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廻る乖離転生  作者: 朔
第六章 第一次魔王討伐編
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第七十九話 ㇽシファーとの戦い

「よく一回負けた相手にそんな事を言えるな」

「あの時は魔法を使わないように言われていたからね。でも、今日は違うよ」


 そう言い終えるとルシファーは片手をあげリユイにかかげる。

周囲魔素が急激に薄くなっていき、そしてリユイには見えない究極闇魔法が即、放たれる。

見えないリユイには到底魔法の位置がわからない。

そう、わからない筈なのだが感覚的に避けていっている。

クロードに鍛えられあげたお陰で目を瞑っていても戦えるようになったリユイには既に不可視の魔法など大したものではなくなっていたのだ。

リユイは一切スピードを落とすことなくリユイへと迫っていく。

ルシファーは焦り両手を広げ放つ魔法の数を増やすがリユイには一切関係ない事だった。

その距離僅か数mとなった時、リユイの足は止まった。

何故か?

あらゆる壁の一部が独りでに壊れ動きだし大きな破片となり、リユイへと迫ってきたからである。

全方向から迫る壁の破片にリユイは止まることは余儀なくされ止まると次々と様々に己へと迫る壁の破片を両手に大剣を持ち砕いていった。

だがそうしている間にもルシファーの魔法は迫っていた。

あらかた壁の破片を砕ききったリユイは直後突然感じた魔法に驚く。

けれどもクロードの奇襲に比べればそんなものは大したことはなかった。

冷静に状況を理解し、ルシファーの手の角度から放たれる魔法の進む経路を推測、そして気で魔法のスピードを感じとり恐らく今いるだろう魔法の位置を予測するとそこをリユイは大剣で斬りつけた。

リユイの読みは正しく放たれ魔法は全て相殺され魔素へと戻っていった。

直後、ルシファーはリユイへと右掌から出る短剣で斬りかかった。

リユイは軽く弾き返す。

だがルシファーは負けじと弾かれた勢いを使い回転するとまた斬りかかってくる。

そしてまたもやリユイはそれを弾き返した。

それを数回連続で行うとルシファーは弾かれた後左の手を前へと突き出した。

そう、近距離魔法発射だ。

この撃ち合いの最中ルシファーは先程までの速攻究極魔法ではなく詠唱に時間がかかる高威力究極魔法を唱えていたのだ。

だがリユイは動じなかった。

魔法が放たれるのは手が必要なのだ。

それすなわち手さえ無くなってしまえば魔法は放てない。

そしてそれをリユイ理解していた。

リユイはルシファーの左腕を大剣から刀に変えた心映武器で切り落とした。

ルシファーの左腕は遥か上空へと飛ばされそして、落ちていった。

落ちていったのだ。

それに気がついた時、リユイもまた空へ落ちていく。

突然の不可解な現象にリユイはとっさの行動を起こせず不様にも落ちていった。

何故かスキルは発動せずリユイは必死にもがくもルシファーとは逆にかかった重力には逆らえなかった。

そして先程までの合ったはずの天井は既になくなっており今度は真っ暗な暗闇が真ん中へと吸い込まれるようにそこに合った。

リユイはそのままその暗闇へと落ちていった。




 気がつくとかつて見た部屋にリユイはいた。

ミシェルさんが作り出した精神世界の時に見た赤い部屋だ。

振り替えるとそこにはやっぱり扉があり、でもそれは最初の扉ではなく肉片がついた扉だった。

恐る恐るその扉のドアノブにリユイは触れ、そして捻った。

肉のベットリとした感触にリユイ今回はなんとも思っていなかった。

リユイは扉を開き中へと入っていく。

その部屋にリユイは足を一歩踏み出すと一瞬にして空気が変わったことを感じる。

部屋の中へと歩いていくとやはりそこには鎖に繋がれた二人目がいた。

だが様子が違った。

起きていたのだ。


「フハハハハハアハハハッハハハハハハハッハハハハッハハア」


 そしてルシファーをひたすらに殴り付けて笑っていたいた。

あまりに予想外の出来事に流石のリユイも動揺する。


「おい、何をやっているんだ」


 リユイに言葉に二人目はルシファーを殴るのを止めるとゆっくりと振り返り、そして立ち上がった。

ルシファーは体をピクピクさせ痙攣している。

そして首を少し傾けリユイを見つめる。


「フフフ。君がリユイか? やっと会えたね。ハハハハ」

「お前が二人目か。狂っているって言ってたがその通りのようだな」

「フハハハッハ・・・・・君に言われたくはないかな」


 二人目は少し笑った後突然真面目な顔になりそう呟いた。

リユイはその言葉に理解できず戸惑う。


「どういう――」

「もうすぐ、もうすぐだよ。フハッ、フハハッハハハハハッハ」


 狂ったように笑う二人目のいう言葉にリユイは圧倒されそれ以上喋ることは出来なかった。


「『僕』君」


リユイが振り返ると『俺』がいた。

いつもと雰囲気が違い『俺』はリユイに対して優しそうな表情だ。


「おい、二人目が暴れているがいいのか?」

「ルシファーをやっつけてくれているからいいんじゃない? それに鎖に繋いでいるからあれ以上動けないし・・・・・『僕』君」

「なに?」

「変わったね、君。怒りに身を任せすぎだよ」


 少し怒ったように『俺』はリユイを注意する。

リユイは何も言わずただ黙っていた。


「気をつけて」


 少し『俺』はリユイを睨み付けると未だに笑っている二人目に向かっていった。

それと同時に空間は歪んでいきそしてリユイの意識は沈んでいった。




意識が戻ってくるとリユイは双子の死体の前にいた。

そう、あの首を誰かに触られたような感覚を感じてからずっとルシファーが作り上げた精神世界にいたのだ。

そして目の前ではルシファーが放心状態で倒れていた。


「ハ、ハ、ハ」


散々辛い目にあったせいかルシファーは疲れはてていた。


「自業自得だ。大人しく死んでくれ」


 リユイゆっくりとルシファーへ一瞬で近づき心臓へと刀を突き刺そうとした。

だがルシファーは諦めず、少し体を捻り心臓を突き刺されるのは防いだ。

だが確かに体には刀が突き刺ささっておりルシファーの体力をしっかりと削る。

何とか体から刀を引き抜きルシファーは背後へとバックステップし、リユイから距離を離すと手下の悪魔を呼んだ。

そしてあろうことかその仲間を殺したのである。

リユイはその様子に呆気にとられ思わずその場で立ち止まってしまう。

リユイには理解できなかった。

自分の仲間を殺してしまうなど。

何故そんな事をしたのか?

それは世界説明が教えてくれた。


《スキルをコピーしました。スキル名<吸収>。効果は殺した者の魔力と体力を吸収し、また吸収した分絶対値を増やすことができるスキルです》

(なるほど。だから奴は回復したのか。だが仲間を殺すなんて・・・・・最低だな)

《・・・・・マスター。目視模倣と合成することで殺した者のスキルをコピーできるようになります》

(・・・・・合成しておいてくれ)

《了解。合成完了、スキル〈鑑定模倣吸収〉を獲得しました》


 世界説明との話を終えたリユイ回復し終えたルシファーを見る。

ルシファーは息をきらせながらリユイを睨み体勢を構える。

先程の戦闘で失ったはずの左腕は精神世界での話だったので今はしっかりとあった。

そして両腕を掲げ魔法を放ってくる。

だが既に精神的に疲れきっていたルシファーの魔法は最初の魔法よりも劣化していた。

リユイはそんな魔法など簡単に斬撃で相殺していきそして掲げた両手を斬り飛ばす。

そして足でルシファーの膝を蹴りとばし跪かせそして――

刀で首を突き刺した。

こうしてルシファーは絶命した。


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