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22

翌朝。やっぱりちょっと肌寒い。冬……こっちではコルドだっけ。コルドが近付いてるんだなぁ。上着を羽織って階下に降りる。朝食の材料をキッチンに出しておいて、庭に出る。


あ、やっぱり居た、虎さん。と、言うことは……。


「おはようございます」


「おはようございます、マイクさん」


「朝からお邪魔してすみませんね」


「エタンセルは今日、騎士団の管理場に連れていくんですよね」


「そうですね。もしかして明日から兄さんはウチに来てくれなくなるのかな?」


「それは聞いてみないとわかりませんが」


「ですよねぇ。あの虎が兄さんに懐いちまいましてね、兄さんが来るとぴったり後を着いて歩くんですよ。どうしましょうねぇ」


マイクさんは困ったように頭を掻く。


大和さんは今日も炎のような靄を纏っている。昨日より靄が大きい。色も濃くて本当に炎を纏っているみたい。


緋龍(ひりゅう)もはっきり見えた。今日も虎さんと睨みあって戻っていく。


「あの兄さん、エタンセルといる時と雰囲気が違うねぇ。近寄り難くなると言うか、迂闊に近寄れないと言うか」


「そうですか?」


舞の前の雰囲気は確かに違う気がする。でも今は大和さんがそこに居るのに居ないみたいな……


組んでた足を解いた大和さんはそのまま舞台上へ。


あれ?いつもの剣と違う。日本刀みたいな、でも持ち手に覆いが付いてる。


桜の大木が見えた。満開の桜の前で大和さんが舞う。


舞い終わると昨日のように虎さんを一撫でしてこっちへ来た。


「すごいねぇ、兄さん。ウチのが誉めてたけど見事だねぇ」


「ありがとうございます」


虎さんは大和さんに体を擦り付けて満足したのか、私の方に来てお座りした。昨日と同じように撫でる。手触りが良いなぁ。首の回りはモフモフしていて背中はすべすべしてる。


「さぁ、そろそろ帰ります。行こうか」


マイクさんが虎さんに声をかける。虎さんは大和さんにもう一度体を擦り付けていた。


「では後程お伺いします」


「お待ちしていますよ」


マイクさんは帰っていった。


「マイクさんが舞の前の瞑想の時、近寄り難くなるって言ってました」


「近寄り難い、か」


大和さんは苦笑すると家に戻った。私も追いかける。


「大和さん、今日の剣、いつものと違いましたね」


「あれはサーベル。あると思わなかったよ。騎士団の剣保管庫で見つけた。持っていって良いって副団長が言ったから貰ってきた。一応刃は潰してあるよ」


大和さんはそれだけ言うとシャワーに行った。


朝食の準備とお昼のお弁当を作る。大和さん、今日は休みだよね。お昼どうするのかな?


大和さんがキッチンに入ってきた。コーヒーの準備を始める。


「咲楽ちゃんも近寄り難いと思う?」


不意に聞かれた。


「瞑想の時ですか?近寄り難いって言うより邪魔したくないって感じです。いつまでも見ていたいって言うか……」


「咲楽ちゃんが離れていかないならそれで良い」


笑った大和さんは寂しそうだった。


「大丈夫ですか?」


「こういうのは慣れてる」


慣れてるって地球に居たときも有ったってこと?


静かな朝食を終えて出勤準備をする。


大和さん大丈夫かな?あ、お昼ご飯の事、聞くの忘れた。


階下に降りると大和さんが待っていた。


「お待たせしました」


「行こうか」


結界具を作動させて家を出る。


「大和さん、大丈夫ですか?」


「大丈夫だよ。心配させてごめんね」


しばらく無言で歩く。


「大和さん、手を握っても良いですか?」


「今はダメ」


え?


「多分今咲楽ちゃんに触れたら離せられなくなる。だからダメ」


「お仕事終わってからなら良いですか?」


「可愛いこと言うね」


大和さんにいつもの笑顔が戻った。


「あ、そうだ、忘れてました。今日のお昼ご飯、どうします?」


市場(バザール)で何か買うよ」


「用意できなくてすみません」


「謝ること?男なんてそんなもんだよ」


王宮への道を過ぎる。今日は副団長さんは居ないみたい。


向こうからローズさん、ルビーさんが走ってきた。


「トキワ様、おはようございます。サクラちゃん連れていきますね」


「お願いします。咲楽ちゃん、いってらっしゃい」


「いってきます」


大和さんと別れる。少し歩いてローズさんが言った。


「サクラちゃん、トキワ様、どうしたの?なんだか元気がなかったけど」


「そうよね。何かあったの?」


「ちょっと……」


「ケンカでもした?」


「ケンカじゃないんです。けど、何もできなくって、私ってそんなに頼りないかなって……」


「弱ってるところを見せたくないんじゃない?頼りになる存在でいたいから虚勢を張ってるって言うか」


「そうでしょうか」


「そんなものよ」


「今日はライル様とペアなんだけど、どうする?」


「どうするって?」


「こういう状態の時に男性と一緒でキツくない?」


更衣室で着替えながら聞かれた。


「大丈夫ですよ。お仕事ですし、切り替えます。ライルさんにも迷惑かけたくないし」


「まずは魔力制御の試験ね」


試験って言われると緊張する。


「おはよう」


ナザル所長とライルさんが入ってきた。


「シロヤマ嬢、魔力制御はどうかな?」


「はい。行きます」


ピンポン球位の光球を出す。


「へぇ。全く漏れてないね」


「ほう。大したもんじゃ。こんな短時間で出来るとは」


魔力制御の合格をもらえたみたい。やったね。


今日はライルさんと診察。何人かの人を治療させてもらった。


「うん。治療中も光ってないね。ちゃんと制御できてるみたいだね」


良かった。


「ただまぁ、大きな外傷とかの治療時は分からないけどね」


そうですよね。大きな外傷とかの治療って無い方が良いんだけど、もしあったときにまた光ってたら嫌だなぁ。


「ライルさん、外傷の時は治療するじゃないですか。病気の時はどうするんですか?」


「病気の時?」


「はい。風邪とかの時、どうしてるのかな、と思って」


「薬師さんがいるからね。そっちに直接依頼が行ったり、ナザル所長のように懇意にしている薬師さんがいて、その人と一緒に動くこともあるよ」


「外傷は施療院で病気は薬師さんって言うことですか?」


「そうそう。僕にも『頼むならこの人』って薬師さんが居るよ。でもまぁ女の人は難しいかな。薬師さんは大抵男だからよほどの信頼関係がないとね」


「薬って作ってみたいです」


「あー、難しいかな。材料が結構見た目がキツいのが多いからね。僕でも顔を背けたくなるのもあるし」


「そうなんですか?」


「栄養剤的な簡単なものなら薬草だけで作れるよ。習ってみる?トキワ殿と一緒にだったら良いと思うよ」


「大和さんと……」


「どうしたの?」


「男の人って弱いところを見せたくないものですか?」


「人によると思うけどね。トキワ殿は弱ってるところを見せないタイプじゃないかな?特にシロヤマ嬢には」


「そうでしょうか」


「人を守ることに慣れてる人はそういう人が多いよ」


「どうしたら良いでしょう?」


「黙っていつも通りに、が1番かな。気を使われるのは一番されたくないことだと思う」


「はい……」


「あぁ、3の鐘だね。そろそろ……」


「サクラちゃん、お昼食べましょ」


「ほら来た。昼休憩行ってきて」


「はい。行ってきます」


ルビーさん、ローズさんとお昼ご飯を食べようとガゼボに来たんだけど……。


「寒いわね」


ちょっと寒かった。仕方がないから休憩室へ。


「おや、外に行ったんじゃなかったのかね?」


「ちょっと寒かったので」


ローズさんが言う。


「そろそろそんな季節じゃな。ここでも暖房の準備が必要じゃな。ということじゃ、ライル。次の闇の日は準備のために出勤じゃの」


「はいはい。分かりました」


休日出勤?


「女性陣は気にしなくてよいぞ」


「良いんでしょうか……」


「暖房器具は重いからね。ここでは男の仕事。手が足りなければ王宮騎士団からも来てくれるし」


「そうなんですか?」


「まぁ、王宮騎士団に連絡してみるとするか」


お昼休憩を終わってお昼からの診察。今日は患者さんは少なかった。


マルクスさんが来たのをきっかけに診察を終える。


あれ?大和さんが来ない。何かあったのかな。今日はエタンセルを騎士団の管理場に連れていったんだよね。あ、大和さんが走ってきた。


「悪い、咲楽ちゃん。待った?」


「大和さん。どうしたんですか?」


挨拶をしてから2人で歩き出した。


「あぁ、いつもの。油断した」


「いつものって模擬戦ですか?」


「部隊長に王宮に連れていかれてね。今日は神殿騎士も居た」


「プロクスさんとかデルソルさん?」


「あの二人はいなかったけどね。他の顔見知りの連中が何人か、ね。それから……」


「何ですか?」


「これを預かった」


見せられたのはブレスレット。


「国民証ですか?」


「そう。これもなかなかのハイマジカル製品だよ。総魔力量とか分かったりする。着けてあげるから腕出して」


左手を出した。何も考えずに。


大和さんは私の手を取ると手の甲にキスを落とした。


「え?」


「使い方だけど、このプレート部分に手を触れて魔力を……咲楽ちゃん?」


「はい」


「固まってるから……嫌だった?」


「そんなこと無いです。嫌じゃなくて、ちょっとビックリして……」


「はいはい道端でいちゃつかないで、さっさと帰りなさい」


ローズさんに叱られました。大和さんはライルさんに連れられてちょっと離れた所に居る。


「国民証の使い方、聞いてなかったでしょ。教えましょうか?それともトキワ様に聞く?」


「大和さんに聞きます」


「トキワ様、大丈夫みたいね」


「はい。ご心配をお掛けしました」


「何かあったらすぐに言うのよ。良いわね。遠慮なんかしなくて良いから」


ローズさんとライルさんはそう言って帰っていった。


「今朝、そんなにおかしかった?」


「おかしいって言うか元気がないって言うか、ローズさんとルビーさんにケンカでもしたのかって言われました」


「心配かけたかな。久しぶりの感情だったから、うまく制御ができなかった」


「私では支えになれませんか?」


「なってくれてるよ。言ったでしょ。咲楽ちゃんといると暖かくなるって」


しばらく無言で歩く。


「そうそう、その国民証の使い方なんだけど、そこのプレートに触れて、魔力を流して」


言われた通りに魔力を流す。プレートがピカッと光った。


「光ったね。これで登録完了。名前と総魔力量、生年月日の個人情報が刻んである」


「生年月日って私言ってないのに」


「俺等の場合は年齢から逆算してもらった。でね、婚姻とか、女の人だと出産とかする度に刻字が増えるらしい。どういう仕組みかわかんないけど」


「大和さんはネックレスでしたっけ」


「見たい?夜見せてあげるよ。ここではちょっとね」


「夜ですか……夜!?」


「何を想像したの」


笑いを含んだ声で大和さんが言う。


今日はまっすぐ家に帰る。着替えてお夕飯の支度。今日はなんにしよう?


食料庫で材料を見ていると急にドアが閉まった。え?


真っ暗になる室内。手探りでドアまで行って開けようとしたんだけど、開かない。


どうして。なぜ開かないの?閉じ込められたことが甦ってきた。怖い。助けて。大和さん!!必死でドアを叩く。


「咲楽ちゃん!!」


ドアが開いた。大和さんが居た。怖かった。


「もう大丈夫。俺が居るから」


私はしがみつく事しか出来なかった。


大和さんは私を抱いてソファーに連れてってくれた。


「何があった?」


「分かりません。急にドアが閉まって……」


「気が付いたら咲楽ちゃんがいなくて焦ったよ。怖かったでしょ」


小さく頷く。


「身体が冷えてる。暖まった方がいい」


首を振る。離れたくない。だってまた閉じ込められたら?


「大丈夫だから。なんだったら浴室の前で待ってるけど。一緒に入るわけにはいかないでしょ」


「前で待っててもらえますか?」


「OK。着替えだけ持っておいで」


「一緒に来てください」


「はいはい」


大和さんは私を抱き上げた。


「歩けます。降ろしてください」


「こっちの方が早いし。ほら、着いた」


ドアを開けて降ろされる。


クローゼットから着替えを取り出して部屋を出ると、また抱き上げられた。


「大和さん!!」


「んー?着いたよ」


大和さんはダイニングから椅子を持ってくると、脱衣室が見えない位置で座った。


自分から『前で待ってて』って言っておいてなんだけど、このシチュエーションはかなり恥ずかしい。大和さんから見えないって事は分かってる。けど、音は聞こえるよね。


「大和さん……」


「振り向いて平気?」


「あのやっぱりいいです。待っててもらわなくて」


「良いの?大丈夫?」


こっちを見ずに大和さんが聞く。


「わがまま言ってごめんなさい。大丈夫です」


大丈夫な訳じゃない。また閉じ込められたらって思ったら怖い。けど、この状況の方が恥ずかしい。


「そう。ならダイニングで待ってる」


少し考えたような時間があって、大和さんの動く音がした。


シャワーに触れたとき、いつもより熱くて、身体が冷えてたんだって分かった。


怖かった。もし大和さんがいなかったら?あの中でずっと?今は光魔法を持ってるんだから、光球を出せば良かったんじゃない?さっきはパニクってたから思い浮かばなかった方法が次々に浮かんできた。暖まったからかな。冷静になれた気がする。


浴室から出て、髪を乾かす。まだお夕飯を作ってないことに気がついて少し急ぐ。


「大和さん、お待たせしました。お夕飯、作っちゃいますね」


「咲楽ちゃん、まずは座ろうか」


「でも……」


「まだ髪が濡れてる。今日は俺が乾かすよ」


強引に座らされた。


「髪はきちんと乾かさないと風邪をひくよ」


大和さんは私の頭を撫でるようにしながら髪を乾かしてくれた。


気持ちいい。いつまでもこうしていて欲しい。


「はい、終わり。きれいに乾いたよ」


「あ……ありがとうございました」


「続きは寝室でね」


笑いを含んだ声で言われてしまいました。どう反応したらいいんだろう。


あ、お夕飯、作らなきゃ。でもホントに何作ろう。正直、食料庫に入るのが怖い。けど入らなきゃ食材が見られない。


「食料庫の入口でいてあげるよ」


お言葉に甘えることにする。


大和さんにドアを押さえててもらって、食料庫の中を見る。


「大和さん、もう簡単にお肉を焼いたのでいいですか?」


「咲楽ちゃんの料理はどんなのでも旨いから、何でもいいよ」


「何でもいいが一番困ります……」


塊肉とジャガイモ、キャベツ、チーズを持って食料庫を出る。塊肉を薄くスライス。その間にチーズを挟んでミルフィーユ状にする。塩コショウして小麦粉を付けて揚げ焼き。ホントはパン粉を付けて揚げたかったんだけど。野菜はジャガイモは角切りにして茹でて、塩コショウで味付け。千切りにしたキャベツを添えて……マヨネーズが欲しい……。パンも一緒に出して、っと。


「出来ました」


「旨そうだね」


大和さんがテーブルに運んでくれる。私はお水を用意する。明日はスープ系にしようかな。


「これ、簡単?」


「簡単ですよ」


「すごく手が込んでるように思える」


「めちゃくちゃ簡単です。って言うか、マヨネーズ、作れば良かった」


「マヨネーズって作れるものなの?」


「作れますよ。材料もそんなに要らないし」


「作れるんだ……あれは買うものだと思ってた」


「今度サラダとか作りましょうか?どんなのが好きですか?」


「サラダねぇ。んー。ポテトサラダかな。家だとポテトかマカロニだったし他のは食べたこと無いし……」


「あ、じゃあ色々工夫してみます」


そんな話をしながらお夕食を食べ終える。今日は私がお風呂に入っちゃったから、大和さんはそのままお風呂に行って、私が後片付け。


食器を片付けて2階に上がる。自室でランチョンマットを作る。と言っても今日は遅いから布を切るだけ。


寝室から物音がした。大和さん、上がったんだ。


「大和さん」


「ちょっと待って」


どうしたの?1分くらい待った。


「どうぞ」


ドアを開ける。


「どうしたんですか?」


「服を着てた。傷跡見たらまた気にするでしょ」


まぁ、そう言われたら気になります。


「で、これが俺の国民証」


ちょっと長めのチェーンの先にあったプレート。


「あれ?スティーリアさんのってもっと短くなかったでしたっけ?」


「俺のは長めにしてもらった。服の中に入れておけるようにね」


大和さんはプレートを私に見えるようにすると


「ここ見て」


と言った。


「何ですか?」


それは総魔力量の数値。あれ?


「大和さん、たしか最初、魔力量1500って言われてませんでしたっけ」


その数字は2000になってた。


「それは気になって聞いた。魔力切れを経験すると増えることがあるそうだ」


へぇ。そうなんだ。


「大和さん、今朝のって……」


「瞑想の時ね。瞑想が終わった後よく日本でも近寄り難いって言われた。あっちでは毎日家の者が居るところで瞑想してたから、最後には誰も寄ってこなくなった。普通に話しかけてくれたのは兄貴だけ。後は煩わしいことを言う連中。その事を思い出してね。独りになるってのは慣れないね。咲楽ちゃんが居てくれるなら他の人なんてどうでもいいんだけど、しばらく瞑想からも遠ざかっていたから『独りになる』って感情を忘れてた。最近は咲楽ちゃんがいてくれたしね」


「ずっと側にいます」


「ありがとう。ただねぇ……」


「何ですか?」


「まぁいいや。咲楽ちゃん、抱き締めても……ここではマズいかな」


「えぇっと……?」


「うん。ベッドルームで抱き締めるのはマズいな。止められなくなりそうだし」


あれ?からかわれてる?


「大和さんになら良いです」


「そういうのは段階を踏んでからね。手にキスして固まってるようじゃ、先には進めないよ」


「はい」


私は役に立たないのかな。好きな人も慰められない。


「誤解しないで欲しいんだけど、咲楽ちゃんとそういうことをするのが嫌って訳じゃないからね」


「はい」


「参ったな……」


結局抱き締められて頭を撫でられた。


ーーその後ーー


「咲楽ちゃん、毎晩髪の毛乾かしてあげようか?」


「えぇっと、嬉しいんですけど、恥ずかしいです」


「でも気持ち良かったでしょ?」


「それは……はい」


「じゃあ、たまにさせてね」


「はい」



結局流されちゃった咲楽でした。



ーー異世界転移20日目終了ーー

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