0x24 ゲーセン〜消えた足跡を追え
透華と朔は、ゲームセンターの入口で立ち止まった。
店内からは電子音や歓声が響き、若者たちがUFOキャッチャーや音楽ゲームに興じている。
「この店……キャンペーンの無料利用券を使った人たちが、ここで遊んでいた可能性があるわね」
透華は静かに店内を見渡しながら言った。
「じゃあ、凛とバルスもここに立ち寄ったはず……そのときの様子を聞ければ、何か分かるかもな」
朔は腕を組みながら答える。
二人は受付の店員のもとへと向かった。
「すみません、少しお伺いしたいのですが」
「はい、どうされましたか?」
ゲームセンターのスタッフは明るく応じた。
透華は慎重に言葉を選びながら尋ねた。
「今日、携帯会社とエナジードリンクのコラボキャンペーンがありましたよね?
その無料利用券を使った人たちについてお聞きしたいんです」
すると、店員は少し考えながら頷いた。
「はい、たくさんの学生さんが利用していましたよ。特に正午過ぎは混雑していて、かなり賑わっていましたね」
朔が相槌を打つ。
「正午過ぎってことは、ちょうど凛とバルスが消えた時間か……」
透華は店員の目を見据えながら尋ねた。
「その時間帯、大人の服装をした学生を見かけませんでしたか?」
店員は少し驚いたように考え込む。
「大人の服装……そういえば、変わった衣装の子たちがいた気がしますね。男女二人組で……」
透華は息をのんだ。
「それで、その二人は何をしていましたか?」
「UFOキャッチャーをやっていましたよ。
確か、何かを取ろうとしていましたが……、
その後、突然どこかへ行ったみたいですね。
店の外へ向かうのが見えました」
透華は短く呟く。
「店の外ね……」
朔がふと透華を見ながら言う。
「なあ、店内の防犯カメラは確認しなくていいのか?」
透華は朔をちらりと見やる。
「そうね……朔、あなたでもたまには役に立つこと言うのね」
そして小さく笑った。
「やかましい」
朔はむっとしながらも、すぐに真剣な表情に戻る。
しかし、ゲームセンターの防犯カメラ映像の確認を依頼した透華に、スタッフは申し訳なさそうに返答した。
「申し訳ありません……今、防犯カメラのシステムが整備中でして、今日の映像は記録されていないんです」
透華の眉がわずかに動いた。
「整備中?」
スタッフは続ける。
「はい、数日前から不具合が発生していて……現在点検中なんです」
朔は腕を組みながら呟く。
「そんな偶然あるか?」
透華も同じ疑念を抱いていた。
しかし、証拠がない以上、ここでは何も得られない。
「仕方ないわ。ここで立ち止まっている場合じゃない」
朔は店の外を見つめながら言う。
「店の外ってことは……何かが起こったのか?」
透華は短く頷いた。
「可能性はあるわね。ここから二人の足取りを追うわよ」
そして、二人はゲームセンターを後にし、凛とバルスが向かった先を探り始めた――。




