2話 ?との対話2
「…はぁ?」
つい素っ頓狂な声を上げてしまう。転生?選ばせる?…何も分からない。
『そのままの意味だ。貴様は今から転生する。その世界を選ばせる。簡単なことだろう。』
そいつは心を読んだかのように言う。
「なるほど…」
理解していない頭で相槌を打つ。
(まぁなるようになる…か)
そんな能天気なことを考えながら僕は指定された椅子に座る。
『それでいい。では今から世界を見せる。茶でも飲みながらどれがいいか選ぶがよい。』
そう言って指を鳴らすと風景が変わった。目の前には中身の入ったティーカップが置かれている。
(…手品?超能力?いや、そんな代物では無いな。人…では無いのか。諦めよう。僕に転生先を選ぶ以外の選択肢はない。)
そこからはスムーズだった。僕は世界を選び、拙い敬語でそいつに伝える。
「…ここがいい…です。」
…声が裏返った。
『…ここか。良いだろう。では翌日この世界に送ろう。今日はここでゆっくりするが良い。』
そいつはそう言うとまた指をパチンと鳴らし、場所を変える。
『では良い夢を』
そいつは部屋から出ていく。残された僕は無機質な白色のベッドに倒れ込む。
(まぁ無いよりはマシか…)
そのまま僕は目を閉じた。