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隠居魔王、目的の確認をする。

 

「人間の光属性は一度摘み取ると二度と再生しない。だが、中には特異体質がいる。それが勇者だ」

「魔王いる所に勇者あり。闇属性有るところに光属性有り。ローグエンドバーグの神話通りだな」

「不満そうだな? 私的には手段がどうとか議論する前に、転生した君の身に危険が及ばない為に対策を打つのは当然だと思うが」

「見解の相違ってやつだ。昔はどうかは知らないが、桂 勘太郎としてはそんなダサイまねはしたくないんだよ」


 食パン咥えたヒロインにぶつかる。

 謎の金持ちお嬢様が俺の許嫁で登場。

 幼馴染みの妹分に毎朝馬乗りになって起こしてもらう。

 俺を好きな地味っ子が実はスーパーアイドルだった。

 

 俺はそんな極普通の学生生活がやりたいんだ。

 決してどっかのバトルマンガみたいな展開は望んでいない。

 

「そんな主人公役得世界、何処にもないぞ」

「予言者よ、俺の心まで予言するのはやめろ」


 さて、ここで一旦纏めよう。


・最終目的は勇者王復活の阻止。

 今復活するとただの人間になってしまった桂勘太郎、つまり俺では太刀打ち出来ないからだ。


・勇者を見分ける方法。光属性の摘み取りを行う。

 勇者は一度摘み取っても不屈の精神を持っているので、直ぐに再生可能だからだ。


・ターゲットはこの紅葉ヶ丘学園の生徒。 

 勇者は魔王の周りに誕生する性質があり、年齢も十代と定められていた。


・摘み取り方法。

 生徒に善行を行わさせて、それを完膚無きまで挫折させる。


・作戦情報は的確な予言者からの予言。

 予言者から提示される予知を元に細かい作戦を立てていく。


 人それぞれだと思うが善行には勇気がいる。

 だから、人間になった今、こんな子供のイタズラは余り気持ちが良いものはない。

 気が乗らないのは仕方ない事だ。


「さて、次のターゲットだが、香月まどか。彼女を嵌めなければならない」

「話、最後まで聞けや!?」

「あー、運命が乱れて予言が定まらないなぁ」


 演技丸出しの棒読みは止めろ。

 予言者はまた聞く耳を持たないスタンスで行く気だ。


「大体、こいつは無理だろ。ギャルだ。第一自己中な快楽主義者に光属性なんかあるわけがない」

「あるか無いかは何事もやってみないと分からないものだ」


 一理ある。高校受験もそれで受かった。


「失敗したらどうする?」

「成功するまで続ければ良い。その無駄な努力が愚かな人間の強みではないのかね。それにまた、彼女・・の力を借りれば良いじゃないか?」 

「それは遠慮被る。今度こそ俺の力で……」


 ――その後も議論と文句の応酬。

 結局また、朝になっていた。

 

 ……あいつの力だけは借りたくはない。

 俺は気持ちを再確認して擬似の天を仰いだ。


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