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第一関門クリア


「うわぁ、桂ちゃん何とか間に合ったね」

「ああ、危なかった」


 俺達はお互い見合って胸を撫で下ろした。


 一体何をしたって?

 下を見よ。


 路面には無数のカラフルなスーパーボールが転がっていた。

 本当はパチンコ玉でやりたかったが、それだとまた大惨事になりかねないので、今回はソフトにする。


 そう、沢山のスーパーボールをあたかも子供が落としたかのように転がして、バレないように即席のトラップを仕掛ける。

 後はこの人ゴミを二人の真ん中目掛けて押すだけだ。


『今日は混んでいるから仕方がないわね』

『ああ、そうだな』


 早乙女達は合流するも第二波を警戒して少し間を開ける。

 どうやらはぐれるから手を引くという発想は、この出会いが短いペアには無いようだ。


 久保ゴンザレスは今度こそ諦めたと、俺達はミッションコンプリートと判断した。


「まずは第一関門クリアだね」

「初っぱなからこれじゃ、最後まで俺の心臓が持つかわからないぞ。まだ、どきどきする」


 俺は苦しく胸を押さえると、「僕もドキドキするよ」一条は顔を赤らめながらそっと胸に手を当てた。


「そういえば桂ちゃん」

「ん?」

「これって僕らも他の人から見ればデートに映るのかな?」

「悪友同士が悪ふざけしている程度には見えるんじゃないか?」

「さいですか……」


 そう言うと、一条は俺に向かってハズレの水鉄砲発射。

 ピューという滑稽な音と共に俺の顔面が一方的水分に凌辱された。


「何故だ?」

「折角用意していたのに勿体ないからだよ。ふん!」


 それなら不満そうに膨れっ面なのは何故だろうか?

 女の気持ちは良くわかない。


「そうか。お前がそれで良いのなら仕方がない」

「もう! 桂ちゃんのおたんこなす! もういい、次々」


 一条は俺が持っていたお手製の大学ノート『ぐりもあーる』を乱暴に引ったくる。

 広げて作戦手順の確認した。


 このぐりもあーるには消える間際エドウインが時魔法の掛けた効果により、勇者王の可能性が定まった者の未来が書き記される。

 そこにはその切っ掛けになったエピソードの詳細も詳しく明記されていた。


 そして何度もいうが俺達の目的は勇者王が発現した原因の阻止。

 光属性を挫いていた時と大差ないが、ユニークスキルというファンタジー要素がプラスされた事によって、難易度が格段に跳ね上がった。


 早乙女はこの出来事で己の能力を開花させて勇者王になると書いてあるが、悪いがヒロインになってもらう訳にはいかない。

 

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