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廻る乖離転生  作者: 朔
第七章 西聖国の危機編
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第九十五話 西聖国vsユミ達

一方ホムラとカエデとオイトさんは真ん中の男と戦っていた。

ホムラとカエデの連続的な交代攻撃に加えオイトの変則的な斬撃に男は圧されていた。


「オラァオラァそんなもんかぁぁぁぁ!」

「そんなんじゃ兄さんの足元にも及ばないわぁぁぁ!」


代わる代わる重い一撃を繰り出してくるこの二人のコンビニ男は圧されつつも冷静に己の剣でガードする。

だが攻撃を防ぐたびに後ろへ後ろへと下がっていってしまう。

そこにオイトの長年鍛えられた技が繰り出される。


「はあぁぁぁ!」


男は突然繰り出されたオイトの鋭い剣劇に能力強化であげたスピードで高速に剣を振ることによってなんとか全て弾き返した。

が、またすぐ後ろからはホムラとカエデによる連続攻撃が来ていた。


「もらったぁぁぁぁ!!」


ホムラが雄叫びと共に振り下ろした金砕棒は男の骨を砕き、肉をえぐる。

筈だった。

だが実際は違った。

男は先程よりも遥かに速く動くとホムラの攻撃を避けそして――

もう片方の手にもう一本の剣を出現させるとその二本でホムラの体を切り刻んだ。



一方ソレイとソウは右から二番目の男と戦っていた。

ソレイとソウは男の周りを回り攻撃のタイミングをうかがっていた。


「どうした? 来ないのか? じゃあ此方から行くよ?」


男は自分の周りを回るソレイへと斬りかかった。

そしてソウはその男の背後を狙い噛みにかかった。

そんなソウの様子を尻目に見た男はニヤリと笑いソレイの間合いへと入ろうかという瞬間背後を刀で斬りつけるソレイの前の空間も斬りつけた。

ソレイは冷静に判断し男の攻撃が自分に届かないと判断すると動かず男が刀を振り終えるのを待ち男へと飛びかかった。

だが男のにやけた笑みは変わっていなかった。

ソウとソレイが男へと飛びかかった瞬間――

二人は男との間の空間に斬りつけられた。



一方ヒトミとシズクは左端の男と戦っていた。

ヒトミとシズクは魔法による遠距離攻撃を行い男を近寄らせなかった。


「<十斬死>と言っても敵に近寄れないならば意味はない感じですね」

「チッ」


男はひたすら駆け回り二人の攻撃を避けることにのみ集中していた。


「無駄にすばしっこい・・・・・姉様、ここはリユイ様から頂いた力で一気に片付けちゃった方がいいかもなの」

「そんな感じね。いくわよ、シズク。<魔素濃度調整>!」

「はい、姉様。 <付近魔素伝導>、氷の矢!」


<魔素濃度調整>は付近の魔素の濃度を好きにいじれるスキル、<付近魔素伝導>は付近の魔素に自分の魔法の効果を伝導させ自分が放った以上の効果を放つことが出来るスキルである。

リユイが名付けを行った時に獲得したスキルだった。

ヒトミが<魔素濃度調整>をしたことによりシズクの周りの魔素の濃度が濃くし、そしてシズクはその濃くなった魔素の全域に<付近魔素伝導>を発動させた魔法を放ったことでシズクの周りに大量の魔方陣が描かれそこからまた更に大量の氷の矢(水魔法上位遠距離攻撃)が出てきた。

そしてその大量の氷の矢は男へと一瞬にして刺さった。


「ぐがあぁぁぁぁぁぁ」


体に突き刺さった大量の氷の矢に男は苦しみもがいた。

だが、死ななかった。


「嘘、なんで・・・・・死ぬ感じの攻撃だったのに・・・・・」

「化け物かもなの?」

「フハ、フハハハハ」


そして男は痛みに耐えながら己に刺さった氷の矢を引き抜いていくと立ち上がった。


「教えてやろうか。わいの<十斬死>、は確かに十回斬りつけたら確実に殺せるちゅうやつやが・・・・・逆に十回斬りつけられへんやったら死なんっちゅう効果もあるんや。残念やったなあ」

「な、そんな!」

「初耳かもなの」



一方ゴブンとブーたんとサラは右端の女と戦っていた。


「瞬間移動と言うのはやっかいでヤンスな」


ゴブンは出現させることに成功した己の心映武器である盾を幾つか体に引っかけ鎧のようにしていた。

それゆえに不意討ちの背後に転移して斬りつけてくる攻撃を、体をうまく傾けることで防いでいた。


「ふんっ」


そこにブーたんがすかさず槍で突きを加える。


「ふ」


女はすぐさまスキルで転移し距離を取る。


「あの、サラ様。援護を」


ブーたんは申し訳なさそうにボーッとしているサラに声をかける。


「あっ、す、すみません」


ハッとしたサラは魔法剣を構え直し三属性の魔法攻撃を行い、女を追い詰めていく。

だが女はその全ての魔法を転移で全て避けていった。

またしてもボーッとしてしまっていたサラは何も考えずひたすらに女へと魔法を放っていた。

それゆえにブーたんの行動スペースにまで影響がでると考えていなかったのだ。

そして瞬間――

ブーたんの頭上へと来た女は転移し、そのままブーたんの頭を剣で貫こうとした。

ブーたんは当然回避行動をしようとしたが出来なかった。

そのまま回避行動すればサラの魔法に当たってしまう。

魔王の子供という事もあってそもそもの魔法の錬成度が高い。

それに加え毎日鍛えたサラの魔法は強力だ。

触れたらその部位が消えてしまうだろう。

それ故に避けられなかった。


「クウッ」


ブーたんはなんとか頭に剣が突き刺さるのを避けようとして首をかしげた。

そのかいあって頭には剣は刺さらなかったが肩へと剣は深々と刺さった。



「ダメ、全然効いてない感じ・・・・・」

「姉様、私達では無理かもなの」

ヒトミとシズクは着々と近寄ってくる男に効かないながらも魔法を撃ち込みなんとか逃げていた。

「姉様、このままだと魔力が切れてしまうかもなの」

「どうし――キャア」


そして――


「鬼ごっこは終わりや」


転んでしまった二人へと男は大剣を振り上げた。


「つまり、十回斬りつければいいんだな?」

「え?」


その声の直後男の体は十回以上の斬撃が斬りつけられた。

驚く男はその驚愕の顔を固めたまま己のスキルに殺された。

男が倒れその男を斬りつけた者の姿がヒトミ達に姿を表す。


「「アレン様!」」


そこには左手がある、清々しい笑みを浮かべたアレンがいた。


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