勝利のサイン
「まずは予言者さんに言いたかった事があるんだ」
「なんだい?」
「これで予言者さんの心も折れたよね?」
「完敗だ。カードを出し尽くした」
どうやら本当らしい。
声に変動を感じない。
「なら僕らの勝ちだね。入れ替り作戦大成功! お陰さまで親友達の仇がとれてスッキリしたよ」
「まさか私が心を折られる側に立つとは思ってもいなかったよ」
「イエス。おもいっきり騙したかったのだ。皮肉にも一杯鍛えられたからね。その成果を見せるのも面白いと思った」
今度こそと、予言者に勝利宣言と共にVサインを誇示。
なので二ではないし、ましてはクローリーが提唱するVサインの魔術的抵抗手段でもない。
「元々俺達はお前と一戦交えるつもりはなかったんだ。馬鹿な事の片棒は担ぎたくないが、ただ、真相が知りたい。行動理由はそれだけだ」
「そんな理由でこんな危険な行為に及んだのか? 甘いな魔王。たったの16年間でそこまで平和ボケしてしまったか?」
「かもな。陰キャラになってスローライフが俺の夢だったから、あまりにも居心地が良かったのかもしれない」
『がははっ、わいの虎になりたい夢に比べれば下らないのう』
と、世界一危険な因子が象牙より巨大な牙をむく。
誰もが羨むアルティメットドラゴンの分際で贅沢を言うね。
「そういえばサラサ君。最初に話題に戻るが、私の正体は分かったのかな?」
『こんな物騒な事を平気でする奴なんて限られているで』
物騒って……あなたは僕の世界ならいるだけで軍が出動しているレベルだからね。
「うん。ここが夢じゃなくて異世界ならあなたの正体はあの人しかいない」
「ほう、是非とも後学の為にも伺いたいものだが」
「そんな言い方するって事は、今回の俺達を巻き込んだんだ企てに繋がっているんだな?」
「そうだな」
予言者さんは素直に肯定した。
今までの数少ない情報を纏める。
予言者さんの考察。
・異世界人である。
・予言が使える。
・僕らの世界に進攻を考えている。
・魔王ガンナムレイドラームの記憶をダウンロード。
・元魔王に光を折らせる。
・魔法が使える。
この項目を一個一個潰していく。
・異世界人である。
当初予言者自体桂ちゃんの妄想だと思っていたから気にも止めていなかったが、夢ではなくてここが異世界なら話は別。
しかもまだ往来は難しい事を考えても彼もしくは彼女はこちらの住人の可能性が高い。
昨日は寝落ちして一回しか書けませんでした。
今日も仕事の都合で一回になる可能性があります。
ご了承してくださいm(__)m




