、クラスの決め事で男子同士が言い合いになった時、凛は一人下を向き、黙々とペンを走らせていたっけ。

それに……、あれは確か体育の時間。

男女別々に分かれて

隣り合うコートで競技をしている時も、彼女のポジション取りは明らかに自分に不利な場所で、動きも不自然だった。

しかし、女子同士しかいない環境の時はそんな不審な行動は一切とらない。


つまり、重要なのは以下の事ね。


凛が男子を観察している時、その男子が特定の誰かだけに定まっていないので、片想いの線は薄い。


つまり、凛には"腐女子"の疑いが……。

BL活動もできるって言えば、もしかすると……)


「凛、ちょっと耳貸して。

実はね、うちの部ではBL活動もする予定なの! どう?」

透華はウィンクすると、凛の耳元でそう囁く。


すると……。

「ぶ、BL活動——!?」

凛は顔を赤くし、目を丸くした。


「なあ透華?今確かBLって聞こえた気がするんだが……」

朔は凛の言葉を聞き逃さなかった。


「ちィ。

朔?あんたはいいからすっこんでて」

透華は朔を睨みつけ、すごむ。


「あ、ああ……わかった」

朔はすごすごと黙り込んだ。


小声「そうよ、凛。先ずはコイツと草日くんも引き込んで、貴女あなたの拘るカップリングを楽しみましょう。

例えば、あんなことやこんなことも……」


ブハァー!!

凛が鼻血を出した。


「おい、透華、凛さんが突然鼻血を出したぞ。お前一体何を話したんだよ!?」


「別に。ただ凛さんにこの部の魅力を伝えただけよ」

透華は涼しい顔で答える。


「透華、わ、わかったわ! 私入部する!」

凛は慌てて二人の会話を遮り、入部を承諾した。


「やったー! ありがとう、凛!」

透華は凛と抱き合い、喜びを分かち合った。


「……本当に、大丈夫なんだろうか、この部活」

朔は二人の様子を呆然と見つめながら、呟いた。


その時、部室のドアが再び開けられた。

「あれ? お前ら、こんなところで何してるんだ?」


「おーと、噂をすれば、あなたは草日君ね!」

透華の顔は待ってましたとご満悦だ。


そう。入ってきたのは、あの時俺達を助けてくれたクラスメイトの草日両だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ