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廻る乖離転生  作者: 朔
第四章 魔人三種族戦争編
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第五十一話 戦いは終わらない

終わった。

結構最後の方はキツかったが何とか全員を倒すことができた。

部屋を見渡すとそこには大量の気絶したウィズ族やオーガ族、オーク族が転がっている。

僕はその者達を順番に見ていき心操魔動機械を片っ端から壊していく。

そして残りの五人になった。

一人っ子のオーク。

槍の先っぽに付いていた。

兄妹のオーガ二人。

こちらは武器の先端に取り付けてあった。

姉妹のウィズ二人。

こちらは持ち手に付いていた。

僕は最後の一つを破壊するとどっと体に疲れが来た。

でもこれでこの戦争は終わった。

ゴブリン村長との約束も守れた。

そう思うと何だかホッとしてこのまま寝てもいいんじゃないかと思えた。

僕は体の力が勝手に抜け、地面に思いっきり倒れ眠ってしまった。




目を開くとそこは水中、否 、深海といった方がいいか。

その様な場所に僕はいた。

だが息ができる。

また夢だろう。


「・・・・・」


前を見てみるとまた『俺』がいた。

何故話しかけて来ない?


「出来ることなら君と話したくない」


僕だってお前とはあまり話したくないよ。

それにしてもお前はなんなんだ?

何故前世の僕の姿をしている?


「だから言ったじゃん。俺は君だ。そして君は俺をたぶらかし封じ込めた。ただただ全てを忘れたいがために」


つまりお前は記憶があやふやな時の僕?


「本来なら俺がその身体の持ち主の筈だった。でも、でも君は俺の声を聴かず『僕』を選んだ。ただただ目の前のことから目を背けたくて、忘れたくて」


分からない。

お前が何を言いたいのか。


「君はまだ思い出していない。あのいじめの恐ろしさと寂しさと恐怖と屈辱と憎たらしさと悲しさと怒りと苦しさと孤独さと苦労と息苦しさと憂鬱と落胆と絶望と失望と後悔と悔しさと苛立ちと焦りと辛さと自分の無力さと自分の弱さと自分の情けなさと自分の惨めさとこの世の不公平を!」


・・・・・。


「そして君は思い出していない。君の心の奥底に住まう悪魔の正体を」


・・・・・?

悪魔って何だよ?

僕の心に住む悪魔って何だよ!


「俺は忘れない。君が俺のことを見捨て暴力に身を委ねてしまったことを」


は?

お前は何が言いたいんだよ!

はっきり言えよ!


「もう時間だ・・・・・とっとと消えろよ」


その声とともに僕の周りの水が勢いよく僕を水上へと押し出していく。

太陽が水越しに見え眩しさに目を閉じた瞬間、世界が反転したかと思うと僕は目を覚ました。




「・・イ・・・・リイ・・・・・リユイ!」


僕はどうやら体を揺さぶられているようだ。

一体何故そんなことをする?

僕はただ寝ているだけだと言うのに。

パチンっと大きな音が僕の頬から聞こえてくる。

多分叩かれたんだと思う。

だが今ので目が冴えた。

うっすら目を開けると目の前にはユミの顔があった。

僕の顔を覗きこんで見ている。

そして後頭部には温かい。

その事から言えるのは僕は今ユミに膝枕してもらっているということだ。

通りでこんなにも落ち着く訳だ。

ユミの顔をしっかりと見てみる。

すると彼女の目には大量の涙が流れてきていた。

だが僕が目を覚ましたことに気づくと驚き今度は嬉し涙を流しながら僕を叩き始めた。


「生きているんだったらそう言ってよ」

「ごめん。ちょっと寝てた」


何故かユミの声がとても久しぶりに聞いた気がしてしまう。

ほんの数時間前聞いたばかりだと言うのに。


「もっとこうしていたいけどやることをやらなきゃな」

「そうね」


ユミの膝から起き上がり周りを見渡すとそこには皆がいた。

皆ホッとした表情で僕を見てくる。


「心配かけた。でも疲れてちょっと寝てただけだから心配しないくれ」

「本当に大丈夫なのですか? 服に槍が刺さった痕とか血とか付いていますけど」


ソレイが僕のボロボロになった服を前足でちょいちょいしながらそう言う。


「ああ、問題ないよ。寝た甲斐もあってか完全には回復しているよ」

「それはよかったです」


とそこで部屋の中を見渡すとウィズ族やオーガ族、オーク族が全員縄で縛られていた。


「これは・・・・・」

「俺がやっといた」


そう言うのはアレン。

あ、なるほど。

でもこの大量の縄はいずこから?


「縄は私が持っていました。ちなみに全員ヒールしておきました」


サラはそう言うとポケットから縄の先を取り出し見せてくれた。

やはりあなたは僕の心を読んでるね。

それに君のメイド服のポケットは四次元空間のようだ。

そして実に優秀なメイドさんだ。

それは置いといて。

僕は王の子達の方に近寄っていく。

まだ目が覚めていないそのもの達を揺さぶっていき起こす。

全員が目を覚ました所で僕は喋り始めた。


「君達は僕を殺そうとして負けた。そして今僕達に捕まっている。理解できるか?」


全員頷くのを確認し、話を続ける。


「そこでだ。一つお願いを聞いてほしい」


全員頷く。


「もう戦争を止めてもらいたい」


全員頷く。がすぐすま意外だという表情を見せるとウィズの姉の方が喋りだした。


「その様なことでよろしいのですか? 私達は貴方に殺されてもおかしくないことをした感じですが」

「うん」


皆唖然とし僕を見てくる。

何かおかしなことでも言ったか?


「リユイ。それでは甘過ぎるんじゃねえか?」

「甘過ぎる?」


アレンの言葉に疑問を感じた僕は聞き返した。


「だって奴等はお前を殺そうとしたんだぞ!?」

「言われてみれば確かに・・・・・でも具体的に何をさせれば?」


思い付かない。

これ以上この者達にさせたいことはないのだが。


「それならいっそのことボク達そうしてくださったように配下にされてみては」

「それはいいでヤンスね」


確かにそれならいいかも。

こちらの戦力を増やしたほうが魔王ともし戦った場合その分有利に戦える。


「そ、そんな光栄なこと私達にはもったいないかもなの」

「そ、そうだ。そんなことをしてもらえる資格なんか俺らにはねぇよ」

「そ、そうそう。あたし達には勿体ないよ」

「私達にはその様な資格はないです」


皆口を揃え恐れ多いとその案を辞退しようとする。

が、僕はそれを許さなかった。

嫌がるならなおさらそうさせよう。


「それが出来ないと言うならば・・・・・殺すしかないな」


勿論嘘だけどね。


「本当にいいかもなの?」

「ああ。・・・・・あっ!そうだ。じゃあその証として名付けでもしようか」


その方が呼びやすいし、何かと便利だ。


「・・・・・あっ!」

「うん? どうした?」


突然ウィズの姉の方が何かを思い出したかのような声をあげた。

実際何かを思い出したのだろうが。


「亜人様、急いだほうがいい感じです!」

「え?」

「ゴブリンさん達が危ない感じです!」


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