Episode 24 drawing competition
翌朝のオフィスにて
レモン:
「マジかよ!あいつ、それでもお前の手を離さなかったのか?」
サヤン:
「あぁ。『手を離さないって約束したでしょ』って、うわ言みたいにずっと言ってたよ。」
レモン:
「それでどうしたんだ?一晩中、あの椅子のところに座ってたのか?」
サヤン:
「それでも全然手を離してくれそうになかったから……。」
レモン:
「から……?」
サヤン:
「俺も、手を繋いだまま彼女の……」
レモン:
「彼女の……!?」
サヤン:
「……あぁ、しばらく椅子に座ったまま付き添ってたよ。それで彼女が深い眠りについたのを見届けてから、自分の部屋に戻って寝たんだ。驚いたことに、今朝になったら彼女、何も覚えてないんだぜ。エナ・ママに遊園地がいかに楽しかったか、そればっかり夢中で話してたよ。」
レモン:
「本当かよ?お前ら二人の間に、マジで何もなかったんだろうな?」
サヤン:
「あぁ、誓って何もなかったよ。……よし、その話はもういい。それより、この休日の午前10時から、彼女は『レモンおじさん』と描画(drawing)対決をするつもりらしいぞ。」
レモン:
「わかったよ、受けて立ってやるさ。」
休日のお絵描き対決
(休日……)
リリー:
「Luおじさま、ちょっとこれ持って。Tubaをこう抱っこして、MaxはLuおじさまの膝の上。……うん、これでよし!」
レモン:
「……でもさ、これってLuおじさまを描くコンテストなんだろ?」
リリー:
「つべこべ言わずに描くの!嫌なら負けを認めなさいよ。」
レモン:
「わかったよ。受けて立ってやる。」
(お絵描きスタート)
レモン:
「ところで、審査員は誰なんだ?」
リリー:
「エナ・ママだよ。」
レモン:
「なんで毎回エナ・ママなんだよ……。」
リリー:
「レモンおじさん、こっち来て。秘密を教えてあげる。」
(リリーはレモンの耳元でそっと囁く)
「あのね、エナ・ママは見た目こそ家政婦だけど、本当は秘密のボディーガードなんだよ。格闘技もライフル射撃も、他にも色んなことができるんだから。Luおじさまは彼女を雇うために、すっごく高いお金を払ってるんだよ。エナ・ママは本当に怖くて……正直、Luおじさまと私は彼女にビビってるんだから。」
レモン:
「うわぁ……お前、そんな情報をどこで仕入れてくるんだ?」
リリー:
「リリーは何でも知ってるの!」
レモン:
「……でも、勝つのは俺だぞ。見てろよ。」
(しばらくして)
リリー:
「ねぇ、レモンおじさん。ひとつ教えて。」
レモン:
「なんだい、リリー。」
リリー:
「ケチな人が人生で絶対にできないことってなーんだ?」
レモン:
「できないこと? 何だよ?」
リリー:
「絵を描くこと だよ。」
レモン:
「どうして絵が描けないんだ?」
リリー:
「だって、絵を描くには絵の具(色)を使うでしょ? ケチな人は色を使うのだって、もったいなくてできないんだもん。」
レモン:
「……なんでそんなこと俺に言うんだ?」
リリー:
「だって、おじさんがケチだからでしょ?」
レモン:(わざと怒ったふりをして)
「生意気だな! お前、ただじゃおかないぞ!」
リリー:(至近距離で目を見つめながら、静かに)
自分の妻に殴られてるような男が、俺に何ができるんだ?
レモン:(一瞬沈黙して)
「……Luおじさま……。」
リリー:
「Luおじさまに言いつけないで!」
レモン:
「Luおじさま、お前がリリーに教えたんだろ!」
リリー:
「レモンおじさん、違うよ。Luおじさまは何も言ってないってば。さっきも言ったでしょ? リリーには隠し事はできないの!」
レモン:(強がって)
「ふん、じゃあ俺の奥さんが誰だか知ってるのかよ?」
リリー:(可愛らしく)
「もちろん。レモン夫人(Mrs. Lemon)でしょ?」
(その時、背後から声がする)
レモン夫人:(腕を組んで)
「リリーの言う通りよ。」
レモン:
「あ、あれ、ベイビー……。今のは冗談だよ!」
レモン夫人:
「へぇ……。じゃあ、その冗談の続きは夜に家でじっくり聞かせてもらいましょうか。」
リリー:(静かにサヤンの方を見ながら)
「私は本当のことを言っただけだよ。」
サヤン:(複雑な笑みを浮かべて)
「君の言う『本当のこと』は、かなり危険(dangerous)だね。今日のレモンはもう終わりだ……。」
レモン夫人:
「実はリリーに招待されてたの。遅くなってごめんなさいね。」
リリー:
「ううん、大丈夫!」
レモン夫人:
「わぁ……リリー、なんて素敵な絵を描くの!」
リリー:
「当たり前でしょ。私は最高の画家(painter)なんだから。」
サヤン:
「もうコンテストは終わりだよね? エナ・ママを呼んで。ああ、もう疲れたよ……。」
エナ・ママ:
「はいはい……。では、今回の優勝者は……リリーです!」
リリー:
「やったー! 私の勝ち!」
エナ・ママ:
「ちょっと、レモン。これはLuおじさまなの? それともゴミの山? こんな絵を描く人があるかしら。」
レモン:
「……もういい! それよりリリー、いつ俺の奥さんと会ったんだよ?」
レモン夫人:
「レモン、忘れたの? あんたがリリーの話をしてくれたあの日、次の日にすぐ会いに来たのよ。リリーは本当に可愛いの。」
リリー:
「レモン夫人、どうしてレモンおじさんみたいな人と結婚したの?」
レモン夫人:
「しょうがないわね……恋は盲目っていうじゃない?」




