運命改変
「じゃあ、エドウイン、やっぱり光を折って探し当てる事に偽りはなかったって事か?」
「ちょっと待って桂ちゃん。それじゃ元の木阿弥じゃない?」
ちなみに親友の凛子が大嫌いな戦国武将筒井順慶の影武者が木阿弥だとか。
故事はここから来ている。
「だが、エドウインが本心を語っているなら、それしか答えが浮かばないぞ」
「三人同時攻略で勇者王が復活しなかった事に疑問を持って、僕らはそれを真っ向から否定したんだよ」
僕らがやった事ってバベルの塔と同じで意味がなかったみたいじゃないか。
「そう。ちなみに真の勇者王を発見したとき私は喜んでいたんだ。やっと歴史が改変出来ると証明出来たからね」
歴史の改変?
エドウインは何を言っているのだ?
………………いや、僕は分かる。
分かってしまった。
僕は表面意識で否定も、深層では既に答えが導き出されていた。
この茶番劇の真相を……。
それに真の勇者王って?
「まるで何回もやり直しているみたいな言い種だね。エドウインさんは僕らが知らないだけで今まで僕らと散々会っていたと?」
「そうだよ。私は君の世界に介入したのは一度きりじゃない。ここまで来るのに何度も何度繰り返した。大変だったよ。クロノスを使って数え切れない程の時間を費やしている」
「でも、それと下らないイタズラと何の関係があるんだ?」
まだ要領を得ない桂ちゃんは聞く。
『光属性を折る事によって勇者王誕生を阻止しているとかやないか?』
「だからドラゴンさん、それはないよ」
「済まない、この際はっきり言おう。光属性を折る行為、あれ自体に全く意味はないんだ」
「えええっ!?」
「そうなるよね」
流石に桂ちゃんは驚いた。
僕らのあの努力自体ただの無駄骨だったんだ無理もない。
僕は分かっていた。
気づいていた。
でも、僕達の絆を確固たるものにした日々が無駄だったなんて考えたくもなかったんだ。
「じゃ、エドウインさんが求めていたのはなんだったの?」
「私が欲していたのは、それによるある人物の成長だ」
「成長?」
『勿体ぶらないで答えを言わんかい勇者王』
「そう、私の狙いは初めから君だよ。一条君」
「ええええっ!? 僕?」
信じられず思わず自身に指を突き付ける。
物語の脇役だと思っていた僕がシンデレラってオチですか?
後継者に決まった凡庸な徳川秀忠も当初はこんな心境だったのだろうか?
ちょっと、風邪をこじらせたみたいなので、当分1日一回の更新に切り替えさせてもらいます。
ごめんなさい(/≧◇≦\)
楽しみにしている方々を裏切らないようにあい勤めまする。
クオリティがこれ以上下がらない為に早く寝よう。m(__)m
熱があると全然考えが纏まらないのですねぇ。いつもの倍時間を費やして焦った焦った。(;>_<;)




