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廻る乖離転生  作者: 朔
第三章 東聖国陥落編
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第二十話 Aランク冒険者アレン

俺の名はアレン

生意気な冒険者を懲らしめようと思ったがなかなかの強さを感じる。

懲らしめるだけではもったいないと思い仲間にしようと決闘を申し込んだ。

目の前のフードをかぶった少女(リユイと言ったか)はなかなかに隙が無い。

時々角度によって見える顔はとても美しい。

好物件だ。

これは何としても手に入れたい。


「レディー・・・ファイト」


その言葉を聞き終わった瞬間に俺は光魔法フラッシュを使った。

流石にこれには反応出来なかったのか眩しそうにしている。

この隙を逃すわけがない。

俺は全身全霊の力をこの一撃に乗せてリユイに斬りかかった。

だが。

俺の斬撃は見事にリユイの体をとらえた。

だがおかしなことに手に伝わってくる感触が鉄を斬るような感触だった気がした。

リユイは少し飛ばされ倒れる。


「勝負あり!止め」


俺にとってFランクの冒険者はたいしたことない。

急いで審判がリユイにヒールをかけに行こうとした。

その時。


「まだ大丈夫ですよ」


リユイは何事も無かったかのように立ち上がった。




その言葉を言い終えた瞬間アレンがフラッシュグレネードのように発光した。

急いで僕は目を反らしたがもう全く目が見えない。

一番失うとマズイ感覚を奪われてしまった。

もちろんアレンはその隙を見逃すわけがなく、斬りつけてくる。


《〈皮膚鋼化〉と〈斬撃緩和〉によるダメージの軽減》


お、久しぶり世界説明さん。

言われたとおりに〈皮膚鋼化〉と〈斬撃緩和〉を発動させる。

僕は斬りつけられた衝撃で吹き飛んで倒れてしまった。

流石Aランク冒険者。


《解析が完了。アレンの所有スキルはありませんでした。光魔法は中位まで習得済み》


スキルが無いだと。

まあいい。

なんとなく分かるけど魔法の中位って何?


《魔法には下から序位、下位、中位、上位、極位、究極の順でランクがあります》


今までそんな事言っていたっけ?


《スキルレベルが上がったので魔法についても解析出来るようになりました》


なるほど。

いや久々の世界説明さんとの会話を楽しんでいる場合じゃない。


「勝負あり!止め」


おっと、なんか負けちゃったことになっているのだが。

急いで立ち上がらなければ。


「まだ大丈夫ですよ」


何の問題もなく立ち上がれた。

恐らく先ほどのダメージはたいしたことなかったのだろ。

アレンの顔が青ざめていく。

まさかさっきのが全力攻撃だって言わないよね?


「続けましょう」


審判に向かいそう言うと僕は刀を構えた。

アレンは腰のあたりからハリー○ッターに出てくるような短い杖を出して空中に何かを描いている。

あ、いいなーその杖欲しい。

アレンは僕には物理攻撃が効かないので魔法での戦闘スタイルへ変更したようだ。


「聖なる光よ今矢となり敵を撃ち抜け。聖なる矢!」


アレンがそう言いながら杖を僕に向ける。

すると無数の光る矢が僕に迫ってきた。

何とか回避していく。

それにしてもずっとこのままでも埒が明かない。


《推奨:同様の魔法による相殺》


いや、魔法の場合はコピーできないだろ。


《コピーは出来ませんが、真似してみたらできるかもしれません》


そんな簡単にできるもんか?

それに何か空に書いていたけど分からないのだが。


《その行為は空中に魔法陣を書いていたのでしょう。ですがあなたの場合それは必要ないかと》


なぜ?


《今まで魔法陣を書いて魔法を作動させていましたか?》


いいえ。


《では大丈夫かと》


なるほど。


「聖なる光・・・・・?」


何だっけ?

まあいいや。


「聖なる矢」


思わず右手を前に出しながら言ってしまった。

中二病っぽい。

だがその瞬間僕の目の前には魔法陣が書かれそこから大量の光の矢が出現しアレンへと襲い掛かった。


「う、うわ」


アレンは全ての矢を避けきることは出来ず数本体に刺さり倒れこんだ。



サラのヒールと僕の時間経過完全回復により何とか復活してくれたアレンに僕は謝罪をした。


「すみませんでした。初めて使う光の攻撃魔法でまさかこれほどまで強力とは思わずつい。本当にすみません」


アレンは状況を理解できていないらしくボーとしている。

だがだんだん状況がつかめてきたらしく納得したような顔になった。


「いや、君は悪くない。君の力を見くびっていた俺自身の責任でもある。俺は負けた」


アレンはよろよろと立ち上がった。


「そう、俺は負けたんだ。君たちに俺が知っている全ての光魔法を教えよう」


意外と切り替えがはやいな。


「何歳?」


突然なんだ、アレンよ。


「十五ですけど」

「君は」


アレンがサラの方を見ていった。


「私は十六です」

「そうか。じゃあ酒は飲めるな」


この世界では十五から大人として認められるそうです。


「僕は飲んだことは無いです」

「私も」

「じゃあ飲んでみればいいだろ。ついてこい」


僕達はアレンについて行き酒屋へ行き酒を買った。

酒と言うかビールと言うか。

その後僕達の宿に無理やりアレンに向わせられた。



「で、なんで、ここで、飲むんですか!」


アレンはソレイを見て少し驚いたが危害を加えないと言うとモフモフしていた。

俺はフードをとったがアレンは亜人だとは分かっていないようだ。


「いいじゃないか」

「良くないです!」


アレンはチェといいながら酒を飲む。


「俺を倒したんだから慰めるぐらいしろよ」

「嫌ですよ」

「じゃあ、魔法は教えてやれないな。俺のプライドはズダズダだ」


そう言いながら壁に向かって寝そべるアレン。

何だこいつ。


「分かりましたよ。じゃあ一杯だけですよ」


お、おい。

大丈夫かサラ。

まあ僕がしっかり見ていれば大丈夫か。



アレンが来てから三時間たった。

サラは酔いつぶれておりソレイは布団の中で寝ている。

つまり今は僕とアレンの二人でビールを飲んでいる。

二人で話し合っているとアレンは自分のことを話し始めた。

アレンは三日前にハイレイ聖国とかいう所で修行中だったがこの国が危険だということで修行を中止し派遣されたそうだ。

幼い時から修行をしてきたアレンは十七になってやっと実践の機会としてA級の魔獣を狩ろうとしたら僕達に横取りされた。

怒りで僕に決闘を挑んだがいいが長年鍛えてきた剣は通じず、魔法さえも真似されただけで(しかも杖で魔法陣を空中に描かずそれに無詠唱)再現されさらに発した魔法は自分よりも強力であった。

それによりボロボロにされた挙句回復までしてもらったという散々な目にあったのだと言う。

確かにそれはかわいそうなことをしてしまった。


「まあ、世界は広かったということか。俺はまだまだだったな。君たちは俺の思い上がりを静めてくれた。お礼にしっかりと俺の知りうる限りの魔法を教えるよ」


なかなかいいやつだな。


「一週間びっちり教えてやるよ」

「三日で済ませてくれませんか?」

「三日じゃ無理だろ。なんか急いでいるのか?」


後僕達がこの国に滞在する期間は今日を含めて五日間だ。


「はい。五日後にはこの国を発とうと思っていて。噂ではもうすぐ魔王との戦争をすると聞いたので」

「ああ、あれか。でもお前なら俺より強いから大丈夫だと思うけどな」


アレンはビールの最後の一滴を飲みゲップした。


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