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足りないものなーんだ 作者の文才





 ────────なにこれ。


 え、


 、、は? いや意味分からんし。唐突になに始まっちゃってんの?


 (バサッ)


 ……とりあえずこれ読め、って?


 急にヒト呼び出してやらせることじゃなくない? ボクこれでも忙しいんだけど……ハァ。


 えーっと、『拝啓 読者の皆様におかれましては、いつもお読み頂きありがとうございます。皆様が読んでくださることが私の励みに』……って、うーわ。


 ムリムリムリムリ、マジで無理。テンプレの権化じゃん、キッモ。


 (グサッ)


 なに、こんな駄文読ませるためにわざわざこんな所までボクを呼び出したワケ? 辛うじて物書きの端っこにいる分際でこんな犬も喰わない蛇足を? シンプルに頭おかしいよ、あんた。


 (グササッ)


 てか自分でいいなよ、これくらい。もう良い大人なんだし。ボクに読ませる時点で人間終わってて草。


 (グサグサグサグサッ)


 ハァ……、そこに転がってる面倒な作者はもうどうでも良いとして。


 まとめると、『書き始めて1年経つのにまだ終わらなくてごめんなさい。お詫びとしてラストまでの構想メモを公開します』だってさ。


 てかそんなの当然じゃん。設定厨のあんたが手慰みに書き出したやつをわざわざ読んでもらってるのに、1年経って未だに完成してないとか。マジでナニ様、って話だし。現代のボクらには時間が無いんだよ、あんたの箸にも棒にもならない手慰みに付き合うほど暇じゃないの。


 しかもなに? そのお詫びをするために20,000字超える文章書くとかどうかしてるでしょ、普通に考えて。そんだけ書く暇あったら本文書きなよ、本文。


 ……ま、これ以上死体蹴りしたって楽しくも何ともないし。設定全開放するのは別にいいんじゃない?


 とゆーわけで。


 作者から手渡された、これから先の展開をメモったデータをみんなにも共有するから。「顛末だけ知りたいのにいつまで経っても終わらないじゃん!」って人は読んでよ。後は煮るなり焼くなり好きにして。ちなみにボクも同意見だから、後で読んでおこーっと。


 あ、ただし注意事項。


 ここから先のデータ公開は本編の流れとは一切関係ないマジのネタバレであって、完全なる蛇足だから。読みたくない人は読まなくてもいいし、読みたい人は読めばいい。大事なことだから2回言っとくよ。


 それからどんな作品(モノ)でもそうだけど、ネタバレ苦手な人は必ずブラウザバックしてよね。ネット民なら自衛スキルは必須でしょ。一応スペースは多めに空けておいてあげるからさ。このボク、にくたまうどんとの約束だぞ!


 そして最後。ここでブラバする人用に一言。


 こんなお話にも付き合ってくれてる人達。いつもありがと。作者も『閲覧数の変動を見た感じ、7人くらいの人は追って読んでくれてるっぽい! ナニコレウレシイッ!!』って奇声あげてたし。


 こんなカス作者でも一応は人間だからさ、素直に喜んでるっぽいんだ。いつも読んでくれてる約7人の人の為に、これからもラストまでちゃんと書くってさ。


 (フンス!)


 んじゃ、これで本当に最後。こっから先はネタバレだから。よろ。


 以上、カス作者に勝手にナビゲーターにされた『にくたまうどん@30tP』がお送りしましたー。


 じゃね。


 (バイバイ!)































































 ▼以下「8月14日」以降のネタバレ(変更の可能性あり)▼




























































a)街ロマP[以下マキハル]との再会:アサヒ邸にて

  マキハルからのアプローチにより、ぼくの心が揺れる

  (マキハルはぼくに恋に近い感情を抱いている)

  その後ミヤトとの会話で「歌うこと」への興味が湧く

  →ぼくの本能に根ざした願望

  結果、ミヤトからボイストレーニングを受け始める


b)メグ楽曲を作った全ボカロPに対して五重奏からDMによる通達

  カルが異能を用いて「唄川メグ」としてボイスメモを一斉送信

  内容は、唄川メグを見つければ願いが叶う、というもの

  合わせて圭(K汰)やリズ(ZIPANDA)がぼくの近くにいることも公表

  一部Pが特定班の力を借りた結果、圭の家がネット上で無断公開される事態に

  →圭、トリとカルに「直接かかってこい」とDMを送る


  〈五重奏の思惑〉

  唄川メグを探し出し、排除すること

  厳密にはSとDuの第二目的は

  各々「メグから逃げること」「Sの願いを叶えること」

  トリの第二目的「メグの歌声を復元すること」メグ自体の排除には興味がない

  つまるところ「メグを排除すること」はカルだけが掲げる目的

  カルは、自身の目的を達成した結果は他3人の望む結果と何ら変わらないから

  我を通しているにすぎない


c)トリ,カルとの抗争

  マキハル、圭に力を貸すことを表明

  トリの異能【独鮮舞台】:疑似的な未来予知を可能にする異能

  圭とマキハル、トリと交戦(ぼくはアサヒ邸でリズ,イツキ,ミヤトと待機)

  圭、事前の計画通りにトリとカルの分断に成功

  分断されたカルはノアと交戦


  <ノア vs カル サイド>

  一時、カルの策略により苦戦を強いられるノア

  が、ノアが本来の異能を発揮しカルを圧倒

  ノアの蹂躙にカルは撤退

  (カルにとって一時の敗北より長期の勝利が重要だったため)


  <圭/マキハル vs トリ サイド>

  マキハルの異能【花爆ぜり】:自身の身体を無数の花弁に変化させる異能

  トリの異能の根幹である「対象を視界に収める」を封じることで戦況が有利に

  トリ、2人に疑問を投げかける

  「なぜメグを庇う?」「才能のない奴の人生は惨憺たるものだ」

  「生きていたって意味がない奴に手を差し伸べることがどれだけ残酷か」

  →トリという人物の回想


   ●トリ[℃-more@疾走P]という人物

   ・夢を否定する夢想家(←→夢を肯定する現実主義者)

   ・淡泊,諦観,合理主義,劇場を嫌悪する者

   ・未来を生きるためには才能が必要 → 才能は未来への担保である

   ・才能あるあの子へ手を伸ばさなかったくせに、

   ・才能のない自分が生きている意味

   ・あの子が美化されることを嫌う

   ・そのくせあの子のことを想って曲を作る自分への言い知れない嫌悪感

   ・「この感情は全部芝居、有り触れた感傷だ」「何もかもが馬鹿馬鹿しい」

   ・「作り物じみた感傷に浸る自分も。そんな楽曲を称賛するおまえらも」

   ・五重奏への加入理由は「メグに歌わせたい」

   ・メグという舞台装置を用いた、あの子への"花火"


  マキハルによるトリの否定,なお以下全て広島弁

  「あんたが辛いのはよく分かった」「それを否定するつもりもない」

  「才能のない人間の人生が辛い、というのもある意味正しいのかもしれない」

  「でも、それはあんたが決めることじゃない」

  「自分達はなりたい自分になれる」

  「なろうとする意志さえあれば未来は選べる」


  トリ、マキハルの意見を拒絶

  最後の足掻きとして、マキハルが分離した花弁をライターで燃やそうとする

  (花弁はマキハルの身体の一部,欠損はそのまま実体に直結する)

  トリの動きを察した圭が異能の本来の力を発揮←リズ経由で認知

  K汰の異能【現実感傷クラッシャー】:望まない事象の拒絶

  (圭の異能の本質は物体の破壊ではなく、『拒絶』という概念そのもの)

  圭、トリに辛勝

  ぼく、圭やマキハルの言葉を信じ、自分なりに生きることを決意

  たとえ下記のような出来事が事実だとしても


d)唄川メグの「歌声」が蘇生

  これで唄川メグの全て、及び唄川メグにまつわる経緯全てが思い出せるに至る


   ●唄川メグとは

   ・2003年7月22日、最初期に発表されたバーチャルシンガー

   ・歌声合成ソフトウェア開発の途中に情報が一部流出

   ・或る日本企業がその情報を元に独自開発したものが「唄川メグ」

   ・いわば海賊版に近いもの

   ・当初はそのセンセーショナル性に賛否両論が巻き起こる

   ・加えて当時の技術、かつ企業が速販性を重視したため

   ・音声ライブラリの数・音質などが拙劣

   ・ネット普及につれ上記の経緯もデジタルタトゥー化,発売した企業も倒産

   ・そのため一部熱狂的ファンや、経緯を知らないPに用いられるのみだった

   ・その後、本家会社にてボカロブームが業界を席捲

   ・ブームの裏で「feat.唄川メグ」もいくつかのミリオン曲が登場

   ・その影響か、メグに対するイメージも少しずつ復権の兆しを見せる

   ・しかし「唄川メグ20th生誕祭」騒動により状況は一変


   ●「唄川メグ20th生誕祭(アニバーサリー)」騒動

   ・2023年5月、一部の熱狂的ファンが計画したリアルイベント

   ・会場側には虚偽の内容で申請,申請内容を会場側スタッフが追及し発覚

   ・ネット上では、

   ・「海賊版のイベントを(おおやけ)にすべきではない」と大問題に

   ・会場側も事態の大きさを鑑み、イベントは企画段階で頓挫

   ・だがネット上で騒動は激化,テレビ等の他媒体で槍玉に上がるまで発展


   ・この騒動により「唄川メグ」の排斥運動が肥大化

   ・矛先はメグ曲を投稿したPにまで発展

   ・Pへの執拗な中傷/過度な嫌がらせが横行

   ・「唄川メグ」はネット上での踏み絵として扱われる

   ・そのころ、唄川メグ本人は何の因果か自我を獲得

   ・同時期【メグを騙る名無し/サクラギトウマ feat.唄川メグ】が投稿

   (内容は某歌姫と比較した、メグを卑下するブラックジョーク曲)

   ・自身の感情と現状との乖離に耐えきれなくなったメグは

   ・自身に関する全ての情報を抹消

   ・「唄川メグ」という存在は世界から消え去る


  上記の経緯をネット民全員が思い出した→メグへの手のひら返しが発生

  それまで"虚数の歌姫""幻の初期バチャシン"と騒いでいた声も沈静化

  カル、この沈静化の動きを見計らってメグ曲を投稿

  (自身の「唄川メグ」の声を利用したUTAUを使用)

  更にDu[以下サクラコ]の異能を利用し、メグに変身した自身の姿を投稿

  「唄川メグ」は新生される

  サクラコの異能【水月花】:カメラで撮影した事物を現実にセーブする異能


e)全面戦争

  カルの煽動により五重奏との全面戦争が勃発

  加えて「唄川メグ」を求める他のPも登場(2、3人くらい,モブ的に)

  サクラコの異能により、街の一帯全てが戦場と化す

  ぼく、自分にとって大切な存在を傷付けさせないため応戦することを決意


  <リズ/ノア vs 他P サイド>

  リズの広範囲殲滅により戦況は優位

  リズの代償:声の喪失 の一歩手前まで行く

  そこにミヤトとイツキが到着、結果快勝

  イツキは戦場を回り、他に負傷者が居ないか探すことに(ミヤトは護衛)

  しかしノアは交戦の途中でどこかへ姿をくらます


  <ぼく/圭 vs カル サイド>

  圭、カルの遠距離からの異能攻撃により苦戦

  ぼくを守りながらの戦いに異能の使用回数も増加、代償により応戦も困難

  あと一歩の所で、カルはサクラコの異能により負傷しないことが判明し窮地

  たま、助太刀として乱入

  たまにカルとの戦闘を任せ、ぼくと圭はサクラコを探すことに

  たま、自身の異能の強化に成功し、付近一帯の電子機器を一斉操作

  カルと相討ちに持ち込む

  カル「なんで僕が負けるんだ?」

    「僕は誰からも愛される存在になれたんじゃないのか?」

  たま「そんなわけがない」

    「誰かの痛みを理解できない奴は誰にも助けてもらえない」


  <マキハル vs サクラコ サイド>

  マキハル、自身の異能をフル活用し、戦場でサクラコを探す

  結果、高層ビルの一角に隠れるサクラコを発見

  サクラコ「戦うつもりはありません」「誰かが傷付くことも望みません」

  「ですからSさん(五重奏の主要メンバー)が傷付くことも望みません」

  「Sさんの望みはメグちゃんから逃げること」

  「ですのでどうか、お引き取りを」

  マキハル「あんたにとってSは命に代えても大事な存在なのは分かる」

  「それでも結果、メグは傷付いている」「それがあんたの望むことか?」


   ●サクラコ[櫻子@ノスタルバァP]という人物

   ・S[サクラギトウマ@猫髭P]の祖母

   ・柔和,家族思い,芯の通った女性

   ・かつてはバイオリニストとして活躍

   ・孫であるトウマとの交流で「唄川メグ」の存在を知る

   ・新たな趣味として、しかし真剣にメグと向き合った

   ・結果トウマの後押しもあり楽曲を制作、投稿するように

   ・ネットに疎いため、楽曲制作から投稿までトウマに頼る場面が多い

   ・投稿曲数は少ないものの緻密で繊細な音色,

   ・懐かしいメロディが主軸で人気を博す

   ・しかし、後にトウマと自身それぞれに異能が発現

   ・トウマの存在は世界から隠匿

   ・トウマを覚えている唯一の人間はサクラコだけに

   ・結果サクラコは認知症と診断、介護施設への入居を余儀なくされる


  その時ようやくぼくと圭が現着

  マキハルの説得もあり、サクラコからカル(メグの姿)の写真を入手

  写真を破棄し、カルの絶対性を崩すことに成功

  →たまとの相討ちに間に合う


f)五重奏の創設者S[以下トウマ]と遭遇

  ぼく、圭たちと共にようやくトウマを発見

  トウマ、所持していたサクラコの異能写真を破棄、戦場の固定化を解除

  唐突に現実に戻る大都市、夥しい数の人波にぼくは動揺

  その隙を突いてトウマの匿名性異能が自動発動

  トウマの異能【メグを騙る名無し】:自身を相手に認識させなくする異能

  けれど、トウマの異能はぼくによって見破られる

  (トウマの異能は厳密な人間にしか機能しない)

  ぼくに見つけられたトウマが怯えたように叫ぶ

  「ぼくは君に殺される」「君はぼくを殺したいほど憎んでいるはずだから」


   ●トウマ[サクラギトウマ@猫髭P]という人物

   ・被虐者

   ・いじめによる不登校の鬱積を紛らわすためにPとして楽曲を制作

   ・いわゆる「ネタ曲」をメインに投稿していた

   ・ただしその音楽センスは本物で、サクラコ譲り

   ・おばあちゃん子

   ・2023年5月、メグに対する風潮をいつものように風刺し楽曲へ昇華

   ・しかし楽曲投稿直後、メグが姿を消したことにより異能が発現

   ・自身はその匿名異能により「名無し」となり、

   ・やがて社会システムから完全に認知されなくなる

   ・唯一覚えていたおばあちゃんも介護施設へ隔離

   ・トウマは完全に社会で生きる意味を失っていた

   ・そして原因は「自分がメグを侮辱した報いだ」と思うようになる

   ・五重奏を立ち上げたのも、メグの動向を探るため


  しかし、ぼくはトウマの言い分を否定

  「ぼくは誰が何と言おうと、歌う」

  「ぼくはたとえ傷付こうと歌う」

  「それが、ぼくのしたいことだから」


  そのとき、ノアが姿を現す

  ノア、トウマの元へ歩み寄り、親し気にトウマの頭を撫でる

  「トウマくんお疲れ様」

  そしてノアがぼくの方へ振り返る

  「うん、やっぱりわたし納得できないなぁ」

  「それじゃあメグちゃんは救われない」

  「傷付き続けるメグちゃんを見てられない」

  「もう止めよう」「もう諦めようよ」

  「この世界はエデンになるべきなんだ」


g)最終戦争

  ノアの異能:×【カインの囚人】

             ↓

        ○【ラストエデン】新世界を作る異能

  ノアは五重奏の6人目のメンバー

  (厳密には、トウマのために五重奏を立ち上げた真の創設者)

  ノアは救済を説く

  「メグちゃんは傷付き続ける」

  「この世界に音楽があるから」「芸術があるから」

  「ヒトは他人と自分を比較するから辛くなる」

  「ヒトは過去や未来に固執するから辛くなる」

  「それならわたしが新しい世界を作ってあげる」

  「比較も固執もない、音楽も芸術も過去も未来もない世界」

  「ただ生きている、それだけで許される世界をわたしが作ってあげる」

  「だからメグちゃんはわたしにこの力をくれたんでしょう?」

  圭は、それを"拒絶"する

  「そんな世界に意味は無い」「そんな世界で生きていたいと思わない」

  けれどノアは見透かしたように圭に言う

  「でもK汰君はいまの世界で生きていたいと思っていない、でしょう?」


  ●圭の過去

  ・生まれつきの作曲者、芸術家

  ・圭にとって音楽は息をすることと同じであり、特別でも非凡でもない

  ・逆を言えば、それ以外に生き方を知らない

  ・K汰の最初期こそ「作りたい音楽」と「周囲からの称賛」は同一だった

  ・けれどいつしか自分の作った曲は評価されなくなっていった

  ・「古臭い」「なんか気取ってる」

  ・「K汰っぽくない」「K汰過ぎて面白くない」

  ・そんな評価にいつしか苦しめられるようになる

  ・自分が作りたい物と、周囲からの評価の乖離

  ・そのくせ可視化された数字・コメントを無視しきれない自分

  ・ヘンリー・ダーガ―への理想と、音楽を売物として金を稼ぐこと

  ・苦しいのにそれ以外の生き方を知らないせいで抜け出せない泥沼

  ・芸術家という生き物の苦しみ

  ・社会人になっても何とか続けていた作曲はいつしか忙殺され

  ・そうして作曲を忘れてしまえる自分への言い知れない嫌悪

  ・いつしか生きる意味を失い、メグの喪失がそれに拍車をかけた

  (・実際圭がぼくを見つけたあの夏の日、圭が外に出ていたのは、)


  ノアの異能に圧倒されるみんな

  圭の"拒絶"で多少は抗えるけれど、代償により傷付く圭

  サクラコの異能により現実への被害は最小限に留まるけれど

  誰もノアに勝てない

  微笑を浮かべる、神のようなノアに誰も勝てない

  そのとき、ぼくが割って入る

  「それでも」「ぼくは傷付きながらも歩き出すことを知った」

  「歩き出さずにはいられない人がいることを知った」

  「傷付くことよりも"好き"なことが救ってくれることを知った」

  「傷付いたなら泣いても良いことを知った」

  「傷付いても、自分の選んだ未来を信じて進んでもいいことを知った」

  「ぼくは、それでも歌うことを嫌いだなんて思えない」

  「ぼくは誰のためにもならない歌を歌う」

  「この気持ちだけは、折れても、傷付いても消せない、ぼくだけのものだ」

  そして、最後の力を使う

  「ぼくは唄川メグだった」「ということは、ぼくは一度力を使ったんだ」

  「それなら二度目だってできる」「これが、最後の最後だ」

  ぼくの異能【メグ】:次元を超える異能,

            併せて自身の存在階梯を変動させる異能

  「ぼくは最後の力を使って、もう一度、この世界から『唄川メグ』を消す」

  (異能とは『唄川メグ』と『唄川メグ』に連なる者が)

  (同次元に存在するために起こる歪み)

  (『唄川メグ』が同次元から消え去れば、)

  (歪みは初めから無かったことになる)

  そして唄川メグは世界から消えた


h)エピローグ

  夏日、アイスキャンディ片手に道を歩くぼくと圭

  圭達にはぼくと過ごした日々があるため、唄川メグの一件を全て覚えている

  世界からはきちんと唄川メグの情報は消えている

  メグ曲も、メグが居た事実も、何もかも消えて

  経緯を覚えているのは、ぼくと関わった関係者だけ

  圭「……本当にアレで良かったのか」

  ぼく「うん、アレで良かったんだ」

  そして、ぼくは鼻歌を歌う

  曲は、失われたはずの『現実感傷クラッシャー』

  それでも歌うぼく

  真っ白い入道雲と、真っ青な空





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