表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転移して回復能力を手に入れた俺が、老化の呪いを受けた超毒舌ヒロインを助ける羽目になった件  作者: ラストジェネレーション


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/44

第四十三話 人あらざる者 

※グロ注意


 

「ところで何だけど..。ツルギ、サーニャ。二人はいつまで

話し合いを続けているの??」


「別に..。もう終わったとこだ。戦いの続きをしよう....」



 俺はとりあえず、負傷したサーニャに回復能力をかけた。そして、

そんな彼女は今、後ろでスタンリューマにかけられた<呪い>の進行を

抑えるための呪文を唱えている。


ーしかし


「ねぇ。もう、戦いの必要はなくない?」とメリッサ


 これは予想外の返しだ。


「あのね..。私の目的はあくまで、そこで横たわっているエルフの王の抹殺。

だから、彼女を私に引き渡してくれたら、私はもう、いなくなるわ」


 空気が凍てつく。ツリーハウスは燃えているのに、震えが収まらない..。


「サーニャ..。スタンリューマを連れて外に脱出しろ..。ここはもう焼失する..。

このままじゃ煙を吸って一酸化炭素中毒になって死ぬぞ」


「うん..。そうするつもり....」


 そう言った後、サーニャはスタンリューマを抱えた状態で、壊れた壁から外へと

脱出して行った。


 パチパチー


 火の勢いは徐々に強まっている。黒煙が部屋中に充満しているため、常時自己回復を

していないと意識が飛びそうになるし、さっきから目も霞んで見える。


「あぁ..。彼女を残さない..。つまり、交戦の意思ありと、そういう事ね..」


「そうだーー」


 『よ』と発声しようとした瞬間、俺の身体は何等分にも切断された。


「じゃあ。私と、どちらかが死ぬまで戦いましょう!!」


「はぁ..。いきなり斬ってくるなよ..。でもまぁ、そうだな..。

俺はお前の事を許せそうにない。殺されても文句言うなよ!!」


「えぇ!!勿論!!!!!」


 さて、どう仕掛ける?右手を大きく振りかぶって..。


『ラディオーー』


 詠唱..。なら、、足元に落ちている木片を拾ってーー魔女の喉にブッ刺してーー


「遅い..」  『アクティブ』


 突如、俺の前方が真っ白な光に包まれてーー


「あはははは!!楽しいよツルギ..!もっともっと戦おう!!」


 魔女は俺の真正面ーー嘘だろ..。今の一瞬で距離を詰めてきた。

というか魔法の影響は受けてないのか、身体には何の影響もーー


 ボロっーー


 いや..。体が溶けている..。どういう理屈だ..?今のは加護ではなく魔法だった。

サーニャに教えてもらった魔法の中にはない..。魔女のオリジナル?


「くそっ!頭回れ!!」


 どんな攻撃が有効か..。考えるのは後回しーー。魔法は魔力切れが怖いけどーー

サーニャに教えてもらった魔法で、

一番火力が高そうだった奴..。いや、単純な火力はダメだ..。

メリッサはオートで魔法を発動し、どんな攻撃も防がれるーー


 ならーーまず、右手で水魔法を繰り出して、、あれ、右手の感覚がーー


「はい..。落とし物..」


 魔女が、手を持っている..。またいつの間に斬られたのか..。何故痛みを感じないーー

それに、回復の効きが若干弱まっているのか..。


 くそ..。早く回復しないと魔法が打てない。というか、メリッサが視界から消えた、、

どこに行った??それにまずい..。火が足元にまで迫ってーー


「そうね..。ここはとても不安定だからーー場所を変えましょうーー」


 刹那、ードンーとーバキーが混ざったような異音が俺の背中から鳴った。

背骨が砕けた。内臓も腹から飛び出しているーー激痛で発狂ーー

いや、その前に何だこの風圧ーーまさかさっきの蹴りで飛ばされてーー

ジェットコースターが落ちる時みたいに、自分の心臓の場所が分かって気持ちが悪い。


 でも、、右手は何とか回復ーーちょっと待て..。王立図書館の大樹が目の前にーー

物凄い速度で接近ーーどれほどの威力で蹴られればこうなる。このままじゃ正面衝突ーー

頭はまずい..。腕でガード。。当たった瞬間に回復をかければギリ間に合うかーー



 蹴り一発で、スタンリューマのツリーハウスから直線距離にしておよそ900m先に位置する

王立図書館に、剣は飛ばされた。衝撃の際、飛び散った内臓と血肉、そして砕けた脊髄から

漏れ出る液ーーこれらを瞬時に超回復させた剣は、満を持して、という言い方は変だがーー



 ”正面衝突”



 当然ながら、質量約60kgの物体が、空気抵抗を受けたものの、新幹線並みの速度で木に

激突したのだ。巨木であれど、表皮は抉れ、彼の身体を中心とした大穴が、大樹に

刻まれた。剣の、手による瞬時のガードは無意味ー当たった瞬間、

手の骨は砕け、砕けた骨が、

彼の顔に突き刺さった事が、かえって被害を深刻なものにした。


 普通なら即死。回復など、する余裕もないーー勝敗はもうこれで決まったも当然ーー

回復能力持ちの剣の殺害方法は、即死技を持って、他には存在しない。しかし、魔女の

扱う能力のほとんどはそれに匹敵するレベルにまで高まっている。


 食物連鎖の頂点ーー唯一の天敵は、精神面を操作してくるスタンリューマ唯一人。

だから早めに潰す選択をとってくれたサーニャは、本当に優秀だ。

今となっては剣に懐柔させられたものの、もう、時既に遅し。愚鈍な決断と、怠慢が

招いた結果ー初めから説得すれば良かったものを、、本当に馬鹿な子ら。救いようがないーー


 さて、剣は死んだーースタンリューマを討ち取りにーー

いや待って、そんなはずはないけど、まずはツルギが生きている可能性も含め、死亡確認をー


 潰れ、原型を留めていない彼に、手で触れた。

良かったー心臓は動いていない、身体も冷たいーーよし、これで..。あれ、、何これ、

ツルギに触れた手が濡れてーー。でも、ただの真水か..。


 問題ない。始末完了ーー


 剣にはこれ以上目もくれず、

半歩後ろに下がり、スタンリューマとサーニャのいる方へ目を向けた。


 高揚ーー快感ーー頭からアドレナリンドバドバーー

あぁ、この感じ好き、、目の前に勝利が転がっていて、それを摘み取る前の、この

ほんの少しだけもどかしい一時、、まるで胸を揉みほだした時のような、、

頭が痺れるような、切ないような気持ちーー皮膚感覚が鋭敏になって、心臓バクバクで

止まらなくなって、四方八方の目に映る景色全てが淡く弾けるみたいなーー


「あは、、、気持ちいい..」


「何が『気持ちいい』だよ。俺は全然気持ち良くねーんだよ」



 ????


 なぜ生きている?もう貴方は死んだでしょ?人間なのよ貴方??人間って知ってる?

心臓が止まって、身体冷え冷えになって頭蓋骨潰れてた人間は死ぬのーー


『トニトゥルス』


 あらら、シンデない。魔法放った。えっとこれは雷魔法、何で防ごうかなーー

オート魔法発動で万事解決、、こんな低レベルの出力ーー私には効かないよーー

ほら、だから、何故私に殴りかかろうとするの?無駄だって分からない??


 パリっ


 あれ..。雷っていつも何で対処してたっけ..。いつもピリピリするくらいだから、

オート魔法の対応外ーーそうだった。


 意味はない 雑魚の散り際 まさに刹那の霹靂の如し 


「馬鹿が..。興奮して頭回ってねーのか..?」


「え..?」


 深呼吸ーー


「お前が電気系統効かないのは、お前の身につけている鎧の表面にメッキが塗られてて、

不導体になってたからだ。でも、今は違うだろ」


 あ....。お水....。


「メリッサ。AEDって知ってるか?とにかく、正常な人間の心臓に、

電気ショックを与えるどうなるか..」


「知らないわよ..」


「じゃあ教えてやる..。心室細動....そして最悪の場合..」




















「心停止だ」


 魔女って、要はそういう名称がつけられただけで、カテゴライズは俺と同じ

人間だろ。ならいくら強くても、、殺し方は常識の枠を出なくて良い。

規格外な攻撃手段を持っていようが、こちらも規格外である必要はない。


 バチっ


 よし。感電して身体が痙攣ーー半歩のけぞって、螺旋階段の縁にいて

スンデのとこで、落ちないように耐えてる奴にトドメを刺そう!

この最強奥義を喰らわせてやる。


 無差別(男女平等)最強(平均的な)撲殺拳(所謂パンチ)


 これで終わり..。俺の勝ち......。拳を、顔に当てて、、


 パシ


 実際に当たったのはメリッサの右の手のひらでした。


 うふふふふ


ーあれ..。これ、もしかして..。



「酷いじゃない。レディの顔面にパンチを喰らわすなんて」


「く、、」


 止められた。でもどうしてピンピンしてやがる?感電させたはずだろう?

しばらくは痺れてまともに動けないはずなのに、、いや、今は仕方ない..。

まだ左手があるーー


「じゃあ!レディじゃなかったら殴っても良いのかよ!?」



 掴まれた。今度は逆の手でーー


 さて?質問です。私は今、ツルギの握り拳に爪を立てており、

それが皮膚に食い込んでいるせいか、

彼は伸ばしきった腕と拳を引っ込められそうにない。

かといって、私も両の手は塞がっている。この膠着状態、

どう乗り切りますか?とっても簡単ですね!!


 片足を蹴り上げてーー


 パキョ


「睾丸を粉砕してーー」


「グワァああああああああああああああああああ」


 怯んだ所を、彼の首に右手を回して、もう片方の足でロックして、

動けなくします。そうして、空いた左の手でーー


 いや、正確には人差し指と中指で、


ブチユ


「目を潰します」

 

 この時、目の中の、網膜の更に奥にある視神経を指でクチュクチュすれば、

回復を遅らせる事が出来るかなーーうわぁ、指がヌメヌメーー


 そして最後に、、


パシっ


 単純な平手打ちで、鼓膜を破ります。


 いや、まだもう一つだけーー


 さっき指でほじくり出した彼の瞳を、彼の口の中の、中切歯の間に

挟んで、、顎をプレス!!液体ドバドバ


「どうですか??自分の瞳の感触と、お味は?次は何を食べます?」


「あ....あ......」



 このような感じで、人間の精神はとても脆いので、簡単に破壊する事が出来ます。


 え?貴方は人間ですかって?やめて下さいよそんな事聞くの!私は..



『ファイヤボール』



「はぁ、、くそ..。いてぇし、精神抉ってきやがる..。

回復手段として痛み止めに専念してなければ、いつ発狂してもおかしくはなかった..。

でも、その油断が仇となったな。せいぜい消し炭になーー」






 エルフ、ドワーフ、サキュバス、、


 人間は、人あらざるものに、これらの名称を与えました。




「ど、どうして..」



 そしてその中で、最も恐れられる種族が一つだけ..


 その名を、”魔女”含めーー



「死んでないんだ!!」











 人は、魔族と呼んだーー


 それは、


 それは、魔族と定義するのが最も適する程に不気味でありーー

しかし、魔族と定義するのにはあまりにも美しかった。








 








 







 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ