勇者王は円谷なのか?
二人共、一度家に戻っているので私服に着替えている。
だがそれより、小泉が白のワンピースに対して、着物姿になっている香月の格好が如何にもお嬢様でビビってしまった。
「ふう、わかったよ。じゃ二人に免じて、一ヶ月ボランティア部を手伝うで譲歩してあげる」
「それはちょっと待つのだ――う!」
「………………………」
無言のプレッシャー。
刺されかねない冷ややかな眼差しに、お茶目なタヌキも従うしかない。
「俺は構わない。それだけの事をやったんだ、お前の気が済む様にやってくれ」
「殊勝な心懸けね。あんたの場合、逆に気持ち悪いよ」
「ほっとけ」
円谷は何とか機嫌を直してくれた。
だが、俺はここからが本題というか本番。
円谷に確認しなければならない事があるからだ。
復活した光属性は三人、その内の香月と小泉は白だった。
ということは、勇者王エドウインはこいつだという事になる。
でも、今までそんな素振り感じたことなんて一度もない。
見たところ覚醒した様子もない。
それにおれ自身信じたくはない。
もし覚醒したらこいつと殺し合いをしなくてはならないからだ。
早く円谷から属性を消さないと、取り返しのつかない事になってしまう。
それに問題は、どうやって円谷から光属性を消すかだ。
一条は『今までに比べたら一番簡単だ。1分も掛からない』と言っていた。
だが、とてもそうは見えない。
罠を張るにも一緒じゃ行動を起こせないじゃないか。
それに一条は円谷に関しては何一つ情報をくれない。
その時が来れば自ずと分かるって言うばかりだ。
どういうことなのか、今の俺にはさっぱりだ。
『桂ちゃん、段取りは全て僕に任して』
一条、お前は何を企んでいるんだ?
「ばかつら、あんたのお陰でこだわり捨てられそうだ。姉さんともあの後話して、香月を頼むって言われた」
「そうか」
妹や弟を嫌いな兄または姉はこの世にいない。
俺は香月姉とは相性良さそうだ。
是非一度会って、妹の愛で方を伝授して欲しいものだ。
「あーしは日本舞踊がやっぱり好きだ。姉さんの様になりたいんだ。サンキュー」
「お礼は良い。それよりひとさし舞ってくれないか? 日舞って観たことがないんだ」
俺は冗談で言ったつもりだったが、「いいよ。未熟だけど、こんなんで良ければ」意外とあっさりオッケーを出されて拍子抜けしてしまう。




