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本当の私



カラーン。


「おーっ珍しく今日は結構飲んできた?」

「んーーー。ちょっと大学の友達と飲んでて。」

「お水にする?」

「や。今日はなんか飲みたい。」

「いつも飲みたいって言ってるじゃん」

いつものようにいじってくる。

なおさんはちょっといつもと違うって感じてもこんな感じで、私が話さないかぎり聞いてはこない。



「そろそろさ。ゆあちゃんも自分のこと大事にしたら?」

「え。」

らしくない言葉に驚きが隠せない

自分の事を大事にしてないなんて思った事ない。

自分がしたい事をしたいようにしてる。



「おれは結構ゆあちゃんの事知ってると思ってるけど、正直全然知らないとも思ってる。」

「どういう意味?」

お酒が回ってきて、働からなくなりかけている頭で一生懸命考える。



「だからさ。ゆあちゃんは多分誰にもほんとの気持ちを話さないし、なんだか強がってるみたいな。みんなと仲良いけど誰も信用してない感じ?」


「え?なおさんは知ってるじゃん。私のほんとの顔」


「それも多分ゆあちゃんのほんとの顔じゃないって感じるんだよね。この仕事長くなってくると、なんとなくだけど。」


どういう意味。

ほんとの私ってなに。


「ごめん。今日はちょっと飲みすぎたみたいだからもう帰るね」


なおさんがなにか言ってるのは聞こえたような聞こえないような。お酒が回ってるのか何だか頭がぐちゃぐちゃしてる。息が苦しくて気持ち悪い。




「ん、、、」

 動けない。


「大丈夫ですか?飲みすぎちゃった感じですか?」

 あ。優しい声。ねえ。安心させて欲しい。

 手を伸ばそうとしたら、、、



「おい。」

 聞いたことのある声。


「なにやってんの?」

 けんとだ。


あ。だめだ。大学の人には見せられない。


「大丈夫です。ありがとうございます。」

せっかく、声かけてくれたのに。。。

「そっか。知り合いもいたなら安心かな。」

睨むけんとに笑いかけて立ち去っていく。



「ねえ。なにやってんの?」

「あやかとかほと飲んでて、ちょっと飲みすぎたかな」

「や。違くて、、、はあ。」

大きなため息で、なんだか自分の気持ちがさらにもやもやした。

「送っていくから」



「頼んでない。」

「は?」

「だから、頼んでない。」

「なにキレてんの?」

「キレてないっ!頼んでないっ

 勝手なことしてため息ついて、そんないやいや送っ てもらわなくたって私平気だし!」

「何で泣いてんの?」

「わかんない、、、」

もやもやでぐちゃぐちゃで自分でも訳がわからない。

何で泣いてんの?私が聞きたい。



「とりあえず。こんな道中は邪魔だから」

相変わらず冷たい。そんな態度に余計むかついて、普段なら絶対対象にしない範囲外の人間に、、、


「じゃあ、一緒にどっかいこ?」




「おれ、据え膳は普通にいただくよ?」

相変わらず何を考えているのかわからない表情のけんとが近づいてくる。

「ん、、、」

あ。意外とキスは優しいんだ。

顔に触れる手があったかい。ゴツゴツ骨っぽくておっきくて安心する。

 

「きもちいの好きなの?」

ホントに何考えてるのかわからない。けど、気持ちいい。

あったかい。

そこからは酔いが回ったのか気持ち良すぎたのか





 喉乾いた。。。

 あ。そうだった。けんと。

どーしたもんか。まあ。お互い自分の話するタイプでもないし、今日だけということで。

 帰ろうと思ったが、思いの外しっかりホールドされている。

 ゆっくり外して、、、


「ん、、、」

 あ。帰ろうと思ったのに起こしてしまった

「なに。起きたの」

 うわーーー。冷た。帰りたい。


「喉乾いたし、そろそろ帰ろうかと」

「3時だよ。どうやって」

 けんとは飲み物を渡しながら冷たい目で話しかける

「ここからそんなに遠くないし。」

「普通に危ないだろ。さっきだって、、、あ。また他の男探しにいきたいの?」

「え?」

「だってさっきのもそうだったんだろ?」


あ。ついて行こうとしてたの気づいてたのか。

大学の人にバレるのめんどくさかったんだけど、なんか、こいつはムカつくし。なんか誤魔化すのも馬鹿馬鹿しい。


 

「そーだね。けど、さすがに今日はもういいよ」

「満足した?」

 え、、、初めてちゃんと笑った顔見たかも。

 え。なんで笑ってるの?意味わかんない。



「まあ。なら今帰らんでもいいでしょう。」

 またベットに入ってきて抱き寄せられる。

 本当によくわからない。


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