同時攻略
「ちょっと待て、話が違う。凛子は対象外って言ったじゃないか?」
「だから、状況が変わったと説明している」
驚きを隠せない。
凛子には光属性はないはずだ。
なのに何故発生した?
光属性は正義とか善の心とは違う。
人間が持ち合わしている自然の属性または性質の一つ。
だがら、光が潰えても良い奴が悪くなる事はない。
変化があっても多少性格に変動がある程度。一条は例外だが。
盲腸と例えたら理解が早いのだろうが、それじゃあファンタジー愛好家達の夢を壊すので、敢えてこの世界では必要とされてない力とだけ答える。
「魔王には三人を同時攻略をしてもらう」
「冗談だろ?」
「本気だ」
「無茶いうなや。そんなゲヘナプレイ、変態じゃないとやらねぇぞ」
ギャルゲーの全キャラ同時プレイみたいな事をリアルでやれるか。
ちなみにギャルゲーマーはハーレムルートが無くても、どうしてか同時攻略をやろうとする。
激むずの上、タイムオーバーでバットエンドが関の山なのだが、それでも挑むのは愛ゆえか矜持なのか本能が揺り動かされるのか、永遠のテーマではなかろうか。
「そうしないとならない理由があるのだよ。君の学舎で近々大きなイベントがあるな?」
「ああ、全校生徒による学生ボランティアなら該当するよ」
「これを逃したら、以降のイベントが予測しづらい」
「マジか?」
「悪いが勇者王が三人いる以上、選べるのは一択のみ」
たった1日で三人。
しかも相手はラスボスより強いエクストラダンジョンのモンスタークラス。
とても勝てる気がしなかった。
「新たに仲間になった一条サラサを活用すれば何とかなるのでは?」
「時間が足りない。前回はたまたま成功しただけで、このミッションは周到な準備をしないと成功しないぞ」
「私も新たなビジョンが浮かんだらつぶさに伝えよう。勇者王エドウインを復活させてはいけない」
「善処はする」
明言を避けたところで通信が途絶えた。
――覚醒すると、知らぬ間に俺を敷き布団代わりに使っていた可愛い愚弟。
今この瞬間の寝顔は俺だけの物だと頭に刻んだ。
「うぬゅう、兄ちゃん大好き~」
「……」
あどけない寝顔に自然と血圧急上昇。
ふと浮かんだイマジネーションで明日はオムレツにしようとスーパーの特売をチェックした。
体内から流れ出る液体を拭いたティッシュ。
それに付着したカラーで連想したのは誰にも言うまい。
美味しくなーれ、萌え萌えキュン。




