第四十話 真実②
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魔女の正体に気付いたのは、俺の力でメリッサを蘇生した後だった。
というのも、俺が彼女を蘇生した時、彼女にはもう、
<老化の呪い>はかかっていなかったからだ。
現状、魔女が気化の呪いを発動するために動いている=魔女は生きている。
それなのに、どうしてメリッサの呪いは解呪されたのか?
最初は、この謎がどうにも理解できず。気化の呪いは魔女のものではなく、
魔女以外の、第三者が発動させようとしている可能性を疑った。
とすると、この時点で考えうる容疑者は、スタンリューマかサーニャの二択ー
しかし、スタンリューマはキューラが魔女に殺された時、俺と一緒に
ポーカーをしていたから、まずありえない。この”あり得ない”という発想は一番危険
だという事は重々承知だが..、もうだとすると、残りは消去法でサーニャになる。
確かに、彼女は呪いに関する知識は豊富だし、魔女もどきのような事をしていても
何らおかしくない。じゃあ..、彼女が今回の一連の騒動の黒幕か....?
ただ、彼女にそこまでの器量はあるだろうか..。
いや待てよ..。
そんなはず..、ないよな....。
♢
「メリッサ..。一ついいか..」
「何?ツルギ....」
空気が凍りつくようだった。刺すような彼女の視線が、俺の鼻頭を貫いた。
怖い怖い怖いーーでも、言うしかない..。
もう、全部、分かってしまったのだからーー
「キューラがさ..。死ぬ直前に、俺に古代遺物を渡してくれたんだ..。
会いたい人の場所に行けるんだってさ..。それで、、いざこの道具使ったらさ..、
ツリーハウスの前に飛ばされたんだ..。俺........」
「ふーん..。それで..?」とメリッサ
「....。それで、ツリーハウスの中には、おまえと..サーニャが二人いて..。
俺の会いたい奴は、、そのどっちかって事になるんだよ......」
「そうなんだ..。で、ツルギの会いたい人って、誰だったの....??」
足の震えが止まらない。全身から冷や汗がとめどなく流れた。
でも、もう、言うしかない....。
ーー「魔女だ」と。
俺の出した結論はこう。
魔女は恐らく、過去にスタンリューマと対峙し、
彼女に人格を操作され、魔女である記憶を失った。
つまり、俺が彼女と初めて会った時、彼女はまだ、正確に言えば魔女ではなかったのだ..。
しかし、彼女が死んだあの日ーー
俺は彼女の頭部を含む全身に回復能力をかけてしまった。
頭部ーースタンリューマの能力は、俺の回復能力で解けるのは実証済みーー
そう。あの日、彼女、いや、メリッサを再び魔女に戻し、魔女を延命させ、
そして魔女を蘇生させた。全部俺のしでかした事ーー
だからーー
俺は自分一人で、魔女を殺さなければならないーー
俺の回復能力は応用も、戦闘法も、実践経験は皆無ーそれに、魔法は一日だけの付け焼き刃
自分にかろうじて出来るのは、弓と矢の扱いくらいーーそれでもーー
「メリッサ!!今からお前を倒す!!」
「....。あはは..。バレちゃったか..」
「良いよ..。暇潰し程度なら..。相手してあげる....」




