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何でお前らがいる?


「久保田君、学園周りの清掃頼みたいんだけど?」

「今日は用事があって無理です」

「そう残念ね」

「わかってくれた?」

「うん。制裁受ける覚悟があるんだよね? 首絞められたいor新技の実験どっち?」

「イエス、マム! 今日中に作業終了いたします!」

「宜しくね」


 すっかり凛子に逆らえなくなった村重は奴隷のようにこき使われている。

 その根本的な原因となった事件、俺の部屋から凛子の部屋を覗こうとした許しがたい行為がまだ尾を引いていた。

 俺まで巻き込まれたので同情はしない。


「――というか、違和感無かったが何でお前らがここにいるんだ?」

「私達もサラサに呼ばれたんだよ」


 今更何言っているのって感じで、「はい、勘太郎」凛子は俺に水筒に入ったお茶を渡してくる。

 最近また名前で呼び合うようになった。

 ただ、仲が進展したというよりは関係が修復したと表現した方が的を得ているだろう。

 そんな幼馴染みのお昼は例のドカおにぎり。

 バスケットボール並みの大きさを豪快に食べていた。


「村重、どさくさに俺の玉子焼き食べるんじゃねぇ」

「勘ちゃんの母君の玉子焼きうまいんだよ」


 村重はパン二個。

 だが、育ち盛りに足りるわけもなく、我が生命線に攻撃を仕掛けてくる。


「馬鹿か、母ちゃんはコンビ弁当移し変えただけだ。救いなのは海苔弁ってだけよ」

「相変わらず、同じ息子でも可愛がっているのはハルちゃんだけか」

「同情しろ」


 村重め、馴れ馴れしくハルちゃんなんて呼ぶな。

 遙斗と貴様とではポテンシャルがビットとテラに例えると説明がつくぐらい掛け離れているんだ。

 言わずとも知れているが俺の信頼も。


 そうこう雑談しながら直射日光を浴びて植物の気持ちを味わっていると、「お待たせなのだぁ!」レモンシュカッシュの甘酸っぱいボイスと共に屋上のドアが弾くように勢い良く開いた。


「サラっち、オツー!」

「サラサさんご苦労様」

「ふはは、お疲れ様だぞ!」

「サラサ当番お疲れ様。早く座りなさい」


 俺達が座っている大きめのシートへ一条は豪快に座る。

 凛子が用意したからセンスがズレている和柄なのは言うまでもないが、明智光秀の名言集なのはコアだ。

 敵は本能寺にありしか知らないがな。

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