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チェイサー

 

 それに素直に謝れるとこれはこれで居た堪れなくなる。

 前世の職業柄、魔王をやっていたことから友達と思える奴が側にいたためしがない。


 それはそうだ勇者を出迎える為に魔王城の最深部で待機していたのだ、出会いは皆無。

 SMS無い世界だからほぼボッチ。

 対等に話せるとしたら、生きている人間で定期的に挑んできたので面識がある勇者王エドウインのみ。

 でも敵。

 なので友人がネズミか自ら製作したゴーレムとは実に泣ける話ではなかろうか。


 無論、それは今でも引き継いでいる桂勘太郎も同じ。

 友達作るのが下手くそなのは前世が深く関わっていたのかと、今なら理解できた。


「それと質問だ。仮に俺がイタズラしている愉快犯として、何でお前はその作戦内容を事前に知っている訳だよ」

「それは桂ちゃんを付けていたからさ。君は必ず情報収集してから事に望むタイプだからね。後は断片的に集めた情報収集を元に推測して、僕なりの理論展開した作戦を作っていたのさ」

「納得した」

「それは良かった」


 一条、会心のしたり顔。


 そういうことか。

 だったら魔王の名前を知っていても当然か。

 視線の正体は一条だった。


 嘘をついている訳じゃなさそうだ。

 でも、そうなるとこいつはかなりの天才と認めなければならない。

 予言者がチートならば一条は理論タイプだ。

 お前は名探偵か?


 あと、どうやったらこの無邪気なわらべに、追跡は立派な犯罪だと理解させるかだ。


「大丈夫だ。盗聴はしていないよ」

「それは良かった。クラスメイトを警察に突きだす愚行をしないで済みそうだ」

「ええー!?」

「冗談だ。美少女大歓迎」


 瞳が潤んだので即座にフォロー。

 ポケットティッシュもスタンバイしておいたが、そこまでは至らなかった。


「ふん、認める気になったか?」

「素晴らしい、一条女史よ正解だ。でも、諦めろ。俺はお前と組む気はない。こんな意味の無いことにお前の大事なアオハルの1ページを汚させる訳には行かない」


 ふざけた態度で誤魔化すも、当然、胸中穏やかではない。

 もう、誤魔化しきれない。

 嘘に嘘を塗り固めてもいずれはバレる。

 俺程度ではネゴシエーションが上手く行く訳がない。

 それでも情報を一部開示して、逃れる方法を模索する。


気に入った方は評価とか応援してくれると継続のモチベーションに繋がるのでありがたいです。(/≧◇≦\)

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