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廻る乖離転生  作者: 朔
第七章 西聖国の危機編
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第九十四話 西聖国からの侵略

始まりはユミがスピーチしたあの日から数か月後。

いまだにリユイは見つからずにいた。

そしてアレンもまだ帰ってきていなかった。

ゴブンは回復して既に自分の仕事をこなしている。

ユミはなんとか一人で色々な所へ指示をだし魔導砲の手配、城の周りの水堀と国の周りの柵、心映武器による適材適所の審査方法、北と南での港開発とそこに逃げられる地下避難トンネルを作り上げた。

一気に発達した国に国民の士気は上がり国はまさに活気づいていた。

そんな中思いがけない報告がユミの元へときたのだった。


「武装した西聖国の者が森に侵入した感じです。どうしますか?」


ヒトミからの報告にユミは動揺する。


「なんで西聖国が・・・・・?」

「分かりません。ですがあの国は聖国のなかでも一番宗教的活動が盛んな感じですから恐らく魔人退治を兼ねた領土の拡大といった感じですね」

「・・・・・話し合いは無理そうかな?」

「信仰者相手に話し合いは難しい感じです。奴等は視界に入った魔物は全て殺しにかかりますから」

「そう・・・・・敵の人数は?」

「それがたったの五人のような感じなんですよ!」

「五人?」


少なすぎる敵の数にユミは不審に思った。

十万を越える人数がいるこの国にたったの五人で攻めてくるというのは無謀すぎる。

だがこの世界では数よりも質が勝つ世界。

その五人は相当強いとユミは思った。


「分かった。じゃあシズク、ホムラ、カエデ、ブーたん、ゴブン、チビドラ、オイトさん、ソレイ、ソウを呼んできて。あ、あとサラちゃんも」

「え、サラ様もですか?」

「当たり前じゃない、サラちゃんはこの国の守護者ガーディアンよ」

「ですが・・・・・いや、そうですね、了解した感じです」


ヒトミはサラの現状を考えるとあまりこの戦いにはサラは出さない方がと考えるがユミがあえてこの戦いにサラを出させようとしている所にユミには何かしらの考えがあるのだと思い承諾した。


「それともう一つ」

「はい?」


ユミの真剣そうな表情にヒトミは首を傾げた。



一時間後、ユミ達は西聖国の者達と対峙していた。


「何故この国に来たのですか?」


ユミは感情を押し殺した落ち着いた声でそう侵略者達へ言った。

既に西聖国の者達の足元には瀕死の兵士が何人かいた。


「殺せって命令されたんでな。俺達はそれに従っているだけだ」

「そう・・・・・それはつまり宣戦布告ということでいいのね?」

「まあそうなるな」


西聖国の者達は一斉に各々の心映武器を出現させるとユミ達に構えた。


「そう・・・・・残念だわ」


ユミ達もまた同じように各々の心映武器を出現し、構えた。


「オイトさん、あの者達のスキルを鑑定できる?」

「はい、お任せください・・・・・分かりました。

左端の男は十斬死と言う十回斬りつけることで相手を確実に殺せるスキル、

左から二番目の女は空中浮遊というその名の通り空を自由に舞えるスキル、

真ん中の男は能力強化という己のステータスを限界まで引き上げるスキル、

右から二番目の男は残留攻撃と言う放っておいた攻撃を好きなタイミングで開放できるスキル、

右端の女は無条件短距離転移という好きな場所に何の条件もなく短距離転移出来るスキルですね」

「分かりました、ありがとう。

ヒトミとシズクは左端の男、

チビドラと私は左から二番目の女、

ホムラとカエデとオイトさんは真ん中の男、

ソレイとソウは右から二番目の男、

ゴブンとブーたんとサラは右端の女をそれぞれ相手して!」

「「了解!」」


こうして防衛戦が開始された。



最初に動き出したのはサラとチビドラだった。

一直線に二番目の女へと突っ込んでいき各々の心映武器で攻撃した。

女はその突進を、スキルを使い瞬時に飛ぶことで避けた。

サラはすぐに背中に翼を生やし空へと飛んでいった。

チビドラも背中の翼を広げ空へと飛んだ。

女は己の心映武器である巨大な鎌を一振りし、サラ達が近づくことを拒むと鎌に風魔法のようだが、それとは少し違うエネルギーを纏わせた。

ユミとチビドラは一旦回避行動として女の間合いから飛ぶ軌道を逸らす。

そして今度はユミは前から、チビドラは後ろからと言った挟み撃ちを行った。

女は鎌でユミを、魔法でチビドラを攻撃する。

ユミは普通の武器ならば自分の皮膚に攻撃を通さないと思っていたため回避も受け流しも防御もせずに女を斬りつけようと鉤爪を振った。

チビドラは槍を高速回転させることで生じる風で風魔法を相殺させると女へと槍を突き刺した。

が、女はユミを斬りつけ傷を負わせると身をよじりチビドラの槍を避け掴み地面へと投げつけた。

ユミは思わぬ負傷に驚き傷口を押さえ、チビドラは地面へと叩きつけられた。


「なん・・・・・で?」


ユミは自分の体からでる血を見つめながら呟いた。

チビドラは朦朧としながらもなんとか立ち上がり女を見上げた。


「ユミ様・・・・・こうなったらリユイ様から頂いた力で」


チビドラはありったけの力を槍に集中させると全身の筋肉を強ばらせ地を蹴り女が浮遊する場所へと飛びかかった。


「<龍突>!」


それはリユイが名付けを行った時にチビドラが獲得したスキルだった。

女は一瞬にして目の前に現れたチビドラの槍を鎌で受け止めた。

そう、受け止められたのだ。

必ず貫通する筈の攻撃を受けためたのだ。


「なんで!」


チビドラが驚きのあまり声をあげた次の瞬間、女はチビドラの槍を弾きチビドラの胴体を鎌で斬りつけた。

チビドラの腹から大量の血が吹き散る。

そしてチビドラは力なく地面へと墜ちていった。


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