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廻る乖離転生  作者: 朔
第三章 東聖国陥落編
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第十七話 ギルド

すみません、今回ちょっと長いです。

目を覚ますと(どうやら眠れていたらしい)手に今まで感じたことのない大きくて柔らかい感触が伝わってくる。

これはそう、あれだ。

っておい!

急いで僕は手を放し飛び起き、思わず正座してしまった。


「リユイさん、そんな事するなんて!」


サラさんは胸を手で隠すしぐさをして顔を赤らめながら僕を少し睨む。


「ご、ごめんなさい!」


僕はそう言うと急いでテントから出た。



「リユイ様、サラ殿と何をされていたのですか?」


朝食を食べているとソレイがとんでもないことを聞いてきた。

思わずスープを噴き出してしまった。


「べ、別に何もしていないぞ」

「そ、そうですよ~」


いや、サラまで言ったら怪しいだろ。


「ボクはリユイ様に聞いたのに何でサラ殿も答えるのですか?なんかすごく怪しいのですが」

「ほらそんな事言ってないで早く食べちゃってください。冷えてしまいますよ」


意外と強引だな、サラ殿。

朝食を食べ終えテントを片付けると僕等は再び東アカレフ聖国首都へ向かい歩き出した。


「そう言えば昨日聞き忘れていましたがリユイさんは前世では何をやっていたんですか」

「まだ学生だったから何も仕事はしてなかったよ」

「いえ、そうではなくてどんな戦闘術を習っていたのですか?」


そっちね。


「特に何か習っていたのではなく幼馴染に色々教わっただけだよ。幼馴染は剣道、柔道、合気道、空手、薙刀、居合道をやっていてね。いじめられていた僕に自分が知っている全てを叩きこんで強くさせてくれたんだ」

「そんなことがあったんですか。どうりで強いわけですね(剣道、柔道、合気道、空手、薙刀、居合道ってなに?)」

「うん」


僕等はそんな他愛のない話をしながら歩いていると東アカレフ聖国首都に到着した。


この国の首都は10mほどの壁で囲まれており、魔王国に向けての門とそことは反対に位置する門との二つの門しかない。

僕達は勿論魔王国に向けての門とは逆の門から入っていった。

門には門番がおり警備していたが僕はフードを被り、ソレイはリュックの中に入れていたためしつこく質問はされなかった。

フードをしていたため少し怪しまれたけれどオイトさんの名前を出したら通れた。

ソレイは少しもぞもぞしておりひやひやしたが大丈夫だった。

ちょっと重いけどね。

中に入るとそこまで煌びやかでない教会が首都の真ん中らへんに見えた。

周りの建物も見てみるとあまり文明が発達していないことが分かる。

そして行きかう人々は疲れ切っている。


「なぜこんなに空気が重いのですか?」


ソレイの問いかけにサラが答える。


「最近魔物達が活発化しているせいで色々大変なんだそうですよ。おじさんの手紙にそう書いてありました」


ああ、そう言えばおじさんいたね。

忘れていた。

確かサラの叔父さんは今も現役のファースト兵だったと聞く。

兄弟そろって優秀だ。


「とりあえずギルドに行こうか」



ギルドに到着。

思っていた通りの建物だが、人の数は予想に反しあまりいない。


「なんか思っていたよりも人がいないね」

「もともとそこまでこの国では盛んではなかったですし、今は魔物の討伐に忙しいからなかなか帰れないんじゃないでしょうか」


なるほど。

因みにこの国が魔王により陥落した場合この大陸での東側はなし崩しに攻め込まれるそうだ。

なので近頃魔王軍の第一線を退かせるために近くにあるカマクラ国と言われる三方を山で囲まれ一方が海の天然の要塞で守られている国と協力して攻めるそうだ。

どうでもいいことだがカマクラ国って絶対転生者が造った国だよね。

でも何でそんな機密的なことをサラは知っているのだろう?


「おじさんが毎月手紙で書いて送ってくるんです」


と困った表情で教えてくれた。

おじさんダメじゃん。

とりあえずギルドカードを発行しよう。

受付嬢に話かける。


「ギルドに入りたいんですけど」

「かしこまりました。少しお待ち下さい」


そう言うと受付嬢は発行に必要な資料を取り始めた。

暇だから観察しよう。

眼鏡をかけており、髪は茶色で肩ぐらいまで長く前髪はおかっぱ。

目の色は紫色のなかなかの美人さんだ。

服はサラのメイド服に少し似ている気がしたがそれは色合いだけだった。


「必要事項をご記入下さい」


受付嬢が資料とカードを渡してくれた。

資料には様々な事が書いてあるので面倒だから後で読もう。

今はカードを書いちゃおう。

名前、年齢、性別を書き込み最後に自分の血をカードに垂らすそうだ。

名前は問題ない。

大樹から貰ったリユイと言う名前がある。

年齢は・・・・・十五でいいか。

前世の年齢だ。

性別・・・・・うーん、悩ましい。

どうするべきか。

単純に僕の精神的な性別として男性と書くか、見た目的なところで女性と書くか。

男性と書いた場合周りの者には驚かれるだろうが僕自身は何とも思わない。

だがこの場合性別を偽っていると言われこのカードを無効にされてしまう可能性もある。

だがかといって女性と書くのも僕的には阻まれる。

だがこの場合は他人からは何とも思われないだろうが。

う~ん悩ましい。


「サラさんや、僕の性別はどっちに見える?」

「え?女の子でしょ?」


え?

思わず顔を見合わす。

どうやら僕が無性ということを知っているのではなく女の子だと思っているらしい。

つまりサラは、僕は転生してきて女の子になってしまったと思っているようだ。

昨日の夜のことはそう言う意味で言ったのね。

じゃあ、女の方に丸を付けるか。

産まれて初めてです女性に丸を付けるのは。


最後の血は針に指を刺し数滴たらし行う。

これに何の意味があるんだ?

そう思いながら垂らしたがカードに特に変化はないように見えた。

だが裏返してみると自分のステータスが書かれていた。

これは驚き。


体力 100

魔力 100

スタミナ 10

タイプ 近接型

レベル F


「すごい!体力と魔力が上限に達しています。けどスタミナが異常に少ないです!」


その通り。僕は前世から体力はなかった。

でも気にしていることを大声で言わないでくれ。

全くこの受付嬢は何と礼儀のないことか。

それは一旦置いといて。

サラはどうだったろうか。


体力 40

魔力 90

スタミナ 45

タイプ 遠近両立型

レベル F


サラは援護系かな。


「あなたは中距離からの援護が向いていると思いますよ」


丁寧にありがとう受付嬢さん。

ソレイもやりたがっているが我慢してもらおう。っていうか必要ないよね。


「あのこのステータスってどうやって決めているんですか?」

「標準を五十として目安として表示しています。これをやるようにしてから死亡率が下がったそうですよ」


なるほど。

身体検査をせずに自分に合った戦闘スタイルを簡単に理解できるってことね。

これはなかなか便利。


「あくまでも目安なのでくれぐれも過信しないでくださいね」

「了解です」


僕は受付嬢にお礼を言い去ろうとしたが、振り返った。


「あ、そうだ」


受付嬢は首を傾げた。


「元冒険者さん、夜更かしはあまり良くないですよ。これ以上続けると眼鏡をすぐに取り換えることになります」


僕はそう言うとその場から離れた。

受付嬢はびっくりした顔で固まっていた。



「リユイさんさっきのはなんですか?」


サラは不思議そうにこちらを見てくる。


「さっきの受付嬢さん、この調子で夜までずっと本を読んでいると視力が一気に落ちていって眼鏡の度をまたすぐに変えないといけなくなると思って注意してあげたんだ」


サラは良く分からないと言う顔で首をかしげる。


「何で受付嬢さんが元冒険者で夜中まで本を読んでいると分かったんですか?」

「観察したからだよ。

まず彼女が元冒険者と言うのは手のまめや腕の筋肉、長年髪の毛を自分で切っていることで分かる。

長年髪の毛を自分で切っているというのは、一見みれば普通に髪切り職人に任せている風に見えるほど上手く切っているが前髪が少しまばらだからだ。

次に夜本を読んでいると言うのは、眼鏡が新品でありまた眼鏡の跡があまりついていないところから最近目が悪くなったことが分かる。

ではその原因を考えると僕達が来る前に読んでいた分厚い本を夜遅くまで読んでいたことが原因だ」

「でも厚い本が近くにあるからそれを夜遅くまで読んでいた、というのは少し決めつけなんじゃ?」

「普通元冒険者なら多少のことなら、そう目を悪くすることは無いと聞いたよ。つまりそこまで目を悪くする何かがあるとしたらこれ以外有力なものは無いと考えたんだ」

「なるほど、すごいですね」


サラは感心したような声でため息交じりにそう言った。

最近思うのだが頭の回転が速い気がする。

これも亜人になった影響だろうか。


「ついでに言うと彼女が冒険者を止めた理由は足の怪我だよ。歩き姿を注意して見たら少しだけ違和感があった。あの足では走るのが相当つらいと思うよ」

「私達も気をつけましょう」

「そうだね」



先ほどのキルドカードにも書いてあったが冒険者にはレベルなるものがある。

下からF、E、D、C、B,A、Sと言う順だ。

それぞれ自分のレベルのクエストしか受けられない。

レベルアップはレベルごとに一定数のクエストを行い、それを完了すると一つ上のクエストを受けクリアできれば完了だそうだ。

僕達は勿論駆け出しのF。

これから頑張っていこう。


「ソレイさん、次はどうしますか?」

「一旦宿を探し、そこで少し休んだ後観光でもしようか」

「ソレイ君もそろそろ出してあげないとですしね」

サラはそう言うと僕が背負っている荒ぶるリュックに手を当てながら苦笑した。


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