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賽は投げられた


 不気味にゆらゆら揺れるローブから伸びた手。

 予言者は気取って指を立てながら、


「そうだな、特別サービスだ。生物だとだけ答えておこうか。何、礼はいい。君には散々世話になっているのだ。このぐらいのサービスなんて事ない」

「そいつはどうも」


 恩着せがましい奴だ。

 どうでもいい情報掴ませて撹乱が目的か?

 だが、これでオートマタの無機物とか死霊魂系のファントムとかスケルトンは違うと判明した。

 

「それとこちらの記憶はまだあやふやであろう。大体で良い。制限は20回まで。それまでに答えられたら君の勝ちだ。答えられなかったら私の勝ちとする。なんなら30回にしてもいいが」

「いや、20回で十分だ」


 そうは答えたが不利だ。

 蟻が像に立ち向かって行くようなものだ。

 だが、確率はゼロじゃない。

 『無限の猿定理』という言葉もある。

 例えばお猿でもキーボードを叩き続ければいずれシェイクスピアの作品も書けるというトンデモ論だが、それに比べれば俺が20回で正解に導くなど赤子の手をねじるものだ。

 ならばファンキーなモンキーにノーベル文学賞を取らせるべく、ここは先陣を斬り実証といきましょうかね。


「お手柔らかに。では魔王よ始めるとしようか」

「お前を倒して一条と結婚式するんだ!」

「死亡フラグをいちいち立てなくてよろしい」

「洒落のわからない奴め」


 ペースがこちら側に流れてくる様に、些末な話を投げ掛けて相手の出方を探る。


 と、いうのは建前で……本音は実際に口にした時の死亡割合はどうなのか、言おうが言うまいがその後のストーリー展開に一切影響は受けないのは本当なのか、不思議の探求者またはジンクスの求道者として一度やってみたかっただけだった。


 さて、そろそろ馬鹿やってないで、勝負内容を整理してみようか。


・勝利条件 予言者が出す20回のヒントで回答に答えられれば勝利。


・敗北条件 20回のヒントの回答に答えられなければ俺の敗北。


・同じヒント、だんまり、荒唐無稽なヒントはNG。


・待ったや回答サイトからの質問禁止。


 

 それにしても予言者と話し合うつもりが、何故にこんな訳の分からない勝負に発展してしまったんだ。

 これでは何でもかんでもバトル展開に持っていく少年誌と変わらない。

 そのうち武闘大会とかトーナメントでも始まりそうだ。

 ならば元魔王として、後三回ぐらいは変身出来るようにならないとカッコがつかないだろう。

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