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早乙女の意地


『久保田君、私の話聞いてくれているの?』

『ああ、勿論さ。早乙女さん』

『ならいいのだけど。夢中になるのは構わないけど、私といてもつまらないのかなぁって』

『そんな事はないよ』


 早乙女は笑みを浮かべているが、作り笑いと分かる程に目が笑ってなかった。

 確かに無視されていたら、一緒に来ている意味がない。

 この男は一応デートだと言うことを認識しているのだろうか。


「桂ちゃんもエロだよね」

「唐突に何を言い出す。俺の役目は監視だ」


 俺達はバレないように隣でカタヌキしながら見張っていた。


「なら何で身を乗り出しているのだ? 別に隣の屋台から凝視してまで監視する必要性はない」

「一条、男なら乳に反応するのは生きている証拠。生物である以上仕方ない事なのだよ」


 一条、お前も強く生きろよ。


「なら、僕の胸元を凝視して憐れむのは止めて欲しいのだけど………………」

「はははっ、気のせい、肥大妄想だ」

「むぅ、信じなれないのだ」


 一条はナイチチを隠すように腕で覆う。

 何故、バレた?

 女の勘は恐ろしい。


 計画の前倒ししたかいもあって、香月の破壊力に久保田の心は鷲掴みと言っても大袈裟ではない。


 しかしながら、男とはなんて身勝手な生き物なのだろうか。

 女には一途を求める癖に、当の本人は好色家が圧倒的多数である。

 英雄色を好むというがそれは誤情報だ。

 男は皆ケダモノまたは狼と言っていい。

 なので、久保田が早乙女をないがしろにしてチラチラ香月のエロボディを堪能しているのも納得出来る。

 

 一条の作戦が功を奏したのだ。

 もしかすると、これで決まるか?

 俺は万が一に備え『ぐりもあーる』を開き書き換わる瞬間を待つ。


 だが、未だにデートが失敗する気配がなかった。

 早乙女はまだ諦めてはいないに他ならない。


『久保田君!』

『………………………………』

『久保田君!』

『ああ…………………』


 だが、頑張りも空しく相方はうわのそら。

 仕掛けておいてなんだが、久保田よお前最低だ。

 今でも好感度メーターが底をついているが、更に-1000追加で振り切った感じだ。

 諦めていない早乙女がここから起死回生の策をどうやって執り行うのか興味がある。


 久保田へうなじを見せつける。

 だが、地味子よ、色仕掛けは分が悪いからお勧めしないぞ。

 痛々しくて見ていられない。


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