第六十五話 邪魔者
「ハアハアハア」
目を覚ますと僕は寝かされておりユミが覗き込んでいた。
「大丈夫?」
ユミの心配そうな顔を確認でき思わず安心してしまう。
僕は身を起こすと座っているミシェルに詰め寄る。
「今のはなんだ?」
「り、リユイ? 今のって・・・・・まだ私達入ってきたばかりよ?」
僕の行動に対しユミが止めにはいる。
僕はユミを無視しそのままミシェルに詰め寄る。
まさか部屋に入った時からミシェルの術にかかっていたのか?
「答えろ」
「・・・・・すまない。途中で君の意識を迷子にさせてしまった」
「は?」
「途中までは君の意識に語りかけていたが途中で何者かの妨害が入り意識を手離してしまった。怖い思いをさせてしまったなら謝る。だが話したいことは先程ので全部だ」
「つまり魔獣を出す門を破壊しろ、と?」
ミシェルは少し躊躇うがうな頷いた。
確かにその門を破壊しなければ僕達だってそこに住めない。
お互いにメリットになることだろう。
「どうやれば破壊できる?」
「それがわからないのだよ。クロードとあやつに壊してもらおうと攻撃させたが壊れなかった」
ヒトミが言っていたこともあながち間違っていないようだな。
恐らく最強の亜人が追い出しに行ったのは龍人ではなく門の方だろう。
だが超大型魔獣を即殺できる人が門を破壊出来なかったってことはなく僕らでも無理なのではなかろうか?
破壊以外の手段も考えた方が良さそうだな。
「・・・・・分かった。では一つだけお願いがあります」
「なんですかな?」
「クロードさんをお借りしたいのですが」
ということでクロードを含めた僕達六人は今龍人城にいる。
最初と同じ陣形で進んで行ったがここまで来るまでにクロードさんにたくさん助けてもらった。
だが今は割愛させてもらう。
特にこれといったことはなくひたすら魔獣を殺しているだけだったのでね。
城の中に入ると至るところに魔獣がうろついていた。
時々龍人の者だろう骨も落ちている。
乾ききった血が壁や床についていた。
うようよいる魔獣達は時には暗殺、時には堂々と引き付けながら殺していった。
そこであることに気づいた。
上へ行く階段がないのだ。
あるのはただただ広い吹き抜けがあるだけ。
多分龍人達は飛んで上の階へと行ったのだろう。
唯一階段があるのは地下へといく階段だけだ。
今地下は関係ない。
僕とユミが翼を生やし最高階へと皆を運ぶ。
クロードさんはそのままジャンプして上がってきた。
一体何者なのだろうかこの人は?
散々探したが王の間は見つからなかった。
何故かクロードさんが前来たときと部屋の配置が変わっているらしい。
探していな所といったら地下ぐらいしかない。
だが王の間が地下にあるということは流石にないと思うがそこ以外考えられない。
とりあえず行ってみよう。
そして地下に来たのだが・・・・・
今僕達は魔獣に囲まれてしまっている。
しかも魔獣のわきかたが尋常じゃない。
次から次へと魔獣がわきでてくる。
流石のクロードさんもこの数には押されている。
てか魔獣の死体のせいで廊下が埋まってきている。
身動きもだんだんと出来なくなってくる。
「クソ! どうにかなんねえのか?」
アレンがこの状況に嫌気が差したのか暴言をはく。
「そんなこと言ってもどうしようもないよ。それにしてもわきかたがおかしい。近くにわいて出てくる場所でもあるような・・・・・」
あ、そうだ。
近くに門があるんじゃないか?
「皆!魔獣がわきでてくる場所を探すんだ!」
魔獣を殺していく中必死に目を凝らしわきでてくる所を探す。
が血飛沫のせいで見えない。
「リユイさん! 見つけました!」
サラが指差す所を見ると丁度そこから魔獣が出てきているのが分かった。
急いでそこへ行き邪魔な魔物を殺していく。
ここまで魔獣を殺しているともう魔獣を殺すことになにも感じなくなってきた。
壁を破壊するとそこには新たな廊下があった。
急いで皆で走っていくと大きな部屋に出た。
上を向くと最上階に続く大きな吹き抜けがあった。
一番上の穴から魔獣が落ちてきている。
僕はアレンとソレイを担ぎ翼をはためかせる。
ユミはサラを抱き締め飛ぶ。
クロードさんは壁から壁へとジャンプして登っていく。
僕達を追いかけてきていた魔獣達を登れず元いた場所へと戻っていく。
穴に入っていくとそこは他の部屋とは全く違う大きな王の間だった。
部屋の奥には巨大な扉がある。
「あれが魔獣召喚門!」
アレンが驚きの声をあげている。
僕もあまりの輝かしさに目を奪われる。
「いる」
クロードさんの一言に我に帰り辺りを見回すとそこにはフードを被ったロングコートの男がいた。
「何者だ」
僕は低い声でそう男に問う。
「私の名はルシファー。魔王カゲイン様の二の配下である悪魔。いや、今は一の配下、か」
ルシファーと名乗る男はユミを見るとニヤリと笑いそう言った。
何故ここに魔王の関係者が?
そんな僕の疑問をよそにルシファーと名乗るその男は礼をすると掌から短剣を出した。
が、すぐにしまい空中に何かを書き始める。
「極位魔法」
クロードさんはそう呟くと大剣を出現させ走り出す。
一瞬にしてルシファーに近づくがその動きが止まりすぐに上空へと飛び天井に大剣を突き刺しその大剣にぶら下がり天井に足をつける。
まるで天と地が逆になったかのようだ。
「はー凄いな君。今のを避けるとは」
「チッ」
クロードさんがこちらへ天井から大剣を抜きこちらへ飛んでくる。
着地時に綺麗に転がる。
「気を付けろ。奴の魔法は極位だ」
極位!
初めて見た。
でも何があったか分からなかったが?
《極位の魔法はそのレベルに達していない者には見えません》
マジかよ。
クロードさんには見えていたのか?
《見えていないです》
それでも避けられるってクロードさん何者?
いや、そんな事を言っている場合じゃない。
急いで僕は刀を出現させる。
皆もそれぞれ武器を構え、戦闘体勢に入る。
が、瞬間部屋が歪んだかと思うと僕は先程ので部屋ではなくとてつもなく広い真っ白な部屋にいた。




