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嵌められた


「でも、ただ答えを当てるだけではスリルが足りない。そうだ、それなりの対価を支払うのはどうだろうか?」

「それはお前もか?」

「私は名前を晒してはいけない。ならこれ自体が対価と言っていい」

「詭弁だ。それはお前の問題であって俺には一切関係ない。何事もフェアじゃ無いのならゲームは成立しない」


 誰がその手に乗るか。

 警戒すれば言葉の魔術には引っ掛からない。


「なら無理にする事もないか」

「それはおかしい。勝てる見込みがないと戦わないなんて失礼じゃないか?」

「いや、絶対に勝てないのなら戦いを避ける。これも立派な戦法だよ」


 弱気になっている。

 ここは攻め時だ。


「戦いとは挑んできたら例え大軍でも受けて立つのが戦士の心構えだ」

「それは魔王だから言える事。私はノーリスクノーリターンが好みなんだよ」

「それなりのリスクを背負うものが勝負というものだ」

「見解の相違だな。これでは埒があかない」


 綻びが見え始めた。

 これなら予言者が何を考えているのか明らかになるのも近いな。


「こんな下らない事に時間を掛けるのもなんだ、そろそろ決めよう」

「しかし、何がいいのだろうか?」

「勝負なんだ、どうせだったら何でも言うことを聞くってのはどうだ?」

「……………………ふふ、あい分かった。そこまで言うのなら仕方なし、お前の願い聞き届けた。ならば私と魔王、勝った方に何でも言う事を1つだけ従う。これでよかろう」

「あっ……」


 しまった。

 主導権を取るつもりが、つい口車に乗せられてしまってる。

 しかもいつの間にか正体はついでで、願いを叶える方に話がすり替わっていた。

 それも俺がお願いした形でだ。


 もしかして今までのやり取り全て、この条件にする為のお膳立てだったのか?


 これで場の流れは完全に向こう側へ移行した……。


 なんて手強いんだ。

 次から次へと戦術が破られていく。

 例えるのなら将棋の段持ちと戦っている気分だ。

 ……ならば、


「お前は俺が知る人物なのか?」

「だから、それを確認してほしい」


 ゲームを簡単にしようと仕掛けたが、やはり駄目か。

 そう簡単にしっぽを掴ませてくれる奴なら、俺はこんなに苦労しないか。

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