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廻る乖離転生  作者: 朔
二章 リユイ暗殺始動編
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第八話 警備団長リバース

サラさんとの買い物デートの次の日。

午前中にやるべきことが終わったのでオイトさんに昨日のことを話してみることにした。

書斎の扉を二回ノックしなかに入るように言われる。

ドアを開き中へと入る。


「オイトさん、今ちょっといいですか?」

「いいけど・・・どうかしました?」


オイトさんは読んでいた本をおき僕を見る。


「昨日町で聞いたのですが、どうやら前僕が捕まえた盗賊達が逃げてしまったという事でまた僕が捕まえにいこうかと思いまして」

「なるほど、分かりました。それはあまり危険がないですか?」

「大丈夫だと思いますけど」

「ならサラも連れていってください」


うん?

何故サラさんを連れていくんだ?


「サラはきっとあなたの役に立つと思いますよ」

「分かりました。ではいってきます」


会釈をして外へと出る。

下の階へ行きキッチンへ入る。

先ほど使った食器を洗っているサラさんがいた。

まだ僕に気づいていない。


「サラさん」

「え?おっと。ああ、リユイさん。どうかしましたか」


危うく落としかけた皿を瞬間的にキャッチするサラさんを見てこれ以上頼もしい仲間はいないなと確信しました。


「この前聞いた脱走した盗賊達を捕まえに行こうと思いオイトさんに聞いたところ、サラさんをつれて行くよう言われたので・・・今いいですか?」

「じゃあ食器を洗い終わったら行きましょうか」


そう言い物凄いスピードで食器洗いを始めるサラさん。

さて、僕はどうしようか。

あっ、そうだ。

例の指輪でも持ってくか。



指輪を取りに行っている間にサラさんは食器洗いを終わらせており何かを研いでいた。

僕に気づくとすぐに研いでいたものをポケットへ入れた。

何だろうあれ。


「サラさん、行きましょうか」

「そうですね、行きましょうか」



とりあえず町に来た。


「盗賊達は何処にいるのでしょうか?」

「警備していた兵に聞いてみようと思います」


僕はそう言うと近くの警備兵に近づいた。


「あのー」

「ああ?誰だネエチャン?」

「亜人のリユイさんです」

「亜人って・・・え、じゃああなたがあの亜人様ですか!」


亜人様?

何で様?


「先ほどのご無礼お許しください。ささ、どうぞこちらへ」


僕達はそう言われると警察署みたいなところへ連れていかれた。

個室に案内され机越しに向かい合わせに並べられたソファーの右側の方に座る。

サラさんは何故か立ったままだ。


「座らないの?」

「座っていいのですか?」

「いいんじゃないですかね」

「では座ります」


何か昨日のあの出来事からサラさんとの壁を感じるのは気のせいかしら。

しばらくすると、といっても1分ぐらいだが警備兵長らしき人が部屋に入ってきて反対側のソファーに座った。


「亜人のリユイ様ですね。初めまして、警備団長のリバースです」


リバースさんですか。

吐かないでくださいよ。

手を出されたので仕方なく握手をする。


「はい 。私が亜人のリユイさんです」

「盗賊の件は誠に有り難う御座いました。それに警備をしていた者が武器を向けたというのに許していただき誠に有り難う御座いました。では本題に入りましょう」


そう言い終わると足を組んだ。

切り替え速い。


「とても言いづらいのですが・・・・・」

「捕まえていた盗賊達が逃げたのでしょう」

「そうです!ですのでよろしければまた捕まえていただけたらと・・・・・」


その言葉を聞いた瞬間、サラさんが口を開いた。


「もちろんなんの報酬も無しにとは言いませんよね」


そしていつもとは少し違う笑みを浮かべる。


「も、もちろん!」


リバースさんは物凄いスピードで懐からお金の入った袋を出した。

いや、ちょっと待て。

あんたその量のコイン何処にしまってた。


「自分達に出来ない仕事を押し付けてそれだけですか?」


サラさん怖いです。

リバースさんは急いでまた懐から

金入り袋を出す。

おい、さっきからあんたどこから出してんだよ。


「それだけですか?」

「さ、さすがにこれで勘弁してくれ!」

「そうですか。ではこれは私が持っておきますね、リユイさん」

「え、あ、ああ。うん。」


サラさんは二つの袋をポケットに入れた。

いや、だからあんたら何処にいれてんの。

まあいい、そんな物より情報がほしいな。


「脱走した盗賊達の場所は理解していますか?」

「いえ。ですが恐らくいるだろう場所は絞れてきています」

「何処ですか」

「それが・・・オイトさんの牧場の近くの森なのですよ」

「え!」


サラさんが立ち上がった。

僕も思わず中腰になってしまった。


「それもかなり近くです」

「分かりました。ではすぐに逃がしてしまった兵に話を聞かせてください」

「はい。入ってきなさい!」


その言葉を合図に一人の警備兵が部屋に入ってきた。

そしてリバースさんの隣まで行くと立ち止まり冷や汗を流しながらシャキンと姿勢を正した。


「リユイ様、誠に申し訳ございませんでした!」


そう言いながら深々と頭を下げる警備兵。


「終わったことをどうこう言っても解決しません。なので今回はこれでよしとしましょう。それよりも逃げられた時の状況を詳しく教えてください」

「はい。では実際に現場に来ていただいた方が言いかと思いますので私についてきてください」


そう言いリバースさんと警備兵は外へとでる。

僕とサラさんも警備兵に続き、地下へと行った。


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