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廻る乖離転生  作者: 朔
第一章 異世界転生編
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第三話 初めての町

近くの町へ行く途中話をしていた時に聞いたがどうやら彼女は買い物へ行く途中だったらしい。

サラさんの後をついて行き町の中に入り商店街へ行く。

その途中周りから様々な視線が向けられた。


一人は警戒しながら見てくるもの

一人は驚きながら見てくるもの

一人は恐怖のまなざしで見てくるもの

一人は不思議そうに見てくるもの

一人はうっとりして見てくるもの

一人はボーっとしながら鼻の下を伸ばし見てくるもの


最初の四つは分かる。

だが最後の二つはなんだよ、見るなよ。

やっぱりフード被った方が良かったかな。

そんなことを思いながらサラさんの後をついて行く。

サラさんは次々と必要なものを買っていく。

その途中何度もお店の人と楽しそうに挨拶しあい、少し世間話をしている。

皆さんとても気さくな人だ。

荷物は僕が持っている。

サラさんに


「前世では男の子なのだからこれぐらい大丈夫ですよね」


と、とびっきりの笑顔で言われてしまったので断れません。

まあ、これぐらいで彼女の信頼を得られるなら安いものだ。

後は野菜を買って帰る。

それだけのはずだったのだが・・・・・。


「キャー!」


突然悲鳴が聞こえた。

荷物をサラに預け、走り出す。


「あっ、ちょっと待ってください」


待ってられない。

そんなことしていたら間に合わないかもしれない。


「おとなしくここにあるもの全部まとめてここに置け!」


そう怒鳴り散らす七人の盗賊たちがいた。

町の警備をしている兵が盗賊たちの持っているハンマーや斧で軽々と吹き飛ばされる。

吹き飛んだ兵を盗賊の一人が弓で射っていく。

周りの人が逃げまとう中、僕はその流れとは逆に走り抜けていく。

そして盗賊達の前に立つ。


「なんだテメー?ちょっとかわいいツラだからって調子乗ってんじゃねえぞ」

「別に調子乗ってないよ。

でも買い物の邪魔をされると約束が守れないから

これ以上続けるなら容赦しないよ」


僕はそう言うと刀を出現させる。

実際に武器を出し触るのは初めてだが刃物というのは、間近で見るとなかなか恐ろしいものである。


「調子乗ってんじゃねーぞガキ」


その声と共にハンマーが僕の脳天を打ち付けようとしてくる。

少し体をずらすだけで難なく回避し、相手の体めがけて刀を突き刺す。

だが流石に町へ七人だけで来ているだけあってか、紙一重で交わされる。

僕の攻撃を見た盗賊たちはニヤニヤし始める。

僕は次に相手に対しあえて突っ込む。

そこで僕は集中力を研ぎ澄まし次相手がどう動くのか予測する。


正面に居る奴とその両隣に居る奴等は僕が近くに居ないのにハンマーを振り上げているから、何らかのスキルを使い地面に衝撃波を出すことは分かる。

奥の二人は跳ぼうとしている。

こいつらは僕が衝撃波でひるんだ隙をついて斬りつけるのだろう。

更にその奥にいる奴は弓使いの護衛だろう。

こいつもギリギリやれる。


考察は終了した。

一人倒すのに半分以上の戦力をあてるとは。

こいつら馬鹿かな。

まあいい、それでは始めよう。


まずハンマーが地面に叩きつけられる直前に飛ぶ、そして〈技術模倣スキルコピー〉。


《解析結果:〈衝撃倍増インパートダメージ〉対象物が出した衝撃を数倍に引き上げる能力》


なかなかに使えそうだ覚えておこう。

目の前の盗賊は驚いている。

それもそうだろうまさか避けるとは思わなかったろう。

予測してから今まで一秒にも満たないスピードだったのだから

普通の人間なら間に合わず避けられない。

でも僕は亜人だから。


僕は跳びながら目の前の盗賊三人を峰打ちで気絶させる。

そこへ上から二人の盗賊が斧を振り下ろして来ようとする。

すぐに着地して刀を消失し、両手にそれぞれ棍を出現させ奴らのみぞおちに打ち込む。

当然リーチの長い僕の攻撃が先に当たり、斧は持ち主から離されそのまま僕の後ろに落ちる。

打ち込んだ棍をすぐさま左手の方だけ消失させ前へ飛び出し両手で棍を掴み思いっきり突き出す。

普通の棍なら確かに奥にいる盗賊には届かないだろう。

だが僕の武器は無形。

長さの概念はいくらでも変えられる。

盗賊は突然伸びた棍に対処しきれずみぞおちに完全に入る。


「がっ!お前の武器どうなってんだ!」


その叫び声とともに六人は意識を失う。

残りは弓使い一人。

そう思い相手に目を向けるとスキルを発動させようとしていた。


「〈影撃カゲウチ〉」


といい店の影に入っていく。

身体が完全に影にはいった瞬間敵の姿は見えなくなった。

どうやら奴はスキルの効果で影の中では姿を消せるらしい。

そして影の中から弓で僕を撃つつもりなのだろう。

だが残念だったな。

僕の見ている前でスキルを使ったのが運のツキだ。


「〈影撃カゲウチ〉」


すると弓使いの姿が見えた。

どうやら同じスキルを発動している者にはこのスキルの効果は発動しないようだ。

弓使いは僕が自分のことを見ていることに驚き急いで剣に持ち替えようとするが遅い。

僕は持っている棍をハンマーに変え全力で地面を先ほどコピーした〈衝撃増加インパートダメージ〉を使い叩きつける。

当然相手は痛みで足が震えている。

そこへ何のためらいもなく奴の頭にハンマーを棍に変え打ち付ける。

これで全員気絶完了。


二個しかスキルを盗めなかったのは残念だが、初実践としては上出来だろう。

まあこれも亜人になったことによる思考速度アップと、結美から叩きこまれた修行の成果なのだけどね。

気絶している盗賊達を近くに落ちていた縄で縛りあげる。

これで一件落着だな。

後から来た兵士に事情を簡単に話後は任せる。

めんどくさいのは苦手なんでね。


ふと周りを見渡すと逃げ出そうとしていた人たちがこちらを見て唖然としている。

え、なんで?


「えっと・・・・・?」


そう言った瞬間皆が一斉にして僕の周りを囲んだ。


「姉ちゃんすげえな」

「どこのヒト?」

「弟子にして下さい!」


実に様々な言葉で褒めたたえられた。

一体どうしたものか。

だがある一言で周りの人の態度が一変することになる。


「おいっ、こいつ亜人だぞ!」


その言葉を合図に普通の一般人は一歩後ろへそして武器を持った冒険者や兵士が武器を構え一歩前に出て僕を先ほどとは違う意味で囲む。

これはマズイね。


「リユイさんこっちです」


どうしようかと悩んでいた僕をサラさんが人込みをかき分け

手を握り引っ張り出してくれた。

僕達は急いで町から走り出た。



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