表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/120

勇者王エドウインとの因縁

 

「でも、何故、俺を目覚めさせたんだ? お前は過去、俺は未来。もう、こうして干渉も出来ないだろうに」


 どうしてこいつが予言者を名乗っているのか。そう、予言者はこの世界、ましてやこの時間の存在ではない。

 そう、こいつは過去。

 俺の時間ではとっくに死んでいるからだ。

 

 遥か昔から予言者の力を行使して俺に語りかけているんだ。

 たまにセリフがブレるのもそのせい。

 そう、だからこれは過去の映像。

 これは俺が魔王としての役目を終えたその後のローグエンドバーグだ。

 分かりやすくすると、本能寺の変以降の織田家、または三國志演義の主人公達がバシバシ死んだ直後の三国だ。

 

「何故とは心外だな。私は君の遺体を発見して葬式まで出してあげたのだぞ」

「それは嘘だな。魔族にそんな習慣はないし、あるとしたらそのまま放置が美徳だ」


 魔族に墓はない。それでも敢えて言うのなら、死した場所が墓、骸が墓標だ。


「ははっ、バレたか。だが、遺体を発見したのは本当だ。魔王の記憶している通り勇者との死闘の末、重なりあって事切れていたんだよ」


 自身の事ながらいい幕引きだと感嘆するも、「死体はガチホモなネクロマンサー共に持っていかれたけど……」と続く。


 最後のは聞かなかった事にしよう。


 予言者は友の如く気軽に話しかけてくるが、まだ記憶が曖昧でこいつの事を思い出していない。

 何でも前世の記憶を甦らせてくれたは良いが、魔王のデータ量が膨大でバグが発生。

 開けないファイルとかがあるそうだ。


「再会した当初に言った筈だ。ガンナム様の行く末が心配なのだ。だが、それも当然であろう。仮にも忠誠を尽くした我が主がまた危機に瀕しているとあらば、何物にも代えてお助けするのが世の道理だ」

「勇者からか?」

「ああそうだ。本来ならばそこまで過保護にはならないのだが、勇者も一緒に転生したとあれば話は別だ。どういうことかというと、勇者王エドウインが本来の力を取り戻したら、過去も平行世界も改変可能だからだ」

「お前の今の地位も危ういからか?」

「そうだ」

「それに個人的恨みもあると」

「あのチート野郎にはどれだけ辛酸を舐めさせられたか分からない」


 流石魔族、元上司を気遣ってオブラートに包む気は更々無いようだ。

 それが本音か。


「でも、予言で全て分かるんじゃないのか?」

「いや、これも万能じゃない。ほぼ確定した未来しか視る事が出来ないのだよ」


 否定。

 フードごと横に振る。

 だから、予言の力を使ってまで勇者復活を阻止したいわけか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=242238402&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ