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廻る乖離転生  作者: 朔
第四章 魔人三種族戦争編
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第三十九話 廻る気持ち



「ゆ・・・・み?」


目の前の少女は髪が銀髪であること以外は前世で見た幼馴染とほとんど変わらない顔だった。

長い髪をハーフアップにしている美人。

背はサラよりは高く僕よりは低い。

程よくついている筋肉は全く前世と変わりない。

ただ少し変わってしまっている所と言えば銀髪である所と表情が無い、つまり無表情と言う所だ。

けど、やっと。

やっと会えた。

僕がこの世界に来たい意味であり目的。

やっと・・・・・。

ふと気が付くと視界がぼんやりとしていた。

そして右目から一筋の涙が頬を伝う感覚がした。

そして左目も。

次々と涙が出て僕の視界を奪う。

あっ・・・・・やっと泣けた。

結美が死んだと聞いたときも。

葬式で結美の死に顔を見ても。

泣けなかった。

けど今、やっと、やっと。

何で?

何で今まで泣けなかった?

それは結美に対する気持ちが分からなかったから?

感情を押さえつけられていたから?

理解できなかったから?

何はともあれ、今分かった。


僕は・・・・・。


俺は・・・・・。


君のことが・・・・・。


お前のことが・・・・・。


ずっと・・・・・。


ずっと・・・・・。


好きだった。


嫌いだった。


すぐそばに居る時も気づかなくて。

失っても気づかなくて。

またそばに来てくれてやっと気づく。

遅すぎるだろ。

涙があふれて止まらない。


悲しい?

違う。


嬉しい?

違う。


つらい?

違う。


安心?

違う。


でも・・・・・全部正しい。

とっても苦しい。

いろんな感情が心の中を渦巻いて。

そしてその感情はどれも今の僕を現すにはあっていなくて。

でもどの感情も僕にあっていて。

感情が・・・・・


廻っていく


・・・・・。




「ゆ・・・・み?」


三日前に殺した亜人が今こうして自分の目の前にいる。

そして私の名前を知っている。

意味が分からない?

そして泣き出した。

情緒不安定か?

二回死んで頭がおかしくなったのか?

なかなか泣き止まない。

自分を殺した相手になぜそこまで無防備に泣いていられるのか分からない。

分からない。

全然分からない。

そしてなぜ今私は動けないのかも分からない。

何故私はこいつを殺さなければならないのに守りたくなる?

何で?

何故?

何でこんなにも泣きたくなるの?

何かがおかしい。

こいつがおかしいのか?

それとも私?

分からない。

もう何も分からない。

もう考えるのは疲れた。

さっさとこいつを殺し、このわけの分からぬ感情を終わらせよう。




「結美」


結美は良く分からないと言う顔をしている。

もしかして僕のことが分からないのだろうか?

そう言えば僕の顔は転生して亜人になったことでだいぶ変わった。

分からないわけだ。


「僕だよ。西川隆だよ。顔は転生したときにちょっと変わっちゃったんだ。でもこの顔もなかなか良くない?あ、あとね・・・・・」

「誰?」


え?

嘘、だろ?

結美が僕の名前を忘れるわけがない。


「あ、もしかしてこの世界に来ちゃったことを怒ってわざとそう言ってるの? ごめん。でもこの世界に来ちゃったのはちょっとした事件に巻き込まれちゃって・・・・・」

「何言っているの?」


え?

なんで・・・・・。

どうして・・・・・?

ふざけている?

怒っている?

いや、そんな風には見えない。

じゃあ何で?


《マスター、落ち着いてください》


あ、ああ。

ちょっと冷静さを欠いていた。

落ち着こう。

吸って、吐いて。

良し、落ち着いた。

まず目の前の少女は恐らく結美で間違いない。

だがどうやら結美は記憶が無い。

何故か?

転生の影響か?

その可能性は低いと思う。

なぜかと言うと僕とカマクラ王も前世の記憶があった。

次の可能性は魔動機械により記憶の遮断が行われている。

その可能性は大きい。

でも心映武器を出させないことにはわからない。

とりあえず心映武器を出させよう。


「僕のことが分からないのだな?」

「知らない」

「なら思い出させてあげるよ」


刀の心映武器を出す。

すると結美もすかさず鉤爪の心映武器を出す。

あった。

前回見た時はそこまで見る余裕が無かったから気づかなかったがやはりあった。

魔動機械。

こいつを破壊すれば結美は全てを思いだすだろう。

結美・・・・・勝負だ!

結美に全力をだし最高速で斬りかかる。

だが結美は一切動こうとせずただ突っ立ている。

前世の結美ではありえない行動だ。

何故だろう?

罠か?

いや、でもたかが鉤爪で何とかできる斬撃ではない。

それを理解しているはずなのになぜ避けない?

気になるが迷うことなく斬りつける。

直後、予想外のことが起こった。

なぜか僕の斬撃は結美の間合いに入った瞬間に結美ではない何かに流された。


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