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エドウインの戦い


「ここまでやってのけた今の君なら理解してくれると信じて話そう。一条君は元々これから現れる勇者王の1人だったんだ」

『わい、予想外過ぎて話についていけないやけど』

「同じくだ」


 大丈夫。

 当事者にランクアップした僕が一番分かっていないから……。

 僕が勇者王?

 何の冗談だ?

 先の未来で僕は桂ちゃんと戦うと言うの?

 

「私が見てきたそう遠くない未来。魔王と対峙する事を運命つけられている勇者王の可能性が複数誕生する。一条 サラサ、君がその1人」

「未来のルートの一つに僕が勇者王になっていると? 冗談でしょ? 僕はただの夢見る乙女だよ」


 信じられない僕は助け舟を求め桂ちゃんに目をやるも、腕組みをして意外と冷静な相棒の表情に苛立ちを覚えた。

 

「その証拠はこれまでの人間離れした結果を見れば分かるだろ?」

「じゃ、ここまで僕が来たのも計画通りだと?」

「結果的にそうなる。いや想定以上だ。何百回もリセットしながら方法を模索して、漸く私が望んだ未来に続くツールが完成したのだ。これほど嬉しい事はない」


 超難解レトロアクションゲームのように、エドウインさんは何度も何度も繰り返したのか。

 僕は結局エドウインさんの手のひらの上でダンスしていたという事なの? 


「エドウイン、大体、未来で何が起こるんだ? それと我が故郷ローグエンドバーグと何の関係がある?」

「近い未来、魔王のユニークスキルが消失する」

「俺のユニークスキルか。こいつのせいで魔素が充満しているこの世界でも、魔法とか特殊能力が半減して生前格闘技極めてしまったんだよな。まさか転生後にも効果が続いているとは意外だったが……」


 頼んでもいないのに正拳突きを披露。


「桂ちゃんのアンチファンタズマが消える?」

「そう。それに伴い魔力が急激に溢れ世界が大混乱する。その時、勇者王に覚醒した者がクロノスを使役してリアルとファンタジー、二つの世界を分断した。その結果、二つの世界は完全に消失した」

「そんな……」


 十分有り得る将来に、否定出来ない僕は言葉を失った。


「勿論私は何度も止めよう運命にあがなった。だが、何も変わりはしない。必ず同じ未来へと繋がる」


 だから、その過程で現状を打破する為に魔王を復活させたのか。


「君達にそれを止めて欲しいんだ」

「今でも進行形なの?」

「残念ながらね。誰かが勇者王になって同じことをする」


 歴史を変えようとしても、その出来事を世界は補完してしまうって聞いた事がある。 

 宇宙と因果律は保守的で革命を嫌うんだ。

 だから改変による不一致は無視して宇宙規模で強引に辻褄を合わせてしまう。

 まるでパワハラやブラック企業を政府ぐるみで隠滅しているこの社会みたいだよね。

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