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異能世界で最強と謳われる可愛くて人殺しの男の娘が裏世界で暗躍するちょっぴりえっちなセカイ系の物語はいかがですか?  作者: 独りっ子
黒き彼は月を歩む

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二十八話 どうやら武器をもらえるらしい

少し短めです!

「槍なんだけどさ、お前にやるよ」


 学校が終わり、家に帰ろうとしていたところを西条に脈絡なく伝えられる。隣にいるアキはん? という不思議そうにしている。なんでこいつはわざわざアキの前でそんなことを言ってしまうのかな。やっぱり賢いふりしてる馬鹿なのか? それとも人との約束も守れないような無感情サイコパス野郎か? いや、あえてこうして僕をいじめるドSなのかもしれない。


「あ、演習で使う用な? お前、槍褒められて気に入ってただろ」

「た、確かにアキは褒めてくれたけど……」

「カオ赤くしてんじゃねーよ! お前ら一緒に暮らしてんだろ? それくらい慣れろってんだ」

「アヤは私といるときは、いつも顔真っ赤だな!」

「それはいつも怒ってるみたいな風に聞こえるからやめて……」

「俺といるときもよく顔赤くするよな?  あ、お前まさか……」

「勝手にそういう目でみないで」


 西条がいると、アキはいつもよりノリがいいような気がする。気に入ってるのかな? 数日でアキの懐に入り込むとは、西条のやつもやり手だな。万が一にもアキにちょっかいかけたら……その時は本気で戦うことにしよう。


「ま、そういうわけでこのあとお前の家行くわ」

「その流れでうちくるのなんか嫌だな」

「いや話題引きずりすぎ」


 僕らがしょうもない掛け合いをしていると、突然明穂が大きな声をあげて笑い出した。どうした、とばかりに明穂を見ると嬉しそうに告げた。


「二人とも、前よりもっと仲良くなったんじゃないか? アヤに友人が増えて嬉しい限りだ」


 ニコニコと、可憐な笑みを浮かべる。日頃子供みたいな無邪気なところばかりを知っているから、急に母親みたいな感想をもらうとちょっと困る。そんなに僕が心配なのかな?


「まあね。最近はこいつが俺にちょっかいかけてくるのが多くてさあ」

「な、勝手なこと言わないでよ! ワビが絡んでくるんでしょ?」

「はて? 先にくんのはお前だよな?」


 確かに計画関係でこっちから声をかけているけど、アキが聞いてるのはそういうことじゃないと思うんだ。なんかもっとこう、高校生っぽい青い春のストーリーがいいんじゃないかな。


「とにかく、本当に槍をくれるの? このご時世武器なんてそうそうないと思うんだけど」

「ばあちゃんがそういうの趣味でな、眠らせとくのももったいないし使えって前から言われてたんだよ」


 それは、どこまで信じていい話なのだろうか。どこまでがカバーストーリーなのかわからない。こいつは当たり前のように嘘を織り交ぜてくる人間だろうからね。


「いや、それでも申し訳ないな……」

「なんだよ、もらえるものはもらいそうなのに変に謙虚だな。まあいらないって言われてもやるけどな」

「うーん、そこまで言ってくれるなら、ありがたくもらおうかな」


 本当にくれるようなので、もらっておく。確かにいつもはもらえるものはもらうけど、こいつがそんなことを言っている時点で何か怪しい事情が絡んでいそうだから、リスクを避けようとしただけだ。


「よし、なら家帰って準備しとけ」

「はいよ」


 今日は草刈のやつ、家にいるだろうか。不可侵の契約を交わしているとはいえ、気分的によくない。とにかく、西条がうちに来ることが決まったので明穂に今夜は放課後家にいるか誰かと遊んできてと伝える。明穂の家までは送るとして、そのあとは明穂に決めてもらおう。


「私も槍をみたいぞ!」

「え?」

「私も見たい!」


 西条のせいだ。アキの前でそんなこと言ったら興味を示すに決まってるじゃないか。できれば槍を使った暗殺も教えてもらおうと思ったのに、肝心なことを聞けなくなってしまう。


「お、楠も興味あるか。なら今日は三人で槍のお勉強会だな」


 じとーっと絢斗は西条を呆れた目で眺める。その視線に気づかないフリをして西条は三人で集まることを話し始めた。明穂もそれにノリノリなようで、私の家にするか、などと提案を持ち掛ける。

 話が出た時点で明穂を止めるのは難しい。それをよくわかっている絢斗は、肩をがっくりと落とし受け入れることにした。


「ならこれから私の家にいくか!」

「うぇーい」

「……わかったよ」


 話がまとまり、西条はいったん槍を取りに向かい、絢斗と明穂はそのまま家に帰ることにした。


「槍が見られるなんて楽しみだな!」


 明穂の家に帰ると、すごいニコニコしている。すごい嬉しそうだ。


「槍かあ、演習でうまく使えるといいな」

「アヤなら大丈夫だぞ!」


 全力で褒めてくれるじゃん。優しい性格の明穂はよく励ましたりしてくれる。僕のささくれた心が癒されていくのを感じる。


「せっかくなら槍を使った必殺技とかどうだ?」

「必殺技?」


 この世の中じゃ能力をそのまま必殺技にする人たちもいたりする。有名人なんかはよく使ってるな。学校の生徒たちも考えている。必殺技というとたいそうに聞こえるが、実際は能力を具体的にイメージして発動効率をよくする、という話だ。僕の場合、咄嗟に何をするかをその場その場で考えるのは厳しいから、事前にワードを決めてある。そうすると戦闘の時、すぐに能力を使うことができる。


「例えば投げたりとか!」

「投げちゃうの?」

「びっくりさせられるぞ!」

「失敗したらしんどくない?」

「失敗を考えてたら何もできなくなるから気にするな!」


 アキは何でも感覚で行動するんだけど、たいていはその通りだからすごい。投げる、なんて全く考えてなかった。必殺技の候補に入れておこう。


「参考にするねー」

「うむ!」


 それから僕たちは二人で雑談をしながら西条を待った。

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