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正義は勝つ


「カレン!」

「カレン!」

「カレン!」


 カレンコールが止まらない。

 更に誰かがSMSで流したのか、いつの間にか大きなお友達やMAPLEファンの学生達も集まってきた。


 これでもう、小泉は後に引けなくなったぞ。

 どうする小泉?


「はぁぁぁ、楓さん着替え手伝ってくれる?」 


 諦めたのか、彼女は大きなため息の後、一条が前もって準備しておいた衣装をもって個室へ入る。


「はははっ、はいよ」

「ばかつら、この借りは必ず」

「え?」


 ってか、何で俺だとバレたんだ?


「――闇夜を照らすのは光、悪を浄化するのは正義の心! クレシェントカレンここに降臨! 人々を苦しめる魔王よ今日がお前の命日よ!」


 相変わらず口上がダサいなぁ。

 昭和ヒーローかよ。

 これで人気あるのも作画と衣装が格好可愛いからなんだよな。


「「「カレン!」」」


 声援に応えてカレンはポーズを決める。

 

「ついに現れた僕らのクレシェントカレン。だが、魔王側もここままでは済まさない様子。ああっと、魔王の手下が一杯出てきたぞぉ」


 一条の下僕達がクロタイツ姿で登場。


 クレシェントカレンに次々と向かっていくが、何もしてないのに次々とバク転やら何かで倒されていく。


「おのれ! クレシェントカレンめ。この魔王様が相手だ!」

「とっとと帰って眠りなさい。オーロラシューティングスターハリケーン!」

「ああっと! クレシェントカレンが放った正義のオーラが魔王に直撃したぁ!」


 実際は無いのだが子供の想像力は半端ない。

 以下略。


「おのれ! クレシェントカレンめ、だがこれで勝ったと思うなよ。俺様が消えても第二第三のコレステロールがお前を襲う。精々食事には気を付けることだな……がく」

 

 俺は捨てゼリフを吐いて倒れた。


「正義は勝つ!」

「桂ちゃん予定がちが――こほん、ああっと、遂にカレンが魔王メシタベスーギを倒したよ! ありがとうカレン、最高だよカレン、これでダイエットから解放されるよカレン!」


 急なアドリブについてこれるとは流石俺のバディ。

 ちょっとやけっぱちになってるのは仕方がない。


 握っていた小泉の属性ビー玉が無色透明になっていた。

 歪んでいた正義の信念が消えたのだろう。


 あと、どうでもいいがシナリオを変えた俺も悪いので、魔王の名前が変わっているのは不問にしよう。


 そんな事より、


「死ね女の敵」

「消滅しろなのだ、乙女の敵」

「灰になれし、少女の敵」

「ぎゃああああああ! ごめんなさいー!」


 ゲシゲシと必殺シュートが放たれても不思議じゃない衝撃がキグルミ内まで伝わってくる。

 蹴られるのは演技上致し方がないが、私情が入ってないか?

 しかも、関係ない香月も混ざっているのだが……。


 ――騒動後。


「こら! 君達はこの始末どうしてくれるんだ!? これだからお遊び気分の学生は!」


「「「ごめんなさい」」」


 俺達当事者達は謝った。

 ひたすら頭を下げた。

 当然ながら俺達全員主催者サイトと図書館にこっぴどく怒られた。

 勿論、俺と一条は当分の間出入り禁止。

 俺から歴史を取らないで欲しい。

 仕方がないので学校の図書室で我慢する事にした。



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