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1話 ?との対話
重たい瞼を開ける。身体は欠損なく揃っている。
「…どこだ。ここは。」
目の前には草原、青空、そして謎の人工物が見える。
(おかしい。僕はあの時死んだはずでは…)
混乱、安堵、緊張、恐怖。様々な感情が僕を支配する。だが立ち止まっている訳にはいかない。僕は謎の人工物へと歩みを進める。
"進め、進め。俺のところまで"
「…」
聞き覚えのある声が聞こえる。自分の警戒心が強まるのを感じる。
『そんなに警戒するな。早くそこに座れ。』
「…!」
背後から聞こえる。
(僕が気づかなかった…?なんだコイツは…?というかどこから…?)
様々な疑問が頭に浮かぶ。だが1つ確かなことがある。
(…コイツには勝てない。)
そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、そいつは淡々と告げる。
『今からお前の転生先を選ばせてやる。』
「…はぁ?」