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机の中のラブレター?


「それにしても、ばかつらはともかく、あんたも大人げないよね?」

「光秀様を粗末に扱うなんて私には無理よ」


 食べ終わった円谷は、平然と宣言しながら明智光秀の家紋、桔梗紋をプリントしてある箸をしまう。


 我が幼馴染みの明智狂いにも困ったものだが、このギャルもどさくさに紛れて佐々木小次郎と言ったのを忘れてはいない。

 

 香月 まどか。

 ギャルながら成績トップ10を維持している才女。

 古い名家のお嬢様なのだが反抗期真っ最中なのだとか。

 婆様が日本舞踊の人間国宝ならさもありなん。

 

 自身も躍りをやっているせいでスタイルが抜群。

 前世で良く挑んできた女戦士の様な、その挑戦的へそ出しは余程自信がないと無理だろう。


「戦国武将論争は面白かったぞ。凛子と桂ちゃんがデッドヒートしていたのだ」

「そんな事があったの? 羨ましいな」

「楓子は何が好きなのだ?」

「私は松永弾正。あのちょいワルがたまらない」


 ちょいワルの騒ぎじゃないだろ。


 小泉 楓子。


 三編みとメガネが良く似合う隣のクラスの委員長だ。

 こいつとはそりが合わない。

 原因は全て俺のせいなのだが、目の敵にされていた。


 大人しい性格と相反して、チチの自己主張が激しい。

 なので健全な男子の俺の視線が顔じゃなくて胸に行ってもおかしい事じゃないと思う。


 それはさておき、どうして一条が魔王ガンナム・レイドラームを知っている?

 今の人生があるのにワザワザ危険を犯してまで俺が名前を暴露する訳がない。

 もしや読心術の使い手か? 

 いやん、ポクの心が丸裸。

 これでは誰もいない教室で、全裸になって踊る願望が暴露されてしまうではないか。


 ――でも、待てよ。

 一回だけ口に出した覚えがある。

 親友にゃん太郎と一緒の時だ。

 それからだ、俺が視線を感じる様になったのは。


 壁に耳あり障子に目ありとはよく言ったものだ。

 良い得て妙のこのことわざに賞賛を送りたい。


「おい桂、今日お前が日直だぞ?」

「そうか。悪い」


 モブな男子クラスメイトが指差した方角には山積みのプリント。

 運ぶのは日直男子の仕事となってる。

 しかし、サイズがA4なので何気にひと労働であった。

 非常に嫌だがやらなきゃなるまい。

 急ぎメシをかっ食らい、空っぽになった弁当箱を机へとしまう。


 だが、「ん?」机に何か入っている?


 無造作に取り出す。

 ラブレターぽい見た目だが、俺は騙されない。

 またかと深く溜息をつく。


 最近、俺にはラブレターを貰うといった、全男子の憧れを経験している。

 でも、ファンシーなみてくれは張りぼてで中身は別物。

 計画書及び作戦の反省点とかだった。

気に入った方は評価とか応援してくれるとモチベーションになるのでありがたいです。

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