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歪み探偵鎮村透華の事件簿  作者: 憮然野郎
File#2
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0xA 佐藤の動機

透華達三人はその足でさっそく女子更衣室へと向かう。


女子更衣室前に着くと、

透華は朔と佐藤に何の遠慮も無く中へと入っていく。

「透華、俺たち入口の前で待ってていいか?」


「いいわよ。でもいいのかしら?

女子更衣室の入口前にいるところを誰かに見られたら私も流石にあなた達を庇いようがないわ」


「それは裏を返すと、もし女子更衣室の中に俺たち男二人もいるところを誰かに見られた時は、

お前が俺たちを庇ってくれるってことだよな?」


「それはあなた達二人の働き方しだいね」


「どう言う意味だよ、それ」


「もしもあなた達が私の捜査の役に立たなかったと私が判断した場合は……」


「場合は……?」

ゴクリ……。

二人は固唾を飲んで透華の答えを待つ。


「女子生徒みんなに変態がいるって言いふらすわよ、もちろんね……」


「なにっー!!」


「だってその方が緊張感出て退屈しないし、面白いじゃない?ニシシ」


「やっぱりこいつはゲスだ……。

佐藤、お前もこの機会だから覚えとけよ。

この、仲間を気遣う心なんてこれっぽっちも持たない腹黒お嬢様こそが、我が校が誇る鎮向ミステリー倶楽部部長、鎮村透華様だ」



それから、三人がかりでロッカーの周りを見渡した。

すると……。

ロッカーの下の床に、小さなシールが落ちているのが透華の目に留まった。


「あら、これ……」

透華はシールを拾い上げ、よく見てみた。

すると……。

それは、最近流行しているキャラクターのカプセルトイのキーホルダーに貼り付けるシールの様だった。


(このシール。

それに……、たくさんついた毛、

もしかして……)


「どうした、何かわかったのか?」

透華が何かを考えているところを朔が訊ねる。


「いいえ、まだ確信があるわけじゃ無いから、もう少しわかってきたらちゃんと朔たちにも話すわ」


「ああ、そうしてくれ……」


透華は、シールの落ちていた位置と、近くにあるロッカーの番号を手帳に記録する。


そして、その情報を手がかりに、同じキャラクターのグッズを持っている生徒がいないか、ロッカーの近い女子生徒から順に聞いて回った。


そして遂に……。

「今少しだけ時間いい?

このシールに見覚えないかしら?」

透華が女子生徒に尋ねる。

すると……。


彼女は少し驚いた顔をした。

「あ、それ、私のキーホルダーについてたシールだ!

いつの間にかなくなっちゃって、困ってたの」


透華はさっそく、その女子生徒にロッカーを開けてもらい、中を確認した。

すると、ロッカーの奥に、小銭入れがあった。


「ほら、あなたの小銭入れあったわよ!」

透華は冷たくそう言うと、小銭入れを佐藤に投げ渡した。


「ありがとうございます!

本当に助かりました」

佐藤は、心底ほっとした様子で、透華に何度も礼を言う。


「どういたしまして。

でも、どうしてあなたの小銭入れが女子更衣室(こんなところ)に?

《《連れてきてた》》のよね、その日?」

透華が尋ねると、男子生徒は顔を赤らめて言った。


「はい。透華さんは全部お見通しだったんですね。

実は……、その日。ペット好きな女子の友達に僕が飼っているハムスターのキナコを見せようとこっそり学校に連れてきていたんです。

ですが、放課後、僕が校舎の外を歩いていると、キナコが急に逃げ出して、たまたま近くにあった女子更衣室の開いた窓から中に入ってしまったんです。


僕の名前や住所の入った首輪をつけていたから、探しにいかないわけにも行かず、僕は誰も周りにいないタイミングを見計らってこっそり探しに行ったんです。


そして、無事にキナコは見つかり、僕が女子更衣室から出ようとすると、

鍵がされてなくて扉が完全に閉まっていないロッカーがあったみたいで……。

僕の制服の袖はそのロッカーの扉の出っ張りに引っかかり、その反動で扉をうっかり開けてしまいました。


僕は慌ててロッカーを閉めようとしたんですが、

さっきの拍子にロッカーの立て付けが悪くなって上手く閉まらなくなってしまって……。


そうやって、ロッカーの扉を直そうと悪戦苦闘していた時に誰かが来た気配がして、僕は慌ててロッカーを閉めて隙をみて逃げたんです。

きっとその時に、小銭入れをロッカーの中に置き忘れて来たんだと思います」


「そうだったの……」

透華は、呆れたように言った。


「佐藤くん?

あなたは今回二つ嘘をついたわ。

一つは、あなたの小銭入れの行方がわからなくなったのは二時間目の体育の時間じゃないってこと。

本当はその前日の夕方、あなたが家に帰って着替える時には既に無いことに気づいていたはずよね?

それなのに、何故あなたは嘘をついたのかしら?」


「それは……」

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