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異世界を信じる者たちへ 〜何故かエルフになった僕〜  作者: さつき けい


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第七十九話・倉庫の不用品の扱い


 それから僕は少し忙しくなってしまった。


ティモシーさんのメモを見たガビーが俄然張り切って、


「正装は無理ですけど、普段着や夜着、雨具は任せてください!」


僕はいつも着ている物で良いと思うんだけど。


「ダメです。 新しく作ります」


だって、これも全部ガビーが作ってくれたものだよ?。


「もっとカッコいいアタト様にしたいんです」


はあ、そんなもん?。


ということで、ガビーは次の町に行く日のためにバリバリ仕入れの予定を書き込んでいる。




 おいおい。 予算的に大丈夫なのか、それ。


心配していたら、モリヒトが金庫代わりの鉄箱を開けて見せてくれた。


うおっ、何だ、この大量の硬貨は。


金とか銀とか、色々と光ってるのもあるな。


『どれだけ必要でしょうか?』


いや、知らんけど。


『足りなければ、まだまだ魔獣の魔石や素材も有ります』


あー、同じ物が大量にあったり、デカ過ぎてワルワさんに受け取りを拒否されたモノが保管庫にあるんだよな。


「あれを手土産にすればいいんじゃない?」


手土産を買う金もいらないし、倉庫もスッキリして一石二鳥。


『それも良いですね』


モリヒトも頷いた。




「そんなのダメです!、勿体無い」


何故か、ガビーが煩い。


「価値も分からない人族に無料で渡すなんて!」


いや、無料といっても手土産として持って行くって話なんだが。


「それなら一度、ドワーフの職人に見せて買取交渉させてください!」


「それは構わないが」


ドワーフが欲しいものってあったかな?。


「色んな職人がいます。 ドワーフは鍛治師ばかりではありませんよ」


まあ、そりゃそうだろ。


「じゃあ、モリヒト。 その時に人族の職人や商人にも立ち会ってもらったらどうかな」


ガビーが「えっ」と顔を引き攣らせた。


『ドワーフ族だけでは信用出来ないと?』


「いやいや、価値観の問題だよ。


ドワーフには不要な物でも、人間には金を払ってでも欲しい物があるかも知れないだろ?」


見せるだけ見せても良い気がする。


『わたくしは倉庫が片付くなら何でも構いませんが』


冬を前に食糧を保管したいのに、ガビーが無闇に溜め込んでいる素材が邪魔らしい。


「ムムッ、競争させるんですね!。 分かりました、すぐに親父に伝えます!」


何故かガビーが張り切ってドワーフの町に行ってしまった。




 倉庫については他にも問題がある。


「それで、引き取り手が無い物の処分なんだけど」


魔獣や魔魚の素材のため、燃やして灰にしても僅かだが魔力が残る。


そのため、灰でも海や土の中に捨てることが出来ないのだ。


『わたくしが跡形もなく消しますよ?』


うん、モリヒトなら出来ることは分かってる。


「だからさ、そんなことにモリヒトの魔法を使うことが勿体無いんだよ」


毎回モリヒトに頼むんじゃなくて、もっと簡単に、気兼ねなく処理する方法。


「ウゴウゴを使ってみたい」


モリヒトが驚く。


『あの魔物を、ですか?』


僕は頷いた。




 今は僕の魔力を食事として与えている。


触手を使って体に取り込み消化する不思議な生き物。


空腹だと魔素を吸い上げて魔力を作るが、共食いで味方の魔力まで餌にする。


大きくはならないが、過剰に取り込むと分裂して増え、魔力が足りなくなるとまた融合。


「ウゴウゴが、ある程度の大きさを保つのに必要な魔素の量がある。


普段から取り込んでいる魔素の量が足りなくなると体内の魔素を消費するから小さくなってしまう」


その時に仲間が近くにいると、共食いというか、お互いに分け合う感じになる。


そして、そのまま魔素を消費し続けて体内に失くなってしまうと、ただの半液状生物に戻るのだ。


国境の外の荒地にあれだけたくさん居たのは、長い年月を掛けて集まって来たのではないか。


あそこは地下湖だったようなので、地下水や川で流されて来たのだろう。


僕はそう思っている。


『これに不要な物を消化させるのですか?』


「うん。 やってみても損は無いと思うが」


どうかな?。


ドキドキしながらモリヒトの答えを待つ。


『やってみますか。


ですが、必ず結界の箱の中でやってくださいよ』


「分かった」と僕は頷く。




 しかし、倉庫にある物はガビーが必要かどうか確認しないと処分出来ない。


とりあえず夕飯の準備をしていたら、ガビーが息を切らしながら戻って来た。


「親父は忙しくて来れなかったので、代わりに工房の仕入れ担当を連れて来ました!」


だからー、早いって。 まだ何も決まってないのに。


「失礼します」


「おや、たまに見る顔ですね。 僕はアタト、こっちはモリヒトです」


あ、このドワーフ。 ガビーが調査に出る時、何か言ってたヤツじゃなかったか?。


「おれはキツロタ。 人族の店相手の取引担当だ。


たまにお嬢の様子を見て来るように言われて、ここに来ている」


お嬢か。


プププッて笑いそうになる顔を引き締める。


確かにガビーさんは工房主の娘さんだもんな。


この男にすれば、お嬢さんだ。 見かけはアレだけど。


「アタト様?」


「あ、ガビー、ごめんごめん」


睨まれちゃった。




 夕食を一緒に取ることにした。


彼は、背丈は普通の大人のドワーフだが、髭が薄く、男性にしては筋肉も少なく感じる。


まあ、あの親方からみれば、だいたいのドワーフは筋肉が足りないよな。


 食後のお茶の時間、簡単に話をする。


「それじゃ、キツロタさん。 商売の話なんですけど」


「ロタで構わない」


お、助かる。 ちょっと間違えそうな名前だからさ。


……キタローって呼びそうになったんだよ。


「では、ロタさん。 ガビーお嬢さんから聞いてると思いますが」


ガビーの顔が少し赤いが放っておく。


「ふむ。 ここの倉庫にある物を、どれだけの値段で、いくつ引き取れるか。 それを何かに書き出して渡せば良いのか?」


この男性、年齢は分からないが、なかなか商売慣れしてるな。


「ええ。 実は僕は人里に店を出している関係で、人族の商人とも取り引きがあります。


それで、あちらにも声を掛ける予定なので、どちらに売るかは後日お知らせすることになります」


「承知した」


ロタさんは頷き、親方と相談するため、帰って行った。



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