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めたもるふぉうぜ  作者: 八澤
約束
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 有野間麻友00

 ///有野間麻友///


 ――マユちゃんは四年生が終わる頃に、突然転校してしまった。


 私には、転校のことを前日に、学校帰りの別れ際に突然宣言したので、仰天したのを覚えている。呆然としている間にマユちゃんはいなくなり、転校してしまった。

 次の日、マユちゃんの家に行ったけど、もう誰も居なかった。

 それから手紙が一度だけ来て、それ以降はもう音信不通だった。

 

 六年の夏休みを終えて、マユちゃんはまた戻ってきた。私よりも頭半分小さかったはずなのに、立場が完全に逆になるほど、背が高くなって。

 教室に入って名前を紹介されるまで、綺麗な子だなー、オシャレだなー、背が高いなー、見たことある顔しているなー、と思っていたほど他人行事で、私は気づかなかった。

 だけど、戻って来たマユちゃんは少し変わっていた。

 以前は、私のあとにずっとくっついてくるような子で、私はお姉さんぶって連れまわして遊んでいた。目立つ行動もしない子だった。大人しいけど、可愛らしい女の子だった。

 それが、今のマユちゃんは雰囲気からして、何か違った。外見のこともあるけど、それも合わせてどこか小学生とは思えないほど大人びた色気……のようなモノを含んでいる。髪を少し染めて、学校を時々休むことがあって、でも勉強はクラスでほぼトップ。頭の良い塾に通っている子よりも、学力で勝っていた。

 得体の知れない、マユちゃんは、とても目立つ。

 背の高さはもちろん、他の全てが、他の誰よりも頭二つ三つ離れた、姿は、凄いと称賛すると同時に……正直恐かった。

 小学生にとって、それは不良というカテゴリーに入れてしまうために、マユちゃんのことを昔から知っている人も、マユちゃんを避けるようになっていた。

 私は、六年生になってから、塾に通うようになった。この地区では、クラスの約半分ほどが受験をして私立の中学に入ることが暗黙の了解だった。私は一人っ子で、お金の余裕があるからか、親から強制的に勉強を強いられた。もう手軽に友達と遊ぶことが少なくなっていた。

 マユちゃんとは、そのこともあってか、学校ではよく会話をしていたけど、昔のように遊ぶことは無くなっていた。


 



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