違和感
「さて、三回目だ。太陽と月」
「どういう意味だ?」
思わず疑問を口に出してしまった。
「私は慈悲深くはないのでね、君の質問に答える義務もない。魔族としては当たり前だが君は忘れたのかい?」
「そうかよ、ただの独り言だ気にしなくて良い」
「それは大いに助かる。今は人間に成り下がったが、かつての我が主の泣き言など耳にはしたくはないのだ」
そう言うと自称元部下はミュージカルばりのオーバーアクション気味に両手を振り上げ月を仰いだ。
太陽と月、アポロンとアルテミス。
いや、向こうの世界だと名称が違う。
しかし、そうだとしても俺の知り合いにそんな奴は知らない。
第一、予言者がそんな簡単にネタバラシする筈もないだろう。
「だが、予言者、それはあまりにも抽象的だ。俺に答えさせるつもりがないのか?」
「魔王とあろうものが、私のヒントにケチをつけるとは感心しないな。だが、私は取り消すつもりはないがな」
俺の抗議に耳を貸さず撤回はしない。
無論そんなつもりは更々ないが、これも駆け引きの一環と思ってくれれば良い。
それより、予言者の立ち位置が若干ずれた様な気もするが、小川に流れてくる木の葉の様に揺らいでいるので気にも止めなかった。
大した事でなくても緊張感が続いている今、些細なことでも気になって仕方がない。
――暫く後、
あれから不毛な心理戦が続いていた。
回数を重ねる回数を度に俺の焦りも大きくなっていく。
この時の感じない世界で焦りだけが流れていった。
夢の世界の筈が緊迫感からか、喉が渇き水分を求めている。
思いつく限りの事を答えたが、正解には行き着かなかった。
そして迎えた二十回目。
「………………………………」
「………………………………」
俺は何も手掛かりを掴めないまま、最後の答えに挑んでいた。
何かがおかしい気がする。
先程から俺の勘が警鐘を鳴らすのだ。
予言者に何も変化がない程、その疑惑が濃度が高くなっていく。
しかしながら、それを証明する手立てを俺は生憎持ち合わせてはいない。
「どうした、何を躊躇している? これはただのゲーム。もっと気楽に行こうではないか?」
「本気で言っているのか? 勝利の引き出物が何でも言うことをきくではなかったら、もっとお笑いをとっていただろうよ。でも、これは子供同士のままごとではないんだ」
「所詮、人生はゲームだと誰かが言っていたな」
それは極一部の勝ち組の奴ら限定だ。
今日は仕事の関係上時間がないので、1回の更新でお許しください。
もし、アップ出来るようならアップします。




