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廻る乖離転生  作者: 朔
第六章 第一次魔王討伐編
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第七十八話 双子の悪魔との戦い


 数時間後。

リユイは魔王カゲインの城の前に立ち尽くしていた。

リユイの周りには大勢の悪魔の死体が転がっていた。

リユイの持つ刀にはべったりと血がこべりついておりポツリポツリと滴っている。

リユイは顔を上げ、魔王城を見上げる。

乱れた髪の毛がリユイの視界を邪魔するが本人は全く気にしていない様子だった。

そこにまだ生き残っていた悪魔が腕を伸ばし足首を掴んだ。

瞬間、悪魔の手は刀で地面に突き刺される。


「グガァア」


苦痛にうめき声が漏れるがリユイは容赦なく刀で手から腕まで切り裂いていく。


「アガァアアア」


 切り裂かれていく腕に痛みを覚えた悪魔は更に苦痛で叫ぶ。

開かれた悪魔の腕からは血が噴き出した。

だがその血もすぐに雨に洗われ流されていく。


「死にぞこないが」


 その言葉を合図にリユイは刀を悪魔の腕から引き抜き振り上げると、悪魔の首を落とした。

ゴトンと鈍い音で首は地面に落ち少し転がる。

するとその頭はリユイの足元まで転がってきた。

リユイは迷わずその頭を踏みつぶし、そして城を見上げた。

かと思うと上体をかがめ足を踏み込む、直後リユイは駆け出すと天高く飛んだ。

そして城の壁へと着地すると重力に逆らうように上へと走り出した。

そして城の一番上までくると刀を大剣へと変えそこの壁を一秒の間に数回斬りつける。

壁はたちまち派手な音を立て壊れ、吹き飛んだ。

そこからリユイは城の中へと入る。

そこは魔王の間だった。

リユイは真っすぐ前を見て魔王を探す。

だがそこには魔王ではなく、民を殺したと言う双子がいた。


「まさか当日乗り込んでくるとは思わなかったね、バツ」

「この人怒り過ぎよね、ツミ姉」


二人はケラケラ笑い指の間から出る短剣の心映武器をカチカチと鳴らす。

だだっ広い空間にただその音だけが響いていた。


「それにしてもあの魔人達の苦しみ方は滑稽だったわね、バツ」

「そうね、助けて助けて~逃げろ逃げろ~と言っている割には腰を抜かして逃げないんだもの。面白すぎてついつい殺しすぎちゃったわ。ね、ツミ姉」


 その言葉を聞いた瞬間、バツの顔が胴から離れ飛んでいった。

残された身体は首から血が大量に吹きさだすとひとりでに膝をつき倒れた。


「え、バツ?」


 隣で起きたことを数秒かけてやっと理解したツミは驚きのあまりその場に立ち尽くした。

が、己に身の危険を感じバク転すると、先ほどまで首があったところにリユイは刀を振っていた。

否、振り終えていた。

そのことを理解したときツミの首から血が垂れ始めた。

皮一枚と言った所だった。

動きの全てが見えなかった。

勝てるはずがない。

そう分かっていてもツミは戦うしかなかった。

ツミは短剣を振りリユイの足を狙い切り裂こうとした。

足を痛めれば少しはスピードが落ちるだろうと考えたのだ。

だが短剣はリユイの足に刺さることなく素手で止められた。

かと思うと短剣はリユイの握力により派手な音を立て砕かれた。

直後、胸に刀が刺さっていることにツミは気付いた。


「え?」


 ツミはその言葉を最後に絶命した。

リユイは目の前の悪魔の双子があっけなく死んだこざいざいかとに動揺を隠せずにいた。


(え・・・・・民はこんなにも弱い雑魚に殺された?)


その事実に気付き更に自分の愚かさを知らしめられる。

自分があの場に居れば絶対に民を一人も傷つけられることが無くあの双子を殺すことができた。

それ故にあの場に居なかったことの罪悪感は大きかった。

まだ、もう少し双子が強く苦戦すればまだ間に合わなかった自分を許せただろう。

だが違った。

あの場に間に合っていれば絶対に救うことができたのだ。

リユイは更に自分の愚かさにいらついた。

だがそんな事をだらだら考えていても魔王は死なない。

リユイは辺りを見回し魔王を探した。

直後、首筋を誰かに触られたような気がし振りかる。

だがそこには誰もいなかった。

そしてまた前へと歩みだした瞬間、天井が崩れ始めた。

落ちてくる瓦礫を大剣で砕く、が流石に全ては砕き続ける訳にはいかない。

大剣を刀に変えると体勢を低くする。

そして大きな天井の破片に飛び乗る。

そして次々と大きな破片に飛び乗って上を目指す。

時々邪魔な中途半端な破片を刀で砕く。

常人には到底行えない行為を繰り返しリユイは上へ上へと飛んで行った。

が瓦礫の量が突如多くなったかと思うと部屋が中央へと集まるように歪んでいく。

リユイはそれに抗えずその歪みの本へと引きずり込まれていった。




 目を覚ますとそこは石の廊下にリユイは寝ていた。

辺りを見回しながら起き上がり事態を確認する。

違和感を覚えたリユイは低い天井を静かに見つめ、そしてハンマーを出し叩き壊した。

そしてそこへと入っる。

するとそこは見覚えのある真っ白な部屋だった。

入った瞬間壊れした箇所が瞬く間に逆再生のように戻っていった。

リユイは部屋の中央に佇む者を静かに見つめた。


「久し振り」


 その者はそう言うと掌から短剣を出した。


「ルシファー」


 怒りのこもった声でリユイはそう呟くとハンマーを掴むてに力入った。


「お怒りのようだね。もしかしてあの事分かっちゃった?」

「あの事?」

「うん。ほらエマを操っていたこと・・・・・ってもしかして知らなかった? いや~あの女の子、とっても良かったよ。スッゴク操りやすかった。操るとき辞めて辞めてって動けないくせに必死に逃げようと頑張っちゃって。とっても面白かったな~ゴブリンどもを殺していた時も、もうやめてくださいって泣き叫んで体を必死に取り戻そうとする姿。一瞬取られかけた時はびっくりしたけど・・・・・あれはあれで面白い」


 ルシファーはニヤリと笑いリユイを面白そうに見つめる。


「君も、俺を楽しませてくれるかい?」


 こうしてルシファーとの戦いが始まった。


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