僕を仲間にしろ
「済まないが今日は予定があって忙しいんだ。悪いがもう行くぞ」
踵を返そうとする俺。
携帯を覗くと猫を助ける予言の時刻に近い。
こんな事に時間をとっている場合じゃない。
小泉が猫を助けてしまう。
「僕を参謀にしろ。立案した通りに事を進めれば、もっと効率的に確実に成功するんだぞ。桂ちゃんいや魔王ガンナム・レイドラーム」
「それがフェイズ2か?」
「そうだ」
「なんの事か分からないな。それにその名はやめろ。もう捨てた名だ。ガキの頃の創作だよ。俺は何もやっていない。全てお前の妄想だ」
巻き込みたくないから嘘を吐く。
全て否定する。
もし勇者王が復活していたら一条の命が危ないからだ。
俺はごっこ遊びじゃないと口に出したいが、喉辺りで止まった。
「嘘だ。桂ちゃんは嘘をついている」
「知らねぇ。もう、俺に関わるな」
「嫌だ。僕は関わる。いや、関わらなければならない」
それが使命だと言いたげだ。
気に食わないのか、些少赤みを帯びている頬が内側から膨張。
「一条よ、じゃ聞く。何故、俺がイタズラの首謀者だと断定する?」
「簡単な事だよ、ワトソン君。行動が人為的過ぎて幼稚過ぎる」
どちらかと言えばモリアーティ教授なのだがな。
「桂ちゃんは自分の存在をアピールしていて、隠す気がゼロなんだよ。犯罪したらその場で現行犯逮捕されるだろう」
「そこまで酷いのか?」
「衝動で人を殺してしまうタイプ。完全犯罪には向かないよね」
9回の裏2アウト、2ストライク。
ノーヒットノーランまで後1球。
しかし、焦って冷静を欠いたピッチャーが監督や相方を信じず、セオリー無視してその場の感情論や直感に頼る感じか?
「むしろ真犯人に良いように利用された挙げ句殺されてしまうパターンだよね」
「うっ」
巻き込まれ体質だから、あながち間違ってはいない。
「久保田・にゃん太郎救出阻止作戦の時もそう。僕の作戦通りにやらないで、どうして現場に姿を晒したんだい? 信頼している友達とか仲間に事情説明しないで手伝ってもらえって書いたあったでしょ。それでなくても桂ちゃんはネームバリューがマイナス的にメガ盛り何だから軽率な行動は控えるべきだよ」
「おいおい、それはお前がリア充だから可能なんだよ。信頼している友とか仲間なんて、人付き合いが下手なボッチには遂行は無理。難易度が高すぎる要求をするなや」
「あ……、すまんですたい」
なぜ博多弁?
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